2006.2.19、日本選手権の準決勝。
早稲田史上最強と呼ばれた“佐々木組”がトップリーグ王者・東芝府中に敗れました。佐々木組の終章であり、早稲田・清宮監督の5年間の終章。
清宮克幸さん、というより早稲田の清宮監督の書かれた『究極の勝利』を読みました。(昨日の試合の感想をと思いましたけど、本の感想になりました。)
まさに清宮監督の、そして早稲田ラグビーのこの5年間を振り返るのにピッタリの本ですね。
ボクは先週のトヨタ戦を挟んで読んでいましたので、先週の歴史的なトップリーグ上位チームの撃破には思わず感動の涙が・・・ でも、2.19東芝府中戦の前に読み終わりまして、すっかりドラマの最終回を待つ気分となってしまいました・・・(この1週間は最終回となることへの否定と肯定の葛藤でした。)
本の売り上げ的には日本選手権の真っ只中の出版でベストだったのでしょうけど、個人的には少し早く読みすぎた・・・なんて思ってしまいました。何となく「卒業式の予行練習」で泣いてしまった気分になったことはボクが感傷的過ぎるのでしょうね。
みなさん、ハローです。ホディです。
早稲田大学ラグビー蹴球部のホームページで昨日の試合を振り返りながら、今シーズンもラグビーで楽しませていただいたなぁという感謝と、“佐々木組”はもう見れないのかという寂しさを感じていました。
※http://www.wasedarugby.com/?page_sysnm=gamerugby_detail&id=1613
今日は冷たい涙雨・・・
さて、『究極の勝利』。
この本を例えるならば、試験の解説。
高校生のとき、ボクはさまざまな試験を終えるたびに答えだけでなく、その解説をじっくり読んでいました。一生懸命やった試験であればあるほど、解説をじっくり読みたくなりますし、解説が頭に入る気がしていました。
ボクが期待を込めてつつ観ていた早稲田ラグビーの5年間の解説。知っていること、何となく感じていたこと、全く知らなかったこと、いろいろなエピソードが清宮監督のコトバで語られています。
少し引用します。
早稲田は最先端の科学的なメニューを組み込んだ練習を行っている。
しかし、それを大前提に、プラス・アルファを求めて非科学的な練習をするのである。そうでなければ、効果もでない。
「理不尽だ」「非科学的だ」と言われる絞り練習もあえてやるのだそうです。練習時間は短くして、練習メニューも大きく変えたにも関わらず。。。
「チームを引っ張っていく力をつける場所、下級生が刺激を受ける場所」として必要だと、そういう意図なんだそうです。そして清宮監督は「そこでがんばることのできない選手は、根本的な部分で信頼が置けない」と書かれています。
そういう科学的には説明できない「何か」を身につけさせるため場。それが試合でのあと5センチ、あと一歩につながる。
最近は直接的で、しかも即効性のあるモノが求められる傾向が強いと思いますけど、ボクもこういう「何か」は確かにあると思いますし、もっと大切にしないといけないと思いますね。
天井を作ると人間は伸びない。
できない、勝てないという意識をなくすこと。
自分の意識の中で作られた“見えない壁”が成長を阻害するということですよね。
何となく精神論的な部分にボクは魅かれてしまっていますけど、ヒトは科学的に割り切れるものではないと思うんですよね。
「努力と根性」、そして「目標」。もちろん合理的な練習や科学的な裏付けは土台ですけど、こういう指導もできることはやはり素晴らしいですよね。
最後にもう少しだけ。
この本によると、早稲田のミッションは・・・
- ラグビーを通して世の中に夢と感動を与える
- 創造と鍛錬による常勝軍団となる
ことなんだそうです。
勝利とか、優勝とか、そういう結果だけを求めるのではなく、その先があるんですよね。
残念ながら今シーズンの早稲田ラグビーはノーサイドとなりました。
ただ早稲田が掲げるミッションにはノーサイドはありません。
清宮監督、選手・関係者の皆さん、そして早稲田ラグビーが「究極の勝利」に向かって更なる飛躍をされることを期待しています。
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