稲城の図書館サポーターみんなのとしょかん Neo

東京都稲城市で「市民の力になる図書館」の発展をめざして活動している市民グループです。

電子図書館のデメリット

2021-06-19 15:13:44 | ご存知ですか?
2021年6月16日の朝日新聞にこんな記事が掲載されていました。
「電子図書館が1年で倍増 紙にない魅力、ただ残念なのは」大坪実佳子さんの署名記事です。
(有料記事です。)
みんとのブログでは何回か電子図書館を取り上げていますが、そのデメリットについては取り上げていませんでした。
「北九州市に子ども電子図書館オープン!」2021-04-24
「電子図書館開設ラッシュ!~都内自治体の電子図書館開設状況」2021-02-27
「多摩市で電子図書館始動!」2021-02-21
「たちかわ電子図書館 はじまりました!」2021-01-30
「青少年のための電子図書館サービス」2021-01-01
「電子図書館サービスの導入自治体が増えています!」2020-11-15

今日は大坪さんの記事に取り上げられているデメリットを紹介しましょう。
  1. 電子図書館のシステムを提供する会社との契約で、出版社や作家の収益に考慮し、利用する人口に応じてシステムの金額が変わる

  2. 図書館向けに電子化して販売されている本自体が少ない

  3. 図書館用の電子書籍の値段は、紙の本と比べ平均で約2~3倍。1度購入すればずっと使える本もあるが、2年間もしくは52回の貸し出しで契約が切れ、買い直さなければならない本もある

  4. 購入した電子書籍の利用者がたとえゼロだったとしても、契約が切れれば自動的に本が消えてしまう。お金をかけても『無』になるということ。需要がありそうな本しか買えなくなる

つまり定価が決まっていて、一度購入すれば本が破損しないかぎりずっと利用できる従来の本と異なり、契約条件によって価格が変動し、場合によっては自動的に「消滅」するというのです。
一概に電子図書館を推進できない背景があるのですね。
記事では、秋田県立図書館が電子図書館を休止したことが紹介されています。
「システムを維持し書籍を購入するために毎年数百万円かかり、数年ごとのシステム更新でさらにコストが膨らむ。」ため、総合的に判断したとのこと。
資料費が決して潤沢とは言えない状況の中で、何を優先させるのか。
悩ましいところですね。

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