石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

合成の誤謬(ごびゅう)~ユニクロ栄えて国滅ぶ!?

2009-12-12 22:33:56 | 政策
合成の誤謬(ごびゅう)って知ってますか? これ、経済学の用語で、「ミクロ的には合理的な行動が、マクロ的には合理的な結果にならない」という現象なのですが、今月号(2010年1月号)の文藝春秋に、今の日本経済はまさにこの「合成の誤謬状態にある」という、エコノミストの浜矩子さんと経済ジャーナリストの荻原博子さんとの大変興味深い対談記事がありました。

記事のタイトルも大変刺激的で、「ユニクロ型デフレで日本は沈む~激安合戦が自分の首を絞める」です。浜さんは、文藝春秋の10月号でも「ユニクロ栄えて国滅ぶ」という記事を書かれていましたが、今回の対談記事に示されているお二人の主張は、概ね私の考えていることに合うもの、もしくは、私が疑問に思っていたことに対して示唆を与えてくれるものでした。

結論から言えば、「安売り(=安物買い)競争が激化すると、結局は誰も勝者がいない不毛な結末(=つまり全員が敗者になる状況)を迎えてしまう」というのがこの記事の言わんとするところです。「自分さえ良ければ」という個々の行動が、結果的に全体でデフレスパイラルを引き起こし、個々の首を絞めることになる、これがまさに「合成の誤謬」だと言うのですね。

そしてお二人は「なぜ日本だけこんなにデフレが進んだのか?」という問いに対し、「日本がグローバル化に過剰に反応してきたからだ」と述べて、小泉改革がその過剰な後押しの元凶だったと指摘しています。小泉改革による規制緩和と市場原理主義によって雇用が過剰に流動化し、それによって「低賃金と低価格の下方への循環が定着」してしまったのだと。

その通りだと思います。企業が、「労働の切り下げ」によって下方循環を続けることが可能であることが問題なのです。だからこそ、今必要なのは、その「下方への循環(=デフレスパイラル)」をどこかで断ち切ることで、それはやはり雇用・賃金・セーフティーネットをきちんと確保することなのですね。

「デフレスパイラルを止めるため」に、信念を持って、かつ緊急に、雇用・労働分野に十分なお金を使うこと、それが今、求められている政治の最優先課題なのではないでしょうか。



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