「雇用」が非常に厳しい局面を迎えつつあるようですね。
昨日の日経夕刊では、雇用の悪化が止まらないと一面トップで書かれていました。
一月の有効求人倍率は0.67倍。5年4ヶ月ぶりの水準なのだそうですが、
少し前に書いたように、日経日曜の求人広告の急激な減少などを見ていると、
今後のさらなる悪化を想像させます。
そもそも、雇用情勢の悪化は、計画的な採用は急には止められないことや、
業績の深刻な悪化を受けて、雇用調整に入る会社が多いことなどから、
景気悪化の後追いになりますので、まだまだ序章と考えたほうが良さそうです。
同様に雇用回復は景気回復の後追いになりますので、
回復には、しばらくかかるんでしょうね。。。
そんな中、国の来年度の予算が衆議院を通過したようですが、
「雇用保険料の引き下げ」も組み込まれているんですよね~
今まで保険料を取りすぎていたり、企業負担の低減による企業業績への貢献(もちろん労働者負担の低減もありますが、企業と比較すると家計への影響は少しですからね。)など、いろいろと目的もあるんでしょうけど、
かなり時期が悪い感じがしますね。
「保険」である以上、リスクが高まれば、その分、保険料は増えて当然かと(苦笑)。
さて、今日、書いておきたいなと思ったのが、ある本の紹介。
垣根涼介さんの『君たちに明日はない』という本です。
※ちなみに、この小説は、2005年の山本周五郎賞受賞作です。
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/yamamotosho/archive.html
本の題名から、ちょっときつい感じを受けると思いますけど、
内容も、端的に言えば「リストラ請負業」、
つまり、会社側から希望退職者の募集を請け負う会社で働くサラリーマンの話です。
こういう雇用情勢の厳しい中では、内容的には笑えない人も多いかもしれません。
だからこそ、読んで欲しい本ですね。
「リストラ」とは、「クビ切り」の横文字版と言いますか、解雇の後ろめたさを何となく和らげるための言葉になっていますよね。
ただ、ご承知のように、現実的には大会社の多くは解雇(クビ切り)なんて簡単に出来ない環境にありますので、希望退職者を募りつつ・・・という結構、ややこしいと言いますか、回りくどいやり方をしているのが現状です。
この小説は、そういう現実的な前提をしっかりと押さえた設定となっていますので、
特に人事の仕事に携わっている方は、リアルに話に引き込まれるのではないでしょうか。
そんな「希望退職」を会社側の意向を踏まえつつ、主人公は対象者に説明(実際は説得というほうが適切か?)していくわけですが、
その対象者の悲哀、
そして主人公のノー天気ながらも、本質的には優しい性格が故にちょっと見え隠れする良心の影、
こうした部分が笑いも交えつつ、上手く描かれています。
希望退職を目の前につきつけられるリストラ候補者と、
リストラ候補者(家族や背景も含め)と目標数字を目の前にする主人公、
「正しさ」や「優しさ」は簡単ではないと感じますね。
この本をボクは、友人から薦められて少し前に読んだんですけど、
これだけ雇用環境が厳しいニュースが多い中で、ついもう一度、
とボクにしては異例の二度読みをしました。
そして、思わず続編も購入。
続編は『借金取りの王子』という題名です。(未だ文庫化されていません。)
続編の感想は、題名も、本の表紙もしっくり来ていないんですけど・・・
正直、残念という感じです。
せっかくなので、続編についても、少しコメントを残しておくと・・・
話のテンポも、ストーリーも前作に続き、良かったと思うんですけど、
主人公の優しさが全面に出てきすぎなんですよね。
この主人公は、鬼の仕事、憎まれ仕事を、一見、あっけらかーんとこなす、
これが肝で、
続編では、優しさがそのまま表れて、良さが半減。そんな感じ。
それでも、主人公・村上真介の次に期待!なんですけどね!
ここ数ヶ月、Mr.Childrenの「SUPERMARKET FANTASY」というアルバムをよく聴いているんですけど、
その中の「東京」という曲が、この話とよく合うんですよね。
仮に映像化するなら、主題歌はこの曲に決定!という感じです。
♪ 思い出がいっぱい詰まった景色だって
また破壊されるから
出来るだけ執着しないようにしてる
それでも匂いと共に記憶してる
遺伝子に刻み込まれてく
この胸に大切な場所がある ♪
君たちに明日はない (新潮文庫) 垣根 涼介 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
借金取りの王子 垣根 涼介 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
半月前、ベッドの周りに積んでいた古い雑誌を手に取り読みました。
小説新潮2006年7月号です。国家の品格の藤原正彦氏が寄稿して
いたため、昔に購入したままになっていました。ペラペラとめくっ
てリストラ請負人・君たちに明日はない女難の相に目がいき読みま
した。最後まで読み変な言い方ですが、作品に引き寄せられました。
良い作者だなぁーでした。興味がわきました。垣根涼介氏。
ここで、取り上げられているとは、なんたる偶然でしょうか。
そうですか、「借金取りの王子」はだめでしたか・・・。
(私はまだ読んでいません)
「君たちに明日はない」の書評に関してはいちいち納得です。
「噂」も早速読まれたんですね。
ぜひご感想をお聞かせください。
こういう偶然もあるんですね~
ビックリです。
小説新潮で連載されていた(いる?)んですね。
「女難の相」は二作目の『借金取りの王子』に入っていました。
ボクにとっては他人事ではない「生保」のリストラの話でしたよね。
垣根涼介氏・・・良いですね~
いつも良い本を紹介してもらい、ありがとうございます。
ホント、asaBさんの本は外さない!
「借金取りの王子」は、悪くはないのですが、
「君たちに明日はない」に比べると・・・
「噂」も良かったですよ。
asaBさんの言っていた帯の問題・・・
“衝撃のラスト一行に瞠目!”
確かにこれはいけませんね~
読者をなめているとしか思えません。これは残念。
ただ、キャラクター設定やストーリーは良いですね!
思わず萩原浩氏の別の本をすぐに買ってしまいました。
また近いうちに、養老で語り合いましょう!
何となく気楽に読めてしまったんですが、所々ホントにリアルで、身につまされるというか・・・。
最後の場面はちょっと唐突な感じがしましたけどね。。
それから、SuperMarket Fantasy も買いましたよ。「東京」をはじめ、どれも「いい曲」ですね。会社までの道を歩きながら毎朝聞いてました。
「風と星とメビウスの輪」はまた壮大な感じになっちゃってて驚きました。GIFTのシングルに入っているピアノの伴奏のバージョンのほうがシンプルで、好きかなぁ。
ちなみに最近のボクのiPodヘビーローテーションは、天地人オープニング曲です・・
返信が遅くなってスミマセン。
君たちに明日はない・・・
仕事柄、会社で回し読みしてもらっています。
ボクたちにも明日はないかもしれない中、
こういう世界も必要かなと。
SuperMarket Fantasy・・・
良いですよね。相変わらず、力の入っている朝はこれです。
天地人オープニング曲という発想はありませんでしたが、
これはありですね!
真似してみたいと思います。