バキューム・パック
テーブルに散らばったいくつかの破片と手紙の束、破片がなんだったのか思い出せないし手紙を開いてみる気も無い、わざわざやって来る知らせが重要なものだった試しはない、最終的に返信を希望す...
スピードスター・スリーパー
木偶の坊古びて肥溜めの中失笑、糞の臭い骨まで染みて夜通し風呂何度も入れ替えて浸かりふや...
結果や結論に付着物など無いものだ
越えてはいけない線の先の方がずっと生き易い世界だった、厳しさが両手を広げて迎え入れてく...
誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる
チャコールグレーの夜、ローヒールの足音が窓の下を通り過ぎる時、インスタントコーヒーが少...
革命なんか笑い飛ばすんだよ、実際の話
現代そのものを浴びるほど飲んで酩酊し続けている、根幹の抜け落ちた人間どもが俺を不愉快にする、そこで生きざるを得ない以上仕方のないことだとはわかっちゃいるけれど釈然としないよね、ぶっ...
指先の足跡
瞳孔に刻まれた光景は必ず陽の当たらない場所だった、建物に張り付くように生え広がった羊歯、身を屈めで様子を窺う野良猫、酔っ払いの小便の臭い、行場を失くして蓄積する湿気、誰かが捨てて行...
傘は要らない
曇天には俺が出しそびれた悲鳴が充満していた、古いダウン・ブルースのリズムで年老いた魚の...
なにかが寝床にやって来る
無数の甲虫が這いずり回り鋭い牙をカスタネットのように鳴らしながら俺の皮膚を食い破り体内に侵入する、乱雑に食い荒らすせいで俺はまるで使い込まれて捨てられたズタ袋のように大小様々な無数...
These are better days.
振動を伴う、低い響き、脳髄の共振が、俺の体温をおかしくする、すべてを投げ出して横たわる...
寝苦しい夜は牙を研ぐのに向いている
狂った夜は俺を、悪夢に誘おうとする、俺は唇を嚙んで、流れた血の味で正気を取り戻す、出口...