おはようございます。
地域互助力向上ネットワーク
0-100地域の輪 中島直子です。
実は今年度から、佐賀新聞唐津支社の市民リポーターとして
年数回ではありますが、地域の記事を担当させていただきます。
昨日は、前任の吉木さんからのバトンタッチで支社長の辻村さんとお話させていただきました。この道30年という辻村さん。 逆取材したくなりました。(いつか、叶えます)
さて、今回担当させていただいたのは
小学生への取材です。
これまでの記事も参考にしながら
私のまわりの輝く小学生の中から誰を取材しようか、悩みました。
けれども、最初に浮かんだ少年に決めました。
ご本人とお父さんの承諾をいただきまして
私のブログにもご紹介させていただけることになりました。
取材に応じてくれたのは、小学校5年生のTくんです。
(新聞ではフルネームでご紹介していますが、ブログではそこまでの公開は不要と思いTくんとさせていただきますm(__)m)
彼は野球少年です。
実はうちの息子たちも同じチームにいて、
我が子より何年も先に兄弟でチームを引っ張ってくれていました。
いつも練習にはお父さんの姿があります。
印象に残っているのは、試合時のお父さんの声かけでした。
「落ち着いて」「自分を信じて」「自分のペースで」
他の部員にもそうですが
子どもたちへの声かけが、信頼を伝える言葉かけでとてもいいなと感じていました。
父子も兄弟関係も仲が良く、この絆はどこから生まれてるのか知りたいと思いました。
取材に応じてくれたTくんに
「野球はすきですか?」と最初に尋ねました。
もちろん、「はい」と即答でした。(なんで聞いたんだろう・・・)
「辛い時がありますか?」
少し考えて。
「エラーをして怒られたとき」と答えてくれました。
お父さんによると、「練習」というのは
できなかったことをやり直してできるようにすること。
前、指導されたことが次も同じ状態ではなく
進んだ状態のレベルで次指導してもらえるように練習しているそうです。
その都度、目的を明確にして親子で取り組むことが習慣になっているようです。
「辛い時をどうやって乗り越えてきたの?」
そこで、お兄さんの存在が出てきました。
「師匠でありライバル」
Tくんがそう呼ぶお兄さん(中1)は昨年野球部のキャプテンを務めました。
その「お兄さんに相談すること」そして「あきらめないこと」
これが辛い時の乗り越え方だそうです。
「あきらめない」 この姿勢はどこから来ているんだろう・・・
お話を聞くにつれ、だんだんと分かってきました。
実は、今は元気に野球ができているTくんですが
小学校2年生の時、「突発性血小板減少性紫斑病(ITP)」という
難病を患いました。
紫斑(内出血で現れる斑点)が体に現れ
病気と分かってから、家族で闘いが始まります。
出血を止める働きを持つ血小板が減ってしまう病気のため、
常に怪我をしないように細心の注意が必要でした。
寝るときも、ぶつけてけがをしないよう
ベッドまわりに毛布をくるんだりと、行動制限を余儀なくされました。
この時のお父さんの心中は、一生この病気と付き合っていく覚悟と不安が
交錯し本当に辛かったそうです。
佐賀市の病院への入院は約3か月。
唐津のお友達と会えない、家族と会えない。
特に小児科病棟のためお兄さんは病室に入ることができず辛い日々の中
毎日電話で声を聞き、一緒にゲームしたそうです。
その頃が信じられないくらい、すっかり元気になったTくん。
憧れのお兄さんと同じ野球部に入り
今はレギュラーで活躍しています。
「どんなお子さんですか?」
お父さんに伺いました。
小さいけどセンスがある。
がんこで負けず嫌い。
インタビューで強く残っているのはこの2点です。
お兄さんを憧れ追いかけ、いつか追い抜くために
まじめに練習し、部の練習がない時でも
キャッチボールや素振り等、自己練習を欠かしません。
決してあきらめない姿勢は、Tくんの持ち前の資質と
様々な苦難を家族で乗り越え培われた絆の賜物なのかもしれません。
これからどんな風に育ってほしいですか? お父さんに聞きました。
「いつも言ってるのは・・・ 前に出て、チャレンジして、何でも前向きに。
どうせなら自分がやる! 前に前に出て・・・と。」
やると決めたら、やる。
伺っているこちらも背中を押されるような、力強い言葉でした。
最後にTくんに、「夢」を教えてもらいました。
「お医者さん」だそうです。
「入院した時に、先生が助けてくれたので、恩返しがしたいです。」
それを聞いて、「あくまで夢ですよ、夢」
と言いながら、優しいまなざしを息子さんに向けるお父さん。
夢をいっしょに追いかけ
信頼し支えてくれる家族のあたたかい力を
取材のごほうびに頂いた気がします。
Tくん、Tくんのお父さん、
取材のご協力ありがとうございました。
【編集後記】
唐津に住む子どもたちを思います。
今、夢を持つ子どもたちの多くが
仲間に会えない状況。夢に近づく場所すらない状況の中で
どう過ごしているのだろうと。
こうなって、いかにこれまで当たり前にできてきたことが
実はとても有り難いことか、身に染みて感じているのは
大人だけではないでしょう。
こんな今だからこそ、今できること、できていることを
見つけて、続けて、大切にできるように子どもたちに声をかけていきたいですね。
取材時には練習試合ができていた野球部も、
コロナでもれなく合同練習や試合の機会が無くなってしまいましたが
Tくんはきっとできることを毎日続けているのだろうと
容易に想像ができます。
今回Tくんとお父さんに取材させていただいて、
何より子どもを信じるってこういうことかなと
教えていただいた気がします。
子どもの資質を客観的にみる。信頼し、困難は一緒に乗り越える。
できていないところを責めるのは簡単。一緒に考え
できるようにサポートする。できたときに一緒に喜ぶ。
ついつい「うちの息子は・・・」と困ったところが出てしまうくせも
一緒に過ごせる長期休校の間に改善される期待を・・・
まずは私自身を信じてみたいと思います。こうご期待!
地域リポーター 中島直子
神奈川県相模原出身
佐賀県唐津市在住
3児の母 0-100地域の輪代表
「ママが笑えば子も笑う」をモットーに
地域の母たちと共に「誰ひとり孤立しない地域」を目指して
多世代多職種の交流を生み出す活動を行う
★活動内容★
多世代を知る機会の提供
作詞作曲
YouTubeコロナに負けない!「手を洗おう」プロジェクト・歌で地域を「つなぐ」プロジェクト
講演依頼 テーマ例:引きこもり支援・母親向け・地域の支え合い他
「折れない心を育てるいのちの授業」
音脳リトミック&リズムマッサージ教室
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090-9576-0958中島