無味乾燥(フィルターごしの痛み)
ふとした瞬間に明日の自分がない気がして 薄ぼんやりとした目覚めに足元がぐらついた 何...
あの日のバス
そんなに長い間じゃなかった、あの街角でいつやってくるのかも判らないバスを待ってい...
昨日18:11ごろ駅裏の人気の無い通りで奇妙にゆがんだ男の声を聞いただろう
昨日18:11ごろ駅裏の人気の無い通りで 奇妙にゆがんだ男の声を聞いただろう 奇妙にゆ...
ピースタイム・ポーレットシンドローム
壊れた小動物の死骸、数えると六と半分あった もう半分をどうしても見つけることが出...
僕は準備運動をしたことが無い
邪険な23時が身を切るほどの 硬質な糸のように絡みつく 停止ランプが灯りっぱなしの思...
虚勢の旗はみすぼらしいけれど
ろくな気分じゃない ろくな気分じゃない いつでも この時間には 浮わついた調子が...
個体の終わるところ
残響が果ても無く木霊する 冬枯れた丘の途切れるところ 巨人の矢尻のように鋭く 天を目...
終いに唾を吐く趣向
ひっきりなしに死んでは戻ってくる亡霊どもに心を奪われて 俺はかけがえのないものに...
「今から行くわ」と彼女は言った
頭の中で忌々しい羽音を立てている糞にたかる虫を追い出せ!俺の前頭葉で朝からずっと、...
この世の船乗りはため息に言葉をギュウ詰めにする
永き日々の落とす憂いの形状、呆然とした目視の床に金平糖の様に四散して 死産の赤ん坊...