よしーの世界

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多様性を楽しむ生き方   ヤマザキマリ

2022-08-27 07:53:54 | 
私より7歳年下の著者と私の子供の頃見ていたテレビ番組や社会現象は驚くほど一致する。勿論地域性や

育った環境、趣味嗜好の違いは歴然とあるが、昭和という時代においては、私とそれ以外の人々、家族や

友人たちと共通の話題が常にあった(これも、その対象によって好悪があるが)。平成になって、自分を

取り巻く環境はより狭くなり、歌一つをとってもあなたと私のように身近な存在を対象にしたもが殆どに

なる。


あとがきにおいて著者は「昭和という過去をひたすら振り返って、一概にあの時代は良かったね、あの時

代が戻ってくればいいのに、などと手放しで賞賛したり、短絡的に捉えているわけではまったくない」と

書いている。そして本書では冒頭から昭和という時代を極めて多感な青少年の頃に、他の人々と違った環

境で過ごした自身の変遷を詳細に描いている。


同調圧力は最近になってよく聴く言葉だが、昭和以前には今のように何となく、しかし真綿で首を絞めら

れるような状態ではなかった気がする。その頃はもっと直接的(いじめとか)なもので分かり易かったと

言える。何か居場所がない、社会から疎外されているような気がする、というようなことは最近の傾向に

思える。


昭和がまたクローズアップされるようになってきたのは、今の時代の息苦しさからの逃避にも思える。変

とか、オカシイということを笑える寛容さが必要に思う。人によって違うのだ。百人百様である。出る杭

をみんなで打つ必要はない。


   多様性を楽しむ生き方   ヤマザキマリ         小学館新書

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