9月19日(日曜日)の午後、都内で開催された『医療再生フォーラム21 第1回シンポジウム』に参加してきましたので、その模様を紹介したいと思います。
「全ての国民が必要な医療を受けられるために、私たちは医療再生へ向けて医師の連帯を呼びかけます。そして、公的医療費と研究費の抜本的な増額を求めます。」というメッセージがこのフォーラムの目的を良く表しています。今も確実に進行しつつある医療の崩壊ですが、その原因の一つになっているのが、医療の担い手である医師や看護士の皆さんの労働破壊です。深刻な人手不足から生じる超過重労働と健康損壊、そしてこれらの問題と密接に関係する医療過誤と訴訟リスクなど、多くの医療従事者の皆さんが非常に厳しい環境の中での労働を強いられています。このフォーラムは、医療従事者の皆さんの連帯によって医療界の現状と課題を明らかにし、医療再生に向けての正しい処方箋を提案していこうという取り組みなのです。
第1回目となったこの日のシンポジウム、第一部は「医療現場を中心に」、第二部は「医療の変革を中心に」、それぞれのテーマの下で5名のパネリストが発表をし、その後で総括的なディスカッションが行われるという構成でした。ちなみに、民主党からも梅村聡参議院議員が「永田町から見た医療」というタイトルで意見提起を行いました。
発表の全てがとても興味深い内容だったのですが、医師の労働問題とその解決策に興味のある私にとっては、全国医師ユニオン代表の植山さんの発表「医師労働の改善と医療費問題」が特に印象に残りました。
植山さんは、現在の医師労働の問題点を:
(1)長時間労働(過重労働の放置)
(2)不払い賃金(管理者のモラルハザード)
(3)医療トラブルのストレス(訴訟不安)
の3点であるとし、医療現場での労基法違反の現状を指摘するとともに、そこからくる医師の健康問題や医療事故の問題について言及されました。そしてその中で、次のような事実を明らかにされたのです:
皆さん、これがどういうことかお分かりになりますか? つまり、当直明け勤務のお医者さんに手術をして貰うということは、酩酊状態にあるお医者さんに手術をして貰うのと同じようなものだということなのです。
日本の勤務医の皆さんの平均労働時間は、週63時間を超えているのだそうですが、これは過労死ラインを超えてしまっています。平均でこの時間なのですから、もっと凄い時間、勤務している勤務医の方もおられることでしょう。今回のシンポジウムに参加していたお医者さんの一人が「この2年間で病院に行かなかった日は16日間だけ」と言っていましたが、これが実態です。ちなみに、EU(欧州)の労働基準では、『オンコール(呼出待機)を含めて週48時間』だそうです。あのアメリカでも、医師の週平均労働時間は51時間だとか。日本の状況がいかに酷いか、お分かりでしょう。
植山さんは最後に:
・過重労働の危険性をみんなが認識をすること
・医療界でもちゃんと労働基準法を遵守すること
・医師数を増加すること
を提案されています。全ての点で、政治の強い対応が求められるわけですが、私も特に、医療界での労働基準法の遵守について、これから掘り下げて政策提起をしていきたいと思っています。実はすでに、医療部門における労働基準法違反について情報収集を始めているのですが、今後、もう少しまとまった情報が得られた段階で、フォーラムに参加していた皆さんとの意見交換を進めていきたいと思っているところです。
なお、医師の過重労働や不払い賃金問題の解消、さらには今後の医師数の増加といった取り組みを進めていく上で、医療費の問題を議論しないわけにはいきません。この点、安定的な財源をいかに確保していくかという課題についても、税制の抜本的な改革を含め、政治の責任としてしっかり議論して提起していかなければならないと思っています。
この医療再生というテーマは、現実に医療崩壊が進んでいる地域にお住まいの皆さんに特に関心のあるテーマだと思います。興味のある方、ぜひ下記のUSTREAMで第1回シンポジウムの模様をご覧下さい。また、シンポジウムの模様を紹介したブログも載せておきますので、ぜひご参照下さい。医療再生に向けた皆さんからのご意見も歓迎します!
[USTREAM動画]
医療再生フォーラム 第1回シンポジウム
[シンポジウムを紹介したブログ]
「がんになっても、あわてない」
「新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで」
「全ての国民が必要な医療を受けられるために、私たちは医療再生へ向けて医師の連帯を呼びかけます。そして、公的医療費と研究費の抜本的な増額を求めます。」というメッセージがこのフォーラムの目的を良く表しています。今も確実に進行しつつある医療の崩壊ですが、その原因の一つになっているのが、医療の担い手である医師や看護士の皆さんの労働破壊です。深刻な人手不足から生じる超過重労働と健康損壊、そしてこれらの問題と密接に関係する医療過誤と訴訟リスクなど、多くの医療従事者の皆さんが非常に厳しい環境の中での労働を強いられています。このフォーラムは、医療従事者の皆さんの連帯によって医療界の現状と課題を明らかにし、医療再生に向けての正しい処方箋を提案していこうという取り組みなのです。
第1回目となったこの日のシンポジウム、第一部は「医療現場を中心に」、第二部は「医療の変革を中心に」、それぞれのテーマの下で5名のパネリストが発表をし、その後で総括的なディスカッションが行われるという構成でした。ちなみに、民主党からも梅村聡参議院議員が「永田町から見た医療」というタイトルで意見提起を行いました。
発表の全てがとても興味深い内容だったのですが、医師の労働問題とその解決策に興味のある私にとっては、全国医師ユニオン代表の植山さんの発表「医師労働の改善と医療費問題」が特に印象に残りました。
植山さんは、現在の医師労働の問題点を:
(1)長時間労働(過重労働の放置)
(2)不払い賃金(管理者のモラルハザード)
(3)医療トラブルのストレス(訴訟不安)
の3点であるとし、医療現場での労基法違反の現状を指摘するとともに、そこからくる医師の健康問題や医療事故の問題について言及されました。そしてその中で、次のような事実を明らかにされたのです:
- 日勤して当直をしてさらに日勤をする場合、連続労働時間は32時間半ぐらいになる
- 24時間眠らずに起きていた時の状態は、1mg/mlの血中アルコール濃度に匹敵する(酒気帯び運転の場合、0.5mg/ml 以上で免停)
- 24時間眠らずに起きていた時の状態は、1mg/mlの血中アルコール濃度に匹敵する(酒気帯び運転の場合、0.5mg/ml 以上で免停)
皆さん、これがどういうことかお分かりになりますか? つまり、当直明け勤務のお医者さんに手術をして貰うということは、酩酊状態にあるお医者さんに手術をして貰うのと同じようなものだということなのです。
日本の勤務医の皆さんの平均労働時間は、週63時間を超えているのだそうですが、これは過労死ラインを超えてしまっています。平均でこの時間なのですから、もっと凄い時間、勤務している勤務医の方もおられることでしょう。今回のシンポジウムに参加していたお医者さんの一人が「この2年間で病院に行かなかった日は16日間だけ」と言っていましたが、これが実態です。ちなみに、EU(欧州)の労働基準では、『オンコール(呼出待機)を含めて週48時間』だそうです。あのアメリカでも、医師の週平均労働時間は51時間だとか。日本の状況がいかに酷いか、お分かりでしょう。
植山さんは最後に:
・過重労働の危険性をみんなが認識をすること
・医療界でもちゃんと労働基準法を遵守すること
・医師数を増加すること
を提案されています。全ての点で、政治の強い対応が求められるわけですが、私も特に、医療界での労働基準法の遵守について、これから掘り下げて政策提起をしていきたいと思っています。実はすでに、医療部門における労働基準法違反について情報収集を始めているのですが、今後、もう少しまとまった情報が得られた段階で、フォーラムに参加していた皆さんとの意見交換を進めていきたいと思っているところです。
なお、医師の過重労働や不払い賃金問題の解消、さらには今後の医師数の増加といった取り組みを進めていく上で、医療費の問題を議論しないわけにはいきません。この点、安定的な財源をいかに確保していくかという課題についても、税制の抜本的な改革を含め、政治の責任としてしっかり議論して提起していかなければならないと思っています。
この医療再生というテーマは、現実に医療崩壊が進んでいる地域にお住まいの皆さんに特に関心のあるテーマだと思います。興味のある方、ぜひ下記のUSTREAMで第1回シンポジウムの模様をご覧下さい。また、シンポジウムの模様を紹介したブログも載せておきますので、ぜひご参照下さい。医療再生に向けた皆さんからのご意見も歓迎します!
[USTREAM動画]
医療再生フォーラム 第1回シンポジウム
[シンポジウムを紹介したブログ]
「がんになっても、あわてない」
「新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで」