白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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棋聖戦結果&本日の手合

2017年02月09日 20時36分44秒 | 対局
皆様こんばんは。
本日は第41期棋聖戦第3局の2日目が行われました。
封じ手予想は、見事に外れましたね。
封じ手は一見すると俗筋であり、考えもしませんでした。
棋聖戦の対局者は、あらゆる手を読まなければいけないのですね。

結果は井山裕太棋聖の黒番1目半勝ちとなりました。
途中は河野臨挑戦者の形勢が良かったようですから、残念な敗戦でしたね。

本日は私も手合がありました。
結果は堀本満成四段に敗れ、連勝ストップとなりました。
途中で明らかに形勢で良くなったのですが、時間に追われてボロボロに・・・。
このあたりが私のダメな所ですね。



1図(テーマ図)
私の白番です。
長考して白1と割り込みました。
主に考えていた事は・・・。





2図(変化図)
黒1、3に白4と切ってどうなるか、という事です。





3図(変化図)
黒1~7まで必然です。
特に黒5は、攻め合いの手数を延ばす手筋です。
5子同士の攻め合いですが、このままでは白が勝てないので・・・。





4図(変化図)
まず白1、3と、手数を延ばす工作をします。
黒は外側を受けていると攻め合いに負けるので、黒4などとダメを詰めに行かなければいけません。
そこで白5から、黒の傷を追及して・・・。





5図(変化図)
こうなればコウ争いで、これは白良しか・・・。
あるいはどこかで白Aから手数を延ばし、隅との攻め合いに勝ちに行くコースか・・・。

などなど、無駄に色々な図を考えてしまいました。
2図以降は直感的に黒が無理であり、選んで来る筈が無かったのですが・・・。





6図(実戦)
何故か、黒2、4とあっさり対応して来る事を考えていませんでした。
当然の手なのですが・・・。





7図(実戦)
白5までと平和に分かれました。
隅の白地は大きいですが、黒Aの嫌味が残っており、形勢は良い勝負です。
ノータイムで打てる所で、時間を無駄にしてしまいました。
今思えば、ここでの時間の浪費が後の悲劇に繋がっています。

プロ同士の対局では、3時間の持ち時間は油断するとすぐ無くなります。
時間も勝負のうちなのです。