少し古いですが、雑誌アエラの2010.6.7号、
表紙は中村俊輔。
「もちろん、勝ちたいです。次の世代に道を作るために」
とはその中村俊輔選手の言葉。
いよいよワールドカップも開幕。
二日目の今日は韓国がギリシアを2-0で撃破。
うらやましいですね~
日本の初戦は明後日、月曜日ですか。
がんばってほしいです。
さて、その週のアエラの特集、題して
『「人に投資」で増収増益達成』。
業績を回復させ増益を達成した企業の中には、リストラやコストカットを原資とした企業だけではなく、
「人に投資」した企業もあったと、そんな内容の特集でした。
取り上げられていたのは5社。
ニトリ、ユナイテッドアローズ、ぐるなび、ユニ・チャーム、ノバレーゼ。
組織は人なりとはよく言われますが、
当然、組織は人によって構成されるわけですし、
会社、ビジネスも・・・それでも人しか♪できないわけで・・・
でも、なかなか「人」を意識した経営って難しいんだと思うんですよね~
とても興味深く読ませてもらいました。
その中でも、気になった言葉をいくつか。
ニトリ・似鳥昭雄社長の話、
すべてを会社が強制するやり方では、なかなか社員は成長しません。自分で感動し、考えて計画したものは順調に進む。それにはやはりロマンとビジョンが必要です。意欲、執念、好奇心もそこから出てくる。
(中略)
人を育てるのも同じことだと思います。努力の方向を間違えないためにも、ロマンとビジョンは大切なんです。
ニトリの憲法 ━ 1に安さ、2に安さ、3に安さ、4に適正な品質、5にコーディネート ━ に加えて、ロマンとビジョンの徹底?共有?
「努力の方向」のベクトル合わせ、力が分散することを極力避けること、
できそうでできない重要なポイントだと感じました。
ニトリの話では、このほかには「源流改善」という言葉、
不良品を減らすために、「出てきたものから悪いものを取り除くのではない」
そもそも不良品を発生させた理由、何が問題なのかを突き詰めて、改善していく、
そういうスタンスも良いですよね。
きっと、不良品が出ないようにチェックを重視したほうが、コストも押さえられ、(短期的な)効果も顕著なんでしょうけど、
あえて、時間をかけて、そもそもの問題に切り込んでいく・・・
「商品の品質だけではなく、人材の品質を上げることに、長期的な視野で取り組んでいる」という一端ですよね。
もうひとつ、挙げたいのはユニ・チャーム、
デキる人がどんどん仕事をして成果を上げるだけでは限界がある。デキる人も、実は他のみんなに支えられているし、たまたま運が良かったからということもある。だから個人の成果はみんなに還元して、全体を底上げする方が、会社全体としては大きな成果が上がる。うちではこの考え方が徹底されています。
目標管理は当たり前の世界となって、
多かれ少なかれ、「成果」の測定、言い換えれば広義の成果主義は、
普通に見ることのできる会社の理屈だと思います。
確かにがんばっている人と、そうでない人がいるわけで、
だからといって、がんばっている人=成果を上げている、がんばっていない人=成果を上げていない、ということにならないのが難しいところですよね。
けれども、最後は成果、結果がすべてでしょうと簡単に言い切ることも、
会社の理屈では可能なんですが、、、本当にそれで良いのか???
個人的にはサラリーマン生活の多くが、会社の理屈を掲げる側になってしまい、
発する言葉とその裏の思いで、いつも悩むんですよね。
これも少し前の記事ですが、内田樹先生のブログに「大人への道」という話がありました。
http://blog.tatsuru.com/2010/04/22_1315.php
「「共同的に生きる」ということの基礎的なノウハウが欠如した社会集団」、いわゆる「「ちかごろのわかいもん」をどうやって組織人に仕立て上げたらよろしいのでしょう」
という問いからの内田先生の考え。
とても、勉強になります。
高度消費社会は、「自分が自分の手で稼いだものについては、それを占有し、誰ともシェアしてはならない。『自分らしさ』は誰とも共有できない商品に埋め尽くされることで証示される」と信じる子どもたち
まさに、「高度会社社会」も、
「自分が自分の手で挙げた成果については、他人の成果ではなく、自分の成果であることを明示しなければならない。『自分の存在価値』(自分の報酬)は自らの成果に埋め尽くされることで証示される」と信じる子どもたち
を作り出すことを目的としていた感もあるんですよね。
ユニ・チャームの話を読みながら、こんな話とあわせて、
ちょっと考えさせられていました。
相変わらず、答えはありません。
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