皆様こんばんは。
今週のTwitterの日本棋院若手棋士アカウントの担当者は、現在本因坊戦リーグでトップを走る本木克弥七段でした。
そして明日からは、一力遼七段が担当します!
凄い豪華リレーですね。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
さて、本日は我々囲碁棋士の本業についてお話ししましょう。
棋士の本業は、何と言っても手合いを打つ事です。
手合いとは、つまり対局の事なのですが、その中でも棋戦の中で行われるものを指します。
<棋戦とは>
定義としては、実力を競い合う大会という事になるでしょう。
手っ取り早く言えば、ナンバーワンを決めるための争いです。
(勝ち抜き戦などもあり、必ずしもその限りではありませんが)
かつて囲碁棋士の生活は江戸幕府、あるいは裕福な武家や商家などのスポンサーによって支えられていました。
しかし、世の中の変化によって、それだけでは立ち行かなくなって来ます。
そこで、一般の囲碁ファン全体に支えて貰う必要が生じました。
そうして生まれたのが棋戦と考えられます。
例えば新聞に棋士の対局を載せ、囲碁ファンがそれを見るために新聞を買います。
そうして、間接的に囲碁ファンにお金を払って貰うのです。
かつては注目の対局を載せる事で、新聞の部数が爆発的に伸びるという事例もありました。
<頂点への道のり>
さて、我々の本業は棋戦に参加し、対局する事です。
究極的には、その中で一番になる事が目標になります。
では、どうやって一番を決めるべきでしょうか?
江戸時代のように、棋戦が無く、トップレベルの棋士が少なかった時代には、一番を決めたければ心ゆくまで対局すれば良かったのです。
しかし、現在は棋戦が多く、棋士も数百人、タイトルを取れる可能性のある棋士も数十人という時代です。
そこで、まず人数を絞る事から始まります。
<予選のシステム>
予選はトーナメントで行われます。
参加資格は様々ですが、予選を抜けて次の段階まで進める棋士は一握りです。下から順に予選C→予選B→予選A→最終予選と進み、そこを抜けると本戦またはリーグ戦に入れます。
所持タイトルや前年の結果次第でシードがあり、例えばAで1勝1敗なら次の年もAから、Aで1敗なら次はBからといった具合です。
なお、予選の段階がどれだけあるかは棋戦毎に違いますし、棋聖戦は全部まとめて1つの予選で、シードはありません。
かつて、予選は段位によって分けられていました。
初段から四段の棋士が参加する一次予選、五段から九段の棋士に加えて一次予選突破者が参加する二次予選、二次予選突破者にシード者を加えた三次予選、といった具合です。
有望な若手同士が潰し合う事も多く、低段者がいきなりリーグ戦に入るような事は極めて困難でした。
現在は入段数年の若手がいきなり活躍する事も珍しくありませんが、予選システムの変更も要因の一つに挙げられます。
<本戦のシステム>
本戦と名前が付いているとは限りませんが、予選の次の段階です。
阿含・桐山杯のように本戦トーナメントでそのまま優勝者を決める棋戦もあれば、名人戦のようにリーグの優勝者がタイトルホルダーに挑戦する形式もあります。
いずれにしても、ここまで来れば新聞等で名前や棋譜が出るので、多くの棋士が本戦出場を目標にしています。
ちなみに、NHK杯には予選がありません。
年間の賞金・対局料によって選抜されます。
前年に成績の良かった棋士が出場するという事ですね。
<棋戦の進行>
例えば私が名人戦予選Cの決勝に勝ったとすれば、次に打つ対局は名人戦予選Bと思われるかもしれません。
しかし、実際にはそうならないケースの方が多いのです。
棋士の数が多いですから、1つ1つの棋戦を順番にこなしていては、とても間に合いません。
こちらの棋戦スケジュールをご覧ください。
全ての棋戦が同時進行で行われている事がご理解頂けると思います。
中には週の数より対局数が多い棋士もいますが、パズルのように組み合わせてスケジュールを組む事によって回っているのです。
つまり、棋士にシーズンオフは殆どありません。
負けが込むとしばらく対局が無くなる事はありますが、全く嬉しくありません。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
<手合い日>
現在は木曜日が手合い日、月曜日が準手合い日とされています。
基本的には木曜日に対局しますが、阿含桐山杯や竜星戦など、持ち時間の短い対局は月曜日に行われる事が多いですね。
また、対局の多い棋士は通常木曜日に行われる対局でも、月曜日などに詰め込まれる事があります。
いずれにしても、多くの棋士は対局日にいかに万全のコンディションで臨むかを考え、普段のスケジュールを組んでいるようです。
少々大雑把でしたが、棋戦のシステムについてご理解頂けたでしょうか。
現在行われている棋聖戦は、400人以上の棋士が参加した中での頂上決戦なのです。
同じプロからしても、雲の上の世界です。
今週のTwitterの日本棋院若手棋士アカウントの担当者は、現在本因坊戦リーグでトップを走る本木克弥七段でした。
そして明日からは、一力遼七段が担当します!
凄い豪華リレーですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
さて、本日は我々囲碁棋士の本業についてお話ししましょう。
棋士の本業は、何と言っても手合いを打つ事です。
手合いとは、つまり対局の事なのですが、その中でも棋戦の中で行われるものを指します。
<棋戦とは>
定義としては、実力を競い合う大会という事になるでしょう。
手っ取り早く言えば、ナンバーワンを決めるための争いです。
(勝ち抜き戦などもあり、必ずしもその限りではありませんが)
かつて囲碁棋士の生活は江戸幕府、あるいは裕福な武家や商家などのスポンサーによって支えられていました。
しかし、世の中の変化によって、それだけでは立ち行かなくなって来ます。
そこで、一般の囲碁ファン全体に支えて貰う必要が生じました。
そうして生まれたのが棋戦と考えられます。
例えば新聞に棋士の対局を載せ、囲碁ファンがそれを見るために新聞を買います。
そうして、間接的に囲碁ファンにお金を払って貰うのです。
かつては注目の対局を載せる事で、新聞の部数が爆発的に伸びるという事例もありました。
<頂点への道のり>
さて、我々の本業は棋戦に参加し、対局する事です。
究極的には、その中で一番になる事が目標になります。
では、どうやって一番を決めるべきでしょうか?
江戸時代のように、棋戦が無く、トップレベルの棋士が少なかった時代には、一番を決めたければ心ゆくまで対局すれば良かったのです。
しかし、現在は棋戦が多く、棋士も数百人、タイトルを取れる可能性のある棋士も数十人という時代です。
そこで、まず人数を絞る事から始まります。
<予選のシステム>
予選はトーナメントで行われます。
参加資格は様々ですが、予選を抜けて次の段階まで進める棋士は一握りです。下から順に予選C→予選B→予選A→最終予選と進み、そこを抜けると本戦またはリーグ戦に入れます。
所持タイトルや前年の結果次第でシードがあり、例えばAで1勝1敗なら次の年もAから、Aで1敗なら次はBからといった具合です。
なお、予選の段階がどれだけあるかは棋戦毎に違いますし、棋聖戦は全部まとめて1つの予選で、シードはありません。
かつて、予選は段位によって分けられていました。
初段から四段の棋士が参加する一次予選、五段から九段の棋士に加えて一次予選突破者が参加する二次予選、二次予選突破者にシード者を加えた三次予選、といった具合です。
有望な若手同士が潰し合う事も多く、低段者がいきなりリーグ戦に入るような事は極めて困難でした。
現在は入段数年の若手がいきなり活躍する事も珍しくありませんが、予選システムの変更も要因の一つに挙げられます。
<本戦のシステム>
本戦と名前が付いているとは限りませんが、予選の次の段階です。
阿含・桐山杯のように本戦トーナメントでそのまま優勝者を決める棋戦もあれば、名人戦のようにリーグの優勝者がタイトルホルダーに挑戦する形式もあります。
いずれにしても、ここまで来れば新聞等で名前や棋譜が出るので、多くの棋士が本戦出場を目標にしています。
ちなみに、NHK杯には予選がありません。
年間の賞金・対局料によって選抜されます。
前年に成績の良かった棋士が出場するという事ですね。
<棋戦の進行>
例えば私が名人戦予選Cの決勝に勝ったとすれば、次に打つ対局は名人戦予選Bと思われるかもしれません。
しかし、実際にはそうならないケースの方が多いのです。
棋士の数が多いですから、1つ1つの棋戦を順番にこなしていては、とても間に合いません。
こちらの棋戦スケジュールをご覧ください。
全ての棋戦が同時進行で行われている事がご理解頂けると思います。
中には週の数より対局数が多い棋士もいますが、パズルのように組み合わせてスケジュールを組む事によって回っているのです。
つまり、棋士にシーズンオフは殆どありません。
負けが込むとしばらく対局が無くなる事はありますが、全く嬉しくありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
<手合い日>
現在は木曜日が手合い日、月曜日が準手合い日とされています。
基本的には木曜日に対局しますが、阿含桐山杯や竜星戦など、持ち時間の短い対局は月曜日に行われる事が多いですね。
また、対局の多い棋士は通常木曜日に行われる対局でも、月曜日などに詰め込まれる事があります。
いずれにしても、多くの棋士は対局日にいかに万全のコンディションで臨むかを考え、普段のスケジュールを組んでいるようです。
少々大雑把でしたが、棋戦のシステムについてご理解頂けたでしょうか。
現在行われている棋聖戦は、400人以上の棋士が参加した中での頂上決戦なのです。
同じプロからしても、雲の上の世界です。