ファシスト群像/長谷川公昭/中公新書/1982
ファシストというと悪いイメージしかないが、これは、戦時中ナチス側と手を組んだ勢力であったため、戦後においてレッテル貼りされることとなった。
この本の終わりの方に、知られざるリンドバーグ語録が纏められている。それによると、リンドバーグは、アメリカを戦争に巻き込まないことを目的とする、反戦論を掲げたアメリカファースト委員会に参加、「アメリカを戦争にひきずり込もうとしている張本人は、イギリスとユダヤ人とローズヴェルト政府である」との声明を発表している。
アメリカファーストは、トランプ大統領発案と思っていたが、もっと前にアメリカファーストを掲げた政治運動が存在していたことを知ることとなった。
偶然かどうかはわからないが、トランプ大統領は任期中に戦争をしなかった。つまり、現代におけるアメリカファーストとは、戦争ビジネスを否定する前提でアメリカ経済を潤す政治思想ということになるのである。
書いてあることは断片的な事柄だらけだが、読みどころ満載の一冊である。
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