稲城の図書館サポーターみんなのとしょかん Neo

東京都稲城市で「市民の力になる図書館」の発展をめざして活動している市民グループです。

図書館がなかった頃 ~稲城の地域文庫

2024-08-24 12:13:36 | 稲城の図書館史

2024-06-08に投稿した「稲城市立中央図書館15周年記念誌が出ていた!」で記念誌の内容を御紹介しました。

それをきっかけに稲城の図書館の歴史に興味がわいて、冒頭の冊子を図書館からお借りしました。
「いなぎ子ども文庫のあゆみ」
いなぎ子ども文庫連絡会/編 -- 稲城 いなぎ子ども文庫連絡会 -- 1978 -- K01

稲城に図書館ができたのは、今から半世紀前の昭和48年(1973)。
稲城市役所の隣にある中央文化センター3階に開館しました。
今の第一図書館です。

それ以前に稲城で図書館的な活動をしていたのは、地域で活動していた「子ども文庫」でした。

最初にできたのが「たんぽぽ文庫」です。
昭和46年(1971)5月、児童図書館研究会に所属していた筧中花子さんが核となって東長沼に開設されました。
身近に「子どもの図書館」がほしいという願いから同年2月に「稲城町子ども図書館を育てる会」結成し、
わずか3か月で文庫開設というのですから、その熱意と努力には驚かされます。
その熱は燎原の火のように広がり、翌47年6月矢野口に「杉の子文庫」、12月に平尾団地に「ひまわり文庫」が誕生しました。

48年に市立図書館が開館しても、遠い地区の子どもたちは気軽に行くことができません。
子ども文庫の存在は重要でした。
その後も大丸の「いなぎ団地子ども文庫」(昭和48年11月開設)、「押立杉の子文庫」(昭和50年10月開設)、大丸「どんぐり文庫」(昭和51年7月開設)と拡がりを見せる一方、図書館の分館や配本所が開設するにしたがって矢野口の杉の子文庫や、平尾のひまわり文庫は役目を終えます。
<『稲城市立図書館開館20周年記念誌 資料編』掲載の地域文庫>
昭和52年 うさこちゃんぶんこ
昭和53年 こだぬき文庫 わかくさ文庫 ひまわり家庭文庫
昭和54年 坂浜アカシヤ文庫 わんぱく文庫
昭和58年 百村たんぽぽ文庫
昭和59年 こぐま文庫

こうした活動に参加したり体験した方々のあゆみと体験談などがまとめられているのが今回紹介した「いなぎ子ども文庫のあゆみ」です。

現在稲城市立図書館の協議会に、地域文庫の代表者が参画しているのは、稲城の図書館が文庫活動を背景に整備されたという歴史があるからなのですね。

現在稲城市内の地域文庫は以下の4団体となりました。
(*稲城市立図書館ホームページ
  • 長峰おひさま文庫
  • 平尾親子読書会 風の子
  • ぶどう文庫
  • 絵本の会 くるりくら(若葉台ワルツの杜)

当時に比べると、稲城市の子どもたちが本に親しめる環境は、各学校図書館を始め飛躍的に充実しています。
子どものためにと充実してきた稲城の図書館の歴史を改めて実感しました。

実はこれ以前の歴史もあるのですが、それはまたの機会にご紹介しましょう

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中央図書館はクーリングシェ... | トップ | 石川県立図書館の72時間 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

稲城の図書館史」カテゴリの最新記事