藪の中の戦闘機
陸軍椿秘匿飛行場 土製掩体跡 (水沢野田町)
陸軍の椿秘匿飛行場は、1943年頃から鈴鹿市追分町から椿一宮に建設されました。
十字型の滑走路の南端から伸びる誘導路は、およそ4km先にあった北伊勢陸軍飛行場(広瀬町)まで続いていました。周囲には掩体も多数つくられ、62基が確認されています。
その掩体群の北端は市の境を越え、四日市市水沢野田町にまで及びました。
2010年現在、水沢野田町の共同墓地奥の林の中に土製掩体が残されています。地元の人のお話によると、掩体には「赤トンボ」と呼ばれていた練習用の小さな飛行機が格納されていたそうです。
■参考『三重の戦争遺跡』増補改定版
三重県歴史教育者協議会 つむぎ出版 2006年
2010年2月に訪れた時には、林の中は人が通れるように手入れされていました。
共同墓地奥の林に入ると、手前右に防空壕であった穴が残っています。
さらに左の方に進むと土製掩体であった盛土が確認できます。
(2011年4月 記)