いやもちろん、私に会いにわざわざ日本まで来てくれたわけではありません。ILOの能力開発・雇用可能性局が取り組みを進めている「環境分野のための能力開発(Skills for Green Jobs)」というテーマについて、ILOの研究成果や各国の取り組みを紹介するとともに、日本の経験について調査するために来日していたとのこと。忙しい日程の合間を縫って、意見交換に来てくれたわけです。
Evans-Klock局長は、以前、バンコクに拠点を置くILOの東アジア地域事務所の所長をしておられました。その時、私はイタリアのトリノでILO国際研修センター(ITC-ILO)労働者教育プログラムのアジア太平洋地域担当官をしていて、プログラムのためにバンコクに訪れた際に局長にお会いしたことがあります。その後、私がマニラに異動になったのとほぼ時を同じくして局長はジュネーブに異動になったので、地域で一緒に仕事をすることはなかったのが残念でした。今回は、3年か4年振りにお会いしたことになります(お互い、いつ最後にあったかははっきり覚えていないのですが・・・笑)。
正味40分ほどの会談でしたが、日本でのプログラムの中身を伺うと共に、若年層雇用の現状や、労働市場のニーズに合った能力開発プログラムの開発といったテーマについて、いろいろと意見交換をすることが出来ました。私からは、日本の雇用の状況や、政府の取り組みなどについて説明するとともに、菅内閣は雇用を最優先課題の一つと考えていること、中でも環境分野は成長産業の一つとして、新しい雇用の創造をめざしていること、そのための人材・能力開発は急務で、他国の経験を共有することはとても参考になるであろうこと、などをお話ししました。
ILOは、このテーマでのケーススタディを21カ国で実施し、報告を出しています(参照→ http://www.ilo.org/skills/what/projects/lang--en/WCMS_144268/index.htm)。環境分野はどこの国でも成長産業として注目されていて、今後国際的にも競争が激しくなる分野です。それだけに、それを担う人材をしっかり育てるとともに、持続的な雇用を提供できる成長産業に育てていく必要があります。この点で、各国の取り組みは、日本にとっても大いに参考にしたいところです。
ところで、今日はEvans-Klock局長と共に、今、私の古巣であるILOマニラ事務所で勤務をされている、日本人の坂本さんもオフィスに来てくれました。その坂本さんから、マニラオフィスの近況を聞くことが出来たのですが、その中で、私が当選を果たしたときの新聞の切り抜きが、つい最近までマニラ事務所の掲示板に貼りだしてあったことを教えてくれました。同僚たちもそれを見ながらとっても喜んでくれていたとか。嬉しいことですね!