渡辺麻友さんインタビューと新世代

「AKB48　渡辺麻友さんインタビュー」
http://www.jiji.com/jc/v4?id=2014watanabemayu_int0001

5ページにわたるロングインタビュー。主眼は短編映画「ピカチュウ、これなんのカギ？」のナレーション担当の件だけど、常識的な内容の質疑応答は一通り入ってる。特に目新しい内容はなかったけど、渡辺さんが、自身の立ち位置と役割をしっかり理解し、それを100%引き受ける覚悟をしている、矜持を持っていることが伝わって来る。

以下部分引用

今年の「総選挙」では、新しい子がどんどんランクインしたり、姉妹グループのメンバーが上位に入ったりして、ものすごく勢いがありましたね。AKB48グループ全体に新しい風が吹き始めているなと感じました。

以上引用

AKB第一章の主人公達は、いくつもの試練を乗り越えて生き残ってきた特別な存在にして、「強い心」の持ち主だった。そんな「神々」が去って行く中、ギャラハッド卿の如くに生き残った渡辺さんもまた、そんな「強い心」の持ち主であることが、正にこのインタビューを通して伝わって来る。

新世代のメンバーは、果たしてそんな高みにまで登ってきてくれるのか。高橋さんの言葉を聞く限りでは、横山さんを唯一の例外として、最前線の隊列にまで辿り着いて来てくれた新世代メンバーは、これまで誰一人としていないと思われる。

「王道アイドル」としての渡辺さんが、このタイミングで総選挙1位となったことを、これまでは対外的な視点から、「守備的」あるいは「保守」というふうに理解してきた。けれども、AKBGの内部的な視点からは、もう一つの違った受け止め方が可能かも知れない。それは、後輩から見た、ロールモデルとしての分かりやすさではないだろうか。

前田敦子、高橋みなみ、篠田麻里子、小嶋陽菜、板野友美。この5人を眺めてみる時、良い意味でも悪い意味でも、それぞれのキャラクターがあまりに強すぎて、とてもお手本にはならないと思われる。大島さんはその点ではまだしも理解できる範囲、常識的な存在に映るんじゃないかと思うけど、今度は存在感が巨大すぎて、遠く仰ぎ見るしかないという。

その点、渡辺さんの「王道アイドル」としての存在様式は、少なくともアイドルを目指すような女の子には分かり易いんではないか。手が届くように見えるんではないか。五里霧中の中、取り敢えずは渡辺さんを見ていれば良い、渡辺さんを目指せば良い。

何もない中「夢にしがみつく」、「向こう岸はあると信じて川を渡る」、「1ミリ先の未来」に精一杯手を伸ばす。私的には「無への跳躍」と呼ばせて頂いてる、そんな無謀な賭けに勝った先輩達と、それはあまりにも条件が違いすぎることになるけど、けれどもやはりそこもまた高橋さんの言葉の通りに、必然的に環境が変わり「時代のニーズが変わった」ということなんだろう。

そんな「時代のニーズ」としての渡辺さんの果たすべきメルクマールとしての役割が、AKBGの今後を左右することになるのかも知れない。果たして渡辺さんは聖杯へと辿り着けるのか。