AKB48の旅

AKB48の旅

石原真著「AKB48、被災地へ行く」

2015年10月26日 | AKB
AKB48Gによる被災地訪問の、これ以上ふさわしい人はいない石原真氏による、正に一次ソース記録。それだけでも貴重かつありがたいもの。その上内容的にも、ことさらに修辞を弄することもなく、淡々として平易な文章で綴られてる。

なかでもこれまであやふやな伝聞でしかなかった、被災地訪問の実務が明かされてて、いちおう決して興味本位ではないよと念を押しとくけど、とても興味深かった。「株式会社ニュース・プロモーション」と「株式会社オトムミュージック」の2社の名前は初出だろうか。少なくとも私は知らなかった。

すばらしいエピソードもいくつか紹介されてて、中でもグッズ車のエンジントラブルと地元警察官の機転の話とか、襲撃事件後の「ピンクのTシャツ」警備とか、そんなありがちのようでいて実はリアルな話とか、そして何より、「2012年以降、3月11日はAKB48グループのメンバーは全員仕事を入れていません」という記述には、言われてみれば当たり前のことなんだろうけど、目から鱗だった。

あとがきの「自分の人生において、何か誇れるものがあるとするなら、AKB48の被災地訪問のこれまでの52回すべてに同行したということもあるかもしれません」という石原氏の言葉には、深く頭を垂れるのみ。