最高裁判所―司法中枢の内側/野村二郎/講談社現代新書/1987
著者は朝日新聞OB記者。今や朝日新聞というと、フェイク報道する記者だらけとみられる時勢となったが、著者は違うタイプの人物であるようだ。
一方で、(我々が知る)新聞記者たちは、日頃の研鑽を怠り、スクープ狙いの(客観的な視点に欠け、分析能力が足りない)方が多いが、著者は、司法について日々コツコツ勉強しつつ、その研鑽の結果を本にまとめたと裏表紙に書いてある)
(どこかの新聞の社説の如く)自説を押し付ける書きぶりでもなく、新書という頁数に制約ある中で、戦後の、最高裁の歴史的な経緯、最高裁長官人事、名物最高裁長官の特徴、主要判例、憲法判断に臨む方針など、コンパクトに仕上がっている。
新聞記者が書いた本にしては、珍しく出来が良い一冊であると思う。
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