【ワシントン時事】29日に米首都ワシントン近郊で起きた旅客機と軍用ヘリコプターの衝突事故は、乗客ら
67人全員が生存を絶望視され、発足からわずか10日のトランプ政権に試練を突き付けた。
トランプ大統領は30日、民主党政権が航空管制官などに資質の足りない職員を登用したことが事故につなが
ったとする自説を展開。悲劇に政治を持ち込み、責任回避に躍起となった。
事故の翌朝に開かれた記者会見。トランプ氏は冒頭、民主党批判をぶちまけ、記者団をあぜんとさせた。
トランプ氏の主張は、少数派の職場参画を促す「多様性、公平性、包括性(DEI)」をバイデン、オバマ両
政権が重視した結果、「精神的、身体的に問題のある職員」が雇用されていたというものだ。会見後には、連
邦航空局(FAA)に「資格を満たさない職員」を交代させる行政命令を出した。(時事通信 1/31 金)
予想通りの対応だ。原因調査に着手した直後にもかかわらず、自らの責任回避のためにこのような発言をする
ことは許されない。ましてやDEIが事故の要因のように誤誘導することは一国のリーダーとしてはあってはな
らないことだ。
世界には肌の色が違う、考え方も異なる沢山の人々が様々な環境で生きている。トランプ氏のように差別を助
長する発言を繰り返せば、あらゆる事象に関して原因究明も困難な事態になり、憎悪が蔓延ることになる。寛
容さを持ち冷徹な原因究明を求める。