皆様こんばんは。
明日は第20期ドコモ杯女流棋聖戦、最終第3局が行われます。
女流囲碁界の第一人者、謝依旻女流棋聖と新星・牛栄子初段の戦い、最後に笑うのはどちらでしょうか?
明日2/5(月)10時30分頃対局開始です。
幽玄の間で中継されますので、ぜひご覧ください。
なお、幽玄の間解説は私が担当します。
時々幽玄の間での解説を担当する事がありますが、今までは日本棋院の棋士控室で行って来ました。
近くに棋士がいれば、意見を聞く事ができるからです。
しかし、最近ようやく分かって来た事があります。
それは、早碁はスピードが何より大事という事です。
1手30秒の早碁では、局面はどんどん進みます。
じっくり考えていては、図が全く出せなくなってしまいます。
いかに素早く多くの図を出して行くか、スピード勝負なのです。
そのスピードを実現するためには、何を置いても入力速度です。
そこで、今回は使い慣れた自宅のパソコンを使って解説したいと思います。
前回よりレベルの高い解説ができるよう、頑張ります。
そんな訳で、本日は明日に備えて早く寝なければいけません。
今回は手抜き短い内容になります。

1図(テーマ図)
先日の鈴木嘉倫七段との対局です。
白△と打たれた所ですが、次に黒A、白B、黒Cと打ってほぼ終わりです。
悪くても黒1目半、最後の手止まりを打てれば2目半勝てる碁です。
しかし、勝ちを目前にすると心に隙ができるものです。
ここで迷わず打ってれば良いものを、「本当に勝っているのか?」「本当にその手順で良いのか?」などと疑心暗鬼が生まれました。
秒読み時計の50秒の音声を聞きながら、つい確かめる時間が欲しくなってしまいました。

2図(実戦)
実戦は、時間繋ぎのつもりで黒1へ打ちました。
しかし、自分の打った手を見て愕然。
一体、どこに打っているのか!?
この瞬間、時間が止まったように感じました。
自分も、相手も、近くで観戦していた棋士も・・・。
人間はポカをするものです。
棋士でも当たりをうっかりするなどの初歩的なミスを犯す事がありますが、それはある程度理解できます。
しかし、この手は一体何でしょうか?
プロは着手を決める際、まず石の形で判断しますが、黒1のような手は思い付かないのです。
従って間違えようがない所で、当たりをうっかりするよりもあり得ないミスなのです。
あえて理屈を付けるとすれば、頭の中で白△の石がAにずれてしまった可能性が考えられます。
人間の脳は複雑で、何が起きてもおかしくないという事でしょうか・・・。

3図(実戦)
当然ながら白1と繋がれ、黒石が当たりになります。
先手を取って白3、5のヨセに回られてしまいました。

4図(実戦)
時間繋ぎであればせめて黒1に打つ所で、白2の受けとなります。
それから黒3、5のヨセに回っていれば問題ありません。
2図は黒3で△に打った図と同じであり、これは明らかなパスです。
2目損の結果になり、顔面蒼白に・・・。
しかし、結果は黒半目勝ちでした。
元々2目半勝てる碁だったのです。
棋士人生始まって以来の酷いポカでしたが、運が良かったですね。
プロでもこんなポカをするのですから、アマの皆様はどんなポカをしても恥ずかしくありません。
大きなポカで碁を落としても、落ち込む必要は無いのです。
明日は第20期ドコモ杯女流棋聖戦、最終第3局が行われます。
女流囲碁界の第一人者、謝依旻女流棋聖と新星・牛栄子初段の戦い、最後に笑うのはどちらでしょうか?
明日2/5(月)10時30分頃対局開始です。
幽玄の間で中継されますので、ぜひご覧ください。
なお、幽玄の間解説は私が担当します。
時々幽玄の間での解説を担当する事がありますが、今までは日本棋院の棋士控室で行って来ました。
近くに棋士がいれば、意見を聞く事ができるからです。
しかし、最近ようやく分かって来た事があります。
それは、早碁はスピードが何より大事という事です。
1手30秒の早碁では、局面はどんどん進みます。
じっくり考えていては、図が全く出せなくなってしまいます。
いかに素早く多くの図を出して行くか、スピード勝負なのです。
そのスピードを実現するためには、何を置いても入力速度です。
そこで、今回は使い慣れた自宅のパソコンを使って解説したいと思います。
前回よりレベルの高い解説ができるよう、頑張ります。
そんな訳で、本日は明日に備えて早く寝なければいけません。
今回は

1図(テーマ図)
先日の鈴木嘉倫七段との対局です。
白△と打たれた所ですが、次に黒A、白B、黒Cと打ってほぼ終わりです。
悪くても黒1目半、最後の手止まりを打てれば2目半勝てる碁です。
しかし、勝ちを目前にすると心に隙ができるものです。
ここで迷わず打ってれば良いものを、「本当に勝っているのか?」「本当にその手順で良いのか?」などと疑心暗鬼が生まれました。
秒読み時計の50秒の音声を聞きながら、つい確かめる時間が欲しくなってしまいました。

2図(実戦)
実戦は、時間繋ぎのつもりで黒1へ打ちました。
しかし、自分の打った手を見て愕然。
一体、どこに打っているのか!?

この瞬間、時間が止まったように感じました。
自分も、相手も、近くで観戦していた棋士も・・・。
人間はポカをするものです。
棋士でも当たりをうっかりするなどの初歩的なミスを犯す事がありますが、それはある程度理解できます。
しかし、この手は一体何でしょうか?
プロは着手を決める際、まず石の形で判断しますが、黒1のような手は思い付かないのです。
従って間違えようがない所で、当たりをうっかりするよりもあり得ないミスなのです。
あえて理屈を付けるとすれば、頭の中で白△の石がAにずれてしまった可能性が考えられます。
人間の脳は複雑で、何が起きてもおかしくないという事でしょうか・・・。

3図(実戦)
当然ながら白1と繋がれ、黒石が当たりになります。
先手を取って白3、5のヨセに回られてしまいました。

4図(実戦)
時間繋ぎであればせめて黒1に打つ所で、白2の受けとなります。
それから黒3、5のヨセに回っていれば問題ありません。
2図は黒3で△に打った図と同じであり、これは明らかなパスです。
2目損の結果になり、顔面蒼白に・・・。
しかし、結果は黒半目勝ちでした。
元々2目半勝てる碁だったのです。
棋士人生始まって以来の酷いポカでしたが、運が良かったですね。
プロでもこんなポカをするのですから、アマの皆様はどんなポカをしても恥ずかしくありません。
大きなポカで碁を落としても、落ち込む必要は無いのです。