犯罪から身を守る Ⅱ
性的暴行
どういう行為か。レイプに限らず,暴行や脅しを伴って行なわれる性的な行為を指します。
どんな影響を及ぼすか。レイプの被害に遭ったある人はこう語ります。「いちばん悲惨なのは,暴行を受けた後も影響が残ることです。長いあいだ悩まされ,人生に対する見方が変わります。愛する人たちの人生も大きく変わります」。もちろん,性的暴行の被害者に責任はありません。責められるべきなのは加害者です。
何ができるか
・ 自分の気持ちを無視しない。米国ノース・カロライナ州の警察はこう忠告しています。
「ある場所にいると,もしくはある人と一緒にいると,落ち着かなかったり不安になったりする場合,速やかに立ち去りましょう。直感的にその場にいないほうがいいと思うなら,無理にとどまるべきではありません」。
・ 堂々とし,ぼんやりしない。性犯罪者は,すきのある人を狙います。ですから,堂々と歩き,警戒を怠らないようにしましょう。
・ すばやく反応する。叫んでください。
「しかし,その男性が婚約中のその娘と野原で出会い,無理やり彼女と寝たのであれば,彼女と寝た男性だけが死ななければなりません。 娘には何もしてはなりません。死刑に当たる罪を犯していません。これは,人が仲間を襲って殺した場合と同じです。 男性が娘に出会ったのは野原であり,婚約中の娘は叫びましたが,救い出す人がいなかったのです」。
(申命記 22:25~27)
すぐに逃げるか,相手の不意を突く ようにして抵抗してください。可能であれば,安全な場所まで走って逃げ,警察を呼びましょう。
(脚注)
被害者の大半は,知人から性的暴行を受けています。
ネット犯罪
どういう行為か。インターネット上で行なわれる犯罪のことです。税金や年金などに関係した詐欺,クレジットカード詐欺,インターネットオークションなどでの架空販売,投資詐欺といったものが含まれます。
どんな影響を及ぼすか。ネット犯罪は個人や社会に莫大な被害をもたらします。
一つの例を考えてみましょう。サンドラは,インターネットバンキングの登録情報を更新するようにとのEメールを受け取り,それが銀行から送られてきたものだと思いました。
ところが,情報を送信して間もなく,自分の口座から外国の銀行の口座へ4,000㌦(約34万円)が送金されたのを見て,ぎょっとしました。詐欺に遭ったのです。
何ができるか
・ 用心する。もっともらしく見えるウェブサイトにだまされないようにしましょう。金融機関が内密性の高い情報をEメールで送るよう求めることはありません。
インターネット上で買い物や投資をする前に,その会社の評判を確かめてください。「経験のない者はすべての言葉を信じ,明敏な者は自分の歩みを考慮する」と,箴言 14章15節は述べています。
外国の会社との取り引きには,特に注意が必要です。問題が生じた場合,解決に余分の労力がかかることがあります。
・ 会社の実態や方針を調べる。次のような点を調べましょう。「会社の所在地はどこか。電話番号は正しいか。隠れた費用が発生するか。品物はいつ配達されるか。返品は可能か。返金はしてもらえるか」。
・ うまい話には気をつける。欲張りな人や,楽に儲けようとする人は,ネット詐欺の格好の標的です。
例えば,わずかな仕事で大金を稼げるとか,個人信用情報が悪いにもかかわらずお金を借りたりクレジットカードを作ったりできるとか,ローリスク・ハイリターンの投資ができるといった“餌”に釣られるかもしれません。 米国連邦取引委員会(FTC)はこう述べています。「投資を持ちかけられたら,それが妥当かどうか時間をかけて吟味すべきである。収益率が高ければ高いほど,リスクも高まる。妥当だと確信できないまま圧力に負けて投資をしてはならない」。
犯罪から身を守る Ⅲ へ続く>>>>>