§100　エベレストへ(1)

１９９８年８月に入りますと・・、　　　　　　

私は完全なる失業者になりました。ｗ　　　　

僅かな退職金と失業保険で５０才を直前にして、暫くは模擬的な年金暮らしみたいなもんでございます。ｗ　　　　　　　　　　　　　　　　　

やっと会社員から解放され憧れのプータローとあいなりまして、働かずして１年ほどは生活が出来る身となったのでございます。（笑）

しかし、失業保険を貰うには、一応働く意思を見せなければなりませんし、月に一度の指定日には飯田橋のハローワークへ出向かなければなりませんが・・。（笑）

８月に入りまして、俄然「エベレストへ行くぞ！オー！」と言う気持ちが段々と高まり、山のトレーニングも急ピッチに進めてまいりました。（足の裏の皮を厚くしたいのです。ｗ）

７月の中旬頃から、毎週１.2回、奥多摩の山へ日帰りで出掛け、週に５日はティップネスでクライミングマシンや、エアロバイクで有酸素運動を１時間ほど続けたのでございます。

その他にも筋トレや水泳やサウナ？もたっぷりと練習いたしまして、もういつに無く体調は絶好調でございます。（何しろ暇だからアスリート並みの練習量でございます。ｗ）

平日の早朝、中央線に乗りまして、青梅線に乗り換えますと、中高年と言うか高年の登山客を沢山見受けるのでございます。

私は４９歳でございましたが、もう若過ぎてとても仲間に入れてもらえないのでございます。

平日に山歩きに行く中年はやはり珍しいようで、リストラされて失業中なのがバレバレなのでございます。ｗ

「あら？あの方、平日だと言うのに、ヒソヒソヒソ・・。」とか、「あら？あの方、きっとリストラされちゃったのよ。カワイソー・・」と噂されてるんじゃないかと心配なのでございます。ｗ

やはり中高年の登山者は、一番多い年代は60代でございまして、立派に会社を定年まで勤め上げて、悠々自適の年金受給者が圧倒的に多いようでございます。ｗ（女性は５０代後半が多いかも・・？ｗ）

電車の中で、山歩きのグループが手作りのオニギリやら卵焼きなどを交換しながら、美味しそうに食べているのですが・・、

「あら？オニイサンもどう？おひとつ・・？フガフガ・・」とか、「あらぁ？逞しいお体ですこと！ウフフ、食べちゃいたいわ！」なんて事は残念ながら一度も無かったのでございます・・。

目的地の駅に着きますと、コンビニでオニギリと菓子パンと水を購入いたしまして、いつも独りで黙々と歩くだけでございます。ｗ

８月の末頃から９月の初旬には、辺境地専門の旅行会社が一斉に秋のツアー企画の説明会が行われます。

私も３社ほど、エベレストトレッキングツアーの説明会に出掛けまして、安くて、出来るだけ長いツアーを探したのでございます。

ちょうどその頃、自動車の教習所に通っていましたので、出発日が教習所を卒業した後になるような日程を探しておりました。

㈱アトラストレックの「カラパタール登頂18日間ツアー」がちょうど日程的にも合うので、私は申し込みをいたしました。

私はホテルとテントは独り用で、１８日間にプラス５日間の延泊をしてもらい、参加費は約４５万円でございました。（ほとんどがテント暮らしですが高い？安い？ｗ）

いよいよ出発の日が決まりまして、私は山のトレーニングを３ヶ月の間に、延べ２６日間の山歩きをしたのでございます。

奥多摩の山を日帰りで１８回、雲取山へ１泊２日を２回、尾瀬ヶ原に２日、甲斐駒ケ岳に２日といった具合でございます。

もうこれで十分、おじちゃんやおばちゃんのグループにも負けていないでしょう・・。ｗ

と言う事で、準備万端整いまして、いよいよ１０月２４日の出発日を迎えることになったのでございます。ヽ(´ー｀)ノ

ムネオの厠