皆様こんばんは。
本日は横浜の宇宙棋院で開講されている、級位者教室の担当回でした。
当初は4、5人で始めた教室も、今では10人ぐらい増えて賑やかになって来ました。
今年は20人超え目指して頑張ります。
さて、本日は先日の対局を振り返ります。
と言っても、1か月近く前になりますが・・・。

1図(テーマ図)
松原大成六段との対局で、私の黒番です。
黒1の開きに対して渋く白2と詰め、上辺の黒にプレッシャーをかけて来ました。
ここで私は、どう打ったでしょうか?
色々な守り方が考えられますが、中央の白には黒Aから分断して攻める狙いがあり、それを消したくないと思っていました。

2図(変化図)
例えばこのように打ち方でも、上辺の黒を守る事はできます。
しかし、これで大きな黒地を確保できる訳でもありませんし、白2に石が来ると黒Aの狙いも決行し辛くなります。
これは消極的かと思いました。

3図(実戦)
そこで、実戦は黒1と工夫してみました。
間接的に上辺の黒に援軍を送りつつ、黒△と呼応して下辺の模様を広げています。
また、黒Aで左上の白地を減らす狙いも持っています。
気分だけなら、「耳赤の一手」?(レベルが全く違いますが・・・)
以前はこのようなはっきりしない手は打たなかったのですが、最近は打ちたい手を打つように心がけています。
トッププロでもない私が、勝つ事だけ考えていても仕方ありません。
個性を前面に出して行きたいと思っています。

4図(変化図)
白1と隙間を出て来ても、黒2とかわして大した事はないと判断しました。
黒△との連携も良いですし、黒Aの狙いもますます厳しくなって来ます。
黒〇は既に用済みで、取られても構いません。

5図(実戦)
実戦は黒Aを利かされる事を防いで白1でした。
ここで黒2と、外ノゾキ!
以前ご紹介した手と似ていますね。
しかし、その手を認めた訳ではありません。
この場合、既に白△によって左上はがっちり守られており、黒Bなどと入って行く余地はありません。
他の可能性が少ない以上、黒2を利かしてしまっても惜しくないと判断しました。
Masterが打った外ノゾキに関しては、張栩九段は違和感を感じていないようでしたね(週刊碁の連載参照)。
張栩九段の碁は棋士の中でも異質です。
Masterに近いと言われれば、確かにそうかもしれないと感じます。
全体としては外ノゾキに賛成しない棋士が多いと思いますし、私も同様です。
私は今の所、早い段階での外ノゾキは、「最善ではないがMasterが勝つためには有効」なのではないかと考えています。
ただ、あの手が出て来るのは47局目と57局目なので・・・語る機会は相当先になりそうですね。

6図(実戦)
黒2までと下辺の黒模様を広げ、白3の侵入を誘って黒10と反撃する作戦です。
上手く行っているかどうかは分かりませんが、この構図で勝負してみようと思いました。
この後色々あって形勢は苦しくなりましたが、最後に残ったのは幸運でした。
本日は横浜の宇宙棋院で開講されている、級位者教室の担当回でした。
当初は4、5人で始めた教室も、今では10人ぐらい増えて賑やかになって来ました。
今年は20人超え目指して頑張ります。
さて、本日は先日の対局を振り返ります。
と言っても、1か月近く前になりますが・・・。

1図(テーマ図)
松原大成六段との対局で、私の黒番です。
黒1の開きに対して渋く白2と詰め、上辺の黒にプレッシャーをかけて来ました。
ここで私は、どう打ったでしょうか?
色々な守り方が考えられますが、中央の白には黒Aから分断して攻める狙いがあり、それを消したくないと思っていました。

2図(変化図)
例えばこのように打ち方でも、上辺の黒を守る事はできます。
しかし、これで大きな黒地を確保できる訳でもありませんし、白2に石が来ると黒Aの狙いも決行し辛くなります。
これは消極的かと思いました。

3図(実戦)
そこで、実戦は黒1と工夫してみました。
間接的に上辺の黒に援軍を送りつつ、黒△と呼応して下辺の模様を広げています。
また、黒Aで左上の白地を減らす狙いも持っています。
気分だけなら、「耳赤の一手」?(レベルが全く違いますが・・・)
以前はこのようなはっきりしない手は打たなかったのですが、最近は打ちたい手を打つように心がけています。
トッププロでもない私が、勝つ事だけ考えていても仕方ありません。
個性を前面に出して行きたいと思っています。

4図(変化図)
白1と隙間を出て来ても、黒2とかわして大した事はないと判断しました。
黒△との連携も良いですし、黒Aの狙いもますます厳しくなって来ます。
黒〇は既に用済みで、取られても構いません。

5図(実戦)
実戦は黒Aを利かされる事を防いで白1でした。
ここで黒2と、外ノゾキ!
以前ご紹介した手と似ていますね。
しかし、その手を認めた訳ではありません。
この場合、既に白△によって左上はがっちり守られており、黒Bなどと入って行く余地はありません。
他の可能性が少ない以上、黒2を利かしてしまっても惜しくないと判断しました。
Masterが打った外ノゾキに関しては、張栩九段は違和感を感じていないようでしたね(週刊碁の連載参照)。
張栩九段の碁は棋士の中でも異質です。
Masterに近いと言われれば、確かにそうかもしれないと感じます。
全体としては外ノゾキに賛成しない棋士が多いと思いますし、私も同様です。
私は今の所、早い段階での外ノゾキは、「最善ではないがMasterが勝つためには有効」なのではないかと考えています。
ただ、あの手が出て来るのは47局目と57局目なので・・・語る機会は相当先になりそうですね。


6図(実戦)
黒2までと下辺の黒模様を広げ、白3の侵入を誘って黒10と反撃する作戦です。
上手く行っているかどうかは分かりませんが、この構図で勝負してみようと思いました。
この後色々あって形勢は苦しくなりましたが、最後に残ったのは幸運でした。