よくよく考えると野球は非常に変わったスポーツである。ユニフォームをとっても機能性を無視してベルトを着用したり、長ズボンを着用したり。
グラウンドである野球場もしかり。他の球技のフィールドは統一された面積が規定されているが、野球においてはダイヤモンド内の広さは公認野球規則で規定されているものの、ファールゾーンや外野フィールド等の広さ、球場全体の形状はバラバラ。ボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークのように、もともとアメリカにおいて野球場は街中の空き地に造られていたため、形状や広さは野球場によってまちまちなってしまったことが由来である。しかし、こんなことは他の球技では考えられない。毎回異なるサーキットでレースを実施するモータースポーツのようだ。
画一的な形状が一般的なNPBに比べると、良くも悪くも個性的な形状が多いMLBの球場。前日言及した「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム」「ポロ・グラウンズ」ほどではないが、上記理由により形状や広さがまちまちで、個性的な球場の上面図の一部を集めてみた。NPBの球場と比べると明らかに統一感がない所が大雑把でアメリカらしい(それが個性というのかな?笑)
サウス・エンド・グラウンズ
ボストン・レッドストッキングズ/ボストン・レッドキャップス/ボストン・ビーンイーターズ/ボストン・ドゥーブス/ボストン・ラスラーズ /ボストン・ブレーブス本拠地 (1871-1914)。MLBに初めてボールパークの概念を持ち込んだといわれる球場。なるほど…それならば、先日言及した「ポロ・グラウンズ」のレイアウトも当時は奇異な感じがしなかったわけだ…。
左翼 - 250 ft(約76m)
中堅 - 440 ft(約134m)
右翼 - 255 ft(約77m)
シチズンズ・バンク・パーク
フィラデルフィア・フィリーズ本拠地。外野の最深部が401フィートでMLBの球場としては長くない上に、センターから両サイドのポールまでほぼ一直線になっていて、右中間と左中間が狭い。打者からみて向かい風が吹くケースも少なく、本塁打の出やすい球場。あまりにも本塁打が出すぎるために、わざわざ外野フェンスの高さを上げ、さらに外野方向へフェンスの位置を下げる工事を行っている。
左翼 - 329 ft(約100.3 m)
左中間 - 374 ft(約114.0 m)
中堅 - 401 ft(約122.2 m)
右中間 - 369 ft(約112.5 m)
右翼 - 330 ft(約100.6 m)
AT&Tパーク
サンフランシスコ・ジャイアンツ本拠地。旧称パシフィック・ベル・パーク(Pacific Bell Park)、SBCパーク(SBC Park)。本塁から左翼まで339フィート(約103.3メートル)あるのに対し、右翼までが309フィート(約94.2メートル)しかない。そのため右翼方向のフェンスは高さ25フィート(約7.6メートル)もある。さらに右中間は最深部が420フィート(約128メートル)もあり、これは本塁から中堅までより長い。この独特の構造と高いフェンス、そして海からの向かい風が相まって、打者不利な球場であり、特に左打者には非常に不利である。右翼フェンス後方がサンフランシスコ湾の入り江になっている。海に飛び込む特大アーチはスプラッシュ・ヒットと呼ばれて当球場の名物となっている。
左翼 - 339 ft (約103.3 m)
左中間 - 364 ft (約110.9 m)
中堅 - 399 ft (約121.6 m)
右中間 - 421 ft (約128.3 m)
右翼 - 309 ft (約94.2 m)
バックネット - 48 ft (約14.6 m)
シティ・フィールド
ニューヨーク・メッツ本拠地。球場の外観は、かつてニューヨークにあったブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)の本拠地球場エベッツ・フィールドを模したデザインとなっている。
左翼 - 335 ft (約103.1 m)
左中間 - 379 ft (約115.5 m)
中堅 - 408 ft (約125.4 m)
右中間 - 383 ft (約116.7 m)
右翼 - 330 ft (約100.6 m)
ペトコ・パーク
サンディエゴ・パドレス本拠地。外野が広く形状も複雑で、狭い左中間への打球も左翼方向からの風の影響を受ける。そのため打者にとっては本塁打が出にくい。特に右中間は非常に深く左の強打者泣かせの球場である。守備側にも、守備範囲が広くて強肩の外野手が必須である。フライで打たせて取るタイプの投手には有利な球場である。このような状況が続いたため、2012年オフに右中間を狭くして打者不利を是正する改修工事を開始した。またブルペンの位置にも特徴があり、使用するベンチと反対側のファウルグラウンド内にあるブルペンを使用する。(例:3塁側ベンチを使用するチームはライト側のブルペンを使用)
左翼 - 334 ft (約101.8 m)
左中間 - 367 ft (約111.9 m)
中堅 - 396 ft (約120.7 m)
右中間 - 385 ft (約117.3 m)
右翼 - 322 ft (約98.1 m)
ミラー・パーク
ミルウォーキー・ブルワーズ本拠地。左右非対称のフィールドは「球団史上最高の選手」との呼び声高いロビン・ヨーントが設計。旧球場カウンティ・スタジアムは左中間・右中間がそれぞれ392フィート(約119.5メートル)もあったが、ミラー・パークでは短くなっていて、「バッターの天国」と呼ばれている。
左翼 - 344 ft (約104.9 m)
左中間 - 370 ft (約112.8 m)
中堅 - 400 ft (約121.9 m)
右中間 - 374 ft (約114.0 m)
右翼 - 345 ft (約105.2 m)
バックネット - 56 ft (約17.1 m)
PNCパーク
ピッツバーグ・パイレーツ本拠地。左中間が大きくふくらんでいるため、左翼手には守備のいい選手が必須。また右中間フェンスも高く、6.4メートルもある。以上のような理由から、ラインドライブヒッターはなかなか本塁打が出にくいが、大きさ自体は平均的なのでそれほど本塁打が出ない訳ではない。
左翼 - 325 ft (約99.1 m)
左中間 - 389 ft (約118.6 m)
左中間最深部 - 410 ft (約125.0 m)
中堅 - 399 ft (約121.6 m)
右中間 - 375 ft (約114.3 m)
右翼 - 320 ft (約97.5 m)
バックネット - 52 ft (約15.8 m)
カウフマン・スタジアム
カンザスシティ・ロイヤルズ本拠地。1970年代はアメリカンフットボールとの兼用が可能な多目的スタジアムが全盛の時代だったが、この球場は当時としては珍しく野球専用球場として建設された。NPBの球場に近い左右対称の形状。
左翼 - 330ft(約100.6m)
左中間 - 385ft(約117.3m)
中堅 - 410ft(約125.0m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 330ft(約100.6m)
ナショナルズ・パーク
ワシントン・ナショナルズ本拠地。球場の形状とは関係ないが左翼スタンドの上段に桜の木が植えられている(同じくワシントンD.C.を流れるポトマック川の桜並木から着想を得たものである)。
左翼 - 336 ft (約102.4 m)
左中間 - 377 ft (約114.9 m)
中堅 - 402 ft (約122.5 m)
右中間 - 370 ft (約112.8 m)
右翼 - 335 ft (約102.1 m
フェンウェイ・パーク
ボストン・レッドソックス本拠地。上段は1929年の形状。現在MLBで使用されている球場では最古の球場。市内の限られた沼地に建てられたため、変則的な形状となっている。建設当時(1910年代)は、都市部の狭い空き地に建てられるこのような変則的形状の球場はごく当たり前であった。本塁から左翼までが310フィート(約94.5メートル)しかない。さらに左中間が膨らまず、直線的に延びているため、プロの使用する球場としては極めて浅い。そこで容易に本塁打が出るのを防ぐため高さ37フィート(約11.3メートル)の巨大なフェンスが設置され、当初は広告で覆われていたが1947年にグリーンに塗られた。このフェンスは通称グリーン・モンスター(Green Monster)と呼ばれている。しかし、高く上がったフライは結局はフェンスを越えてしまう。また本来ならフライアウトになるような打球もグリーンモンスターに当たってヒットになってしまうため、フライ系の打球が多い右打者には非常に有利となっている。グリーン・モンスターのすぐ後方には道路と建物があるため、フィールドはこれ以上拡張できない。グリーン・モンスター下部のスコアボード表示部を打球が突き抜けた場合は、打球がバウンドしたか否かを問わずグラウンドルールにより二塁打(2個の安全進塁権)となる。左中間とは対照的に右中間は深くなっている。ただ、右翼はフェンスが低い(1メートル未満の部分もある)上、スタンドが張り出しているため右翼線は302フィート(約92.0メートル)と左翼より狭いので、ライナー性の当たりが本塁打になりやすい。この点は左翼とは対照的である。中堅は最深部が420フィート(約128.0メートル)と深く、そのフィールドの形からザ・トライアングル(The Triangle)とも呼ばれる。
左翼 - 310ft(約94.5m)
左中間 - 379ft(約115.5m)
中堅 - 390ft(約118.9m)
中堅最深部 - 420ft(約128.0m)
右中間 - 380ft(約115.8m)
右翼 - 302ft(約92.0m)
バックネット - 60ft(約18.3m)
フェンス
左翼 - 37ft(約11.3m)
中堅 - 17ft(約5.2m)
右翼 - 3ft(約0.9m)- 5ft(約1.5m)
ヤンキー・スタジアム
ニューヨーク・ヤンキース本拠地。外野フェンスが左右非対称な形状をもち、極端に深い左中間に比べて右翼側が狭くなっているため、旧スタジアムの時代から、右打者に比べ左打者に有利。2009年に新スタジアムが開場すると、一試合平均4本以上の本塁打が飛び交っており、大リーグの全本拠地球場の中でも一試合当たりの本塁打数が著しく多い球場となった。また、その本塁打の大半がライトスタンドに入っており、左打者に対して極端に有利な球場とみなされている。2009年以降、ヤンキースのホームでの本塁打量産率はロードの約1.5倍になっている。その原因として、旧スタジアム時代には存在していた右中間の平均的な膨らみが削られたことや、立地の関係でかつては右翼から本塁に向かって吹いていた緩やかな向かい風が、現在では本塁から右翼上空へと客席から吹き抜ける追い風となっているため、打球が伸びるようになったことなどが指摘されている。他球場では平凡な右飛となるであろう打球がそのままスタンドインするといった光景が頻繁に見られる。それに対応して右投手にとっては極めて不利な球場になった。
左翼 - 318ft(約96.9m)
左中間 - 382ft(約116.4m)
左中間最深部 - 399ft(約122m)
中堅 - 408ft(約124.4m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 314ft(約95.7m)
リグレー・フィールド
シカゴ・カブス本拠地。上は1928年の形状。フェンウェイ・パーク(マサチューセッツ州ボストン)に次いでMLBで2番目に古い球場である。特徴的なのは、左翼と右翼のポール際(ライン付近)で、このあたりには観客席がないのでそこだけ奥へ窪んだような形で、外野が特別深くなっている。左中間と右中間は、フェンスが直線的な形状をしているのであまり深くない。他の球場にはないリグレー・フィールドの特徴として、外野フェンスにツタが生い茂っていることが挙げられる。1937年にビル・ベック考案のもと植えられたもので、時期によって茂り方や葉の色が異なり見る者を楽しませる。打球がこのツタの中に入り込み野手からの申請があると、球場特別ルールで二塁打になる。
左翼 - 355 ft (約108.2 m)
左中間 - 368 ft (約112.2 m)
中堅 - 400 ft (約121.9 m)
右中間 - 368 ft (約112.2 m)
右翼 - 353 ft (約107.6 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
ドジャースタジアム
ロサンゼルス・ドジャース本拠地。1990年代以降はMLBの球場では珍しくなった、フィールドがセンターラインを軸に左右対称の球場である。2017年現在、ナショナルリーグ所属球団の本拠地球場では唯一である。左中間、右中間の膨らみがなく東京ドームのような形状でもある。
左翼 - 330 ft(約100.6 m)
左中間 - 385 ft(約117.3 m)
中堅 - 395 ft(約120.4 m)
右中間 - 385 ft(約117.3 m)
右翼 - 330 ft(約100.6 m)
バックネット - 75 ft (約22.9 m)
ミニッツ・メイド・パーク
ヒューストン・アストロズ本拠地。ユニオン駅(Union Station)という歴史的建造物が隣接しているため、外野は左翼が右翼に比べて浅く、左中間にもふくらみがない。そのため右打者にホームランが出やすい。また2016年まではセンターまで435フィート(約132.6m)もあり、これはMLBの球場の中では最長であった。また、2016年まで、センターフェンス手前に傾斜30度の坂:タルの丘(Tal's Hill)があった(これはレッズの旧本拠地クロスリー・フィールドを模したものといわれる)。名前の由来は、球団社長を務めたタル・スミスからきている。この丘にはフラッグ・ポールが立っていた(同じくタイガースの旧本拠地タイガー・スタジアムを模したものといわれる)。ただ、センターを守る選手にとっては邪魔でしかないらしく、特にカルロス・ベルトランはFAになった際に、「これを取り除かないとアストロズとは契約しない」と発言した。ちなみにグラウンド内にあるポールは、タルが生存した時代に多くのアメリカの球場ではグラウンド内にポールが立っていた事にも由来しているといわれる。タルの丘は2016年のシーズン後に撤去され、本塁から中堅フェンスまで435フィート(約132.6m)から409フィート(約124.7m)に縮まった。新設されたフェンスより後ろの部分は、売店などを設置して観客用エリアとなった。
左翼 - 315 ft (約96.0 m)
左中間 - 362 ft (約110.3 m)
中堅 - 409 ft (約124.7 m)
右中間 - 373 ft (約113.7 m)
右翼 - 326 ft (約99.4 m)
バックネット - 49 ft (約14.9 m)
※2017年からのデータ
ここから下は過去に存在した球場。日本人の常識では摩訶不思議で異型なレイアウトに思える。
ベイカー・ボウル
フィラデルフィア・フィリーズ旧本拠地(1887年~1938年)。
左翼 - 341.5 ft (約104.1 m)
左中間 - 不明
中堅 - 408 ft (約124.4 m)
右中間 - 300 ft (約91.4 m)
右翼 - 272 ft (約82.9 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
クロスリー・フィールド
シンシナティ・レッズ旧本拠地(1912年~1970年)。左翼手の定位置やや後ろ付近からフェンスにかけて「テラス」と呼ばれた急な上り坂があった。1937年の大洪水で球場が21フィート(約6.4メートル)の高さまで水没した際に流れ込んだ土砂がそのまま残ったもの。フィールドを整備する際に平らにせず、球場の名物としてそのまま残した。
左翼 - 328 ft(約100.0 m)
左中間 - 380 ft(約115.8 m)
中堅 - 387 ft(約118.0 m)
右中間 - 383 ft(約116.7 m)
右翼 - 366 ft(約111.6 m)
バックネット - 78 ft(約23.8 m)
エベッツ・フィールド
ブルックリン・ドジャース本拠地(1912年~1957年)。球場正面などはイタリア産の大理石を使用。
左翼 - 348 ft (約106.1 m)
左中間 - 351 ft (約107.0 m)
中堅 - 393 ft (約119.8 m)
右中間 - 352 ft (約107.3 m)
右翼 - 297 ft (約90.5 m)
バックネット - 72 ft (約21.9 m)
フォーブス・フィールド
ピッツバーグ・パイレーツ旧本拠地(1909年~1970年)。木製が主流だった当時において、鉄骨やコンクリートを用いて建設された球場は、フィラデルフィアのシャイブ・パークに次いで2例目だった。フレンチ・インディアン戦争で活躍したジョン・フォーブスという軍人の名前から「フォーブス・フィールド」と名付けられた。
左翼 - 365 ft (約111.3 m)
左中間 - 406 ft (約123.7 m)
中堅 - 435 ft (約132.6 m)
中堅最深部 - 457 ft (約139.3 m)
右中間 - 375 ft (約114.3 m)
右翼 - 300 ft (約91.4 m)
バックネット - 75 ft (約22.9 m)
グリフィス・スタジアム
ワシントン・セネタース【現ミネソタ・ツインズ】(1901年 ~ 1960年)、ワシントン・セネタース【現テキサス・レンジャーズ(1961年)本拠地。スタジアムという呼称を初めて用いた球場である。外野が広く、ホームランが出にくい。この球場がMLB球団の本拠地だった41年間のうち、34シーズンで「大リーグの全本拠地の中で一番ホームランが少ない球場」だった。また外野フェンスがジグザグになっているが、これは土地を売却するのを拒否した5軒の家屋を避けた形で球場が設計されたからである。
左翼 - 388 ft (約118.3 m)
左中間 - 380 ft (約115.8 m)
中堅 - 421 ft (約128.3 m)
右中間 - 373 ft (約113.7 m)
右翼 - 320 ft (約97.5 m)
バックネット - 61 ft (約18.6 m)
旧ヤンキー・スタジアム
ニューヨーク・ヤンキース旧本拠地(1923年~1973年、1976年~2008年)。上段は開場時は1928年、下段は1988年のレイアウト。左中間が異常に深く(「デスヴァレー」(Death Valley)=「死の谷」と呼ばれた)、逆にライトポールまでの距離が短かったため「(左の強打者である)ルースのために建てられた家」との異名を持つ。しかしフィールドの広さは年々変更されていき、閉鎖時には左右両翼共に開場当時よりずいぶん狭くなっていた。特に1976年の改築でフィールド面積は大幅に縮小された。左中間は現在でも399フィート(約121.6メートル)と大リーグ屈指の広さを誇るが、1988年のモニュメント・パーク設置により、センターよりも左中間が深いという特徴的な形状は解消され、常識的な範囲内での変形球場となっていた。
左翼 - 318ft(約96.9m)
左中間 - 399ft(約121.6m)
中堅 - 408ft(約124.4m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 314ft(約95.7m)
バックネット - 84ft(約25.6m)
※閉鎖時のデータ
リーグ・パーク
クリーブランド・スパイダーズ本拠地(1891年~1899年)、クリーブランド・インディアンス旧本拠地(1901年~1946年)。フィールドが、本塁から左翼へのラインと右翼から中堅へのラインを長い辺、本塁から右翼へのラインと左翼から中堅へのラインを短い辺にした長方形のような形をしている。左翼まで375フィート(約114.3メートル)は平均より深く、逆に右翼まで290フィート(約88.4メートル)は平均より浅い。右翼が浅くなったのは、すぐ後方にある2軒の家が土地の売却を拒否したためである。右翼にはホームランの乱発を防ぐため高さ45フィート(約13.7メートル)のフェンスが設置されている。ただし、入場券が売り切れるほどの満員になった場合はさらに客を入れるために、本塁から240フィート(約73.2メートル)の所にロープを張り、そこに観客を入場させていたこともあった。
左翼 - 375 ft (約114.3 m)
左中間 - 415 ft (約126.5 m)
中堅 - 420 ft (約128.0 m)
中堅最深部 - 460 ft (約140.2 m)
右中間 - 317 ft (約96.6 m)※推定
右翼 - 290 ft (約88.4 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
フェンス
左翼 - 5 ft (約1.5 m)
左中間 - 10 ft (約3.0 m)
中堅 - 35 ft (約10.7 m)
右中間 ~ 右翼 - 45 ft (約13.7 m)
MLB使用球場ではないが、メキシコシティ東部にある屋外コンサート会場兼野球場の「フォロ・ソル」は、なんとエルマノス・ロドリゲス・サーキットのコースの内側に建設されている。
メキシカンリーグ(メキシコ夏季リーグ)のメキシコシティ・レッドイーグルスが本拠地にしている。フィールドの広さは左翼326フィート(約99.4メートル)、左中間402フィート(約122.5メートル)、中堅417フィート(約127.1メートル)、右中間377フィート(約114.9メートル)、右翼333フィート(約101.5メートル)。2009年3月開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシックでは、1次リーグ・プールBの会場として、地元メキシコ、前回大会準優勝のキューバ、オーストラリア、南アフリカの4チームがこの球場で試合を行った。
サーキットの中に建ってるのでフィールド内に走路が通る。上記写真では三塁側内野席が途中から避けて走路が見える。
上記写真のレイアウトは、2015年に復活したメキシコグランプリからレイアウトが少々変更
球場内を横断するサーキットの走路
上記写真に於いて奥右側が「ターン12」、球場内に設置されたシケインが「ターン13」を経て、「ターン14」「ターン15」を通過し、球場外に出て「ターン16」へ通じる。
アメリカではアメフトや陸上競技場と兼用、日本では展示会場やコンサート会場等の多目的利用ホールとして兼用する野球場はあるが、サーキットと兼用というのはここだけではなかろうか…。いやはや、調べてみると面白いもんだ。
※他にユニフォームのこともゴチャゴチャ言ってます(笑)
グラウンドである野球場もしかり。他の球技のフィールドは統一された面積が規定されているが、野球においてはダイヤモンド内の広さは公認野球規則で規定されているものの、ファールゾーンや外野フィールド等の広さ、球場全体の形状はバラバラ。ボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークのように、もともとアメリカにおいて野球場は街中の空き地に造られていたため、形状や広さは野球場によってまちまちなってしまったことが由来である。しかし、こんなことは他の球技では考えられない。毎回異なるサーキットでレースを実施するモータースポーツのようだ。
画一的な形状が一般的なNPBに比べると、良くも悪くも個性的な形状が多いMLBの球場。前日言及した「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム」「ポロ・グラウンズ」ほどではないが、上記理由により形状や広さがまちまちで、個性的な球場の上面図の一部を集めてみた。NPBの球場と比べると明らかに統一感がない所が大雑把でアメリカらしい(それが個性というのかな?笑)
サウス・エンド・グラウンズ
ボストン・レッドストッキングズ/ボストン・レッドキャップス/ボストン・ビーンイーターズ/ボストン・ドゥーブス/ボストン・ラスラーズ /ボストン・ブレーブス本拠地 (1871-1914)。MLBに初めてボールパークの概念を持ち込んだといわれる球場。なるほど…それならば、先日言及した「ポロ・グラウンズ」のレイアウトも当時は奇異な感じがしなかったわけだ…。
左翼 - 250 ft(約76m)
中堅 - 440 ft(約134m)
右翼 - 255 ft(約77m)
シチズンズ・バンク・パーク
フィラデルフィア・フィリーズ本拠地。外野の最深部が401フィートでMLBの球場としては長くない上に、センターから両サイドのポールまでほぼ一直線になっていて、右中間と左中間が狭い。打者からみて向かい風が吹くケースも少なく、本塁打の出やすい球場。あまりにも本塁打が出すぎるために、わざわざ外野フェンスの高さを上げ、さらに外野方向へフェンスの位置を下げる工事を行っている。
左翼 - 329 ft(約100.3 m)
左中間 - 374 ft(約114.0 m)
中堅 - 401 ft(約122.2 m)
右中間 - 369 ft(約112.5 m)
右翼 - 330 ft(約100.6 m)
AT&Tパーク
サンフランシスコ・ジャイアンツ本拠地。旧称パシフィック・ベル・パーク(Pacific Bell Park)、SBCパーク(SBC Park)。本塁から左翼まで339フィート(約103.3メートル)あるのに対し、右翼までが309フィート(約94.2メートル)しかない。そのため右翼方向のフェンスは高さ25フィート(約7.6メートル)もある。さらに右中間は最深部が420フィート(約128メートル)もあり、これは本塁から中堅までより長い。この独特の構造と高いフェンス、そして海からの向かい風が相まって、打者不利な球場であり、特に左打者には非常に不利である。右翼フェンス後方がサンフランシスコ湾の入り江になっている。海に飛び込む特大アーチはスプラッシュ・ヒットと呼ばれて当球場の名物となっている。
左翼 - 339 ft (約103.3 m)
左中間 - 364 ft (約110.9 m)
中堅 - 399 ft (約121.6 m)
右中間 - 421 ft (約128.3 m)
右翼 - 309 ft (約94.2 m)
バックネット - 48 ft (約14.6 m)
シティ・フィールド
ニューヨーク・メッツ本拠地。球場の外観は、かつてニューヨークにあったブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)の本拠地球場エベッツ・フィールドを模したデザインとなっている。
左翼 - 335 ft (約103.1 m)
左中間 - 379 ft (約115.5 m)
中堅 - 408 ft (約125.4 m)
右中間 - 383 ft (約116.7 m)
右翼 - 330 ft (約100.6 m)
ペトコ・パーク
サンディエゴ・パドレス本拠地。外野が広く形状も複雑で、狭い左中間への打球も左翼方向からの風の影響を受ける。そのため打者にとっては本塁打が出にくい。特に右中間は非常に深く左の強打者泣かせの球場である。守備側にも、守備範囲が広くて強肩の外野手が必須である。フライで打たせて取るタイプの投手には有利な球場である。このような状況が続いたため、2012年オフに右中間を狭くして打者不利を是正する改修工事を開始した。またブルペンの位置にも特徴があり、使用するベンチと反対側のファウルグラウンド内にあるブルペンを使用する。(例:3塁側ベンチを使用するチームはライト側のブルペンを使用)
左翼 - 334 ft (約101.8 m)
左中間 - 367 ft (約111.9 m)
中堅 - 396 ft (約120.7 m)
右中間 - 385 ft (約117.3 m)
右翼 - 322 ft (約98.1 m)
ミラー・パーク
ミルウォーキー・ブルワーズ本拠地。左右非対称のフィールドは「球団史上最高の選手」との呼び声高いロビン・ヨーントが設計。旧球場カウンティ・スタジアムは左中間・右中間がそれぞれ392フィート(約119.5メートル)もあったが、ミラー・パークでは短くなっていて、「バッターの天国」と呼ばれている。
左翼 - 344 ft (約104.9 m)
左中間 - 370 ft (約112.8 m)
中堅 - 400 ft (約121.9 m)
右中間 - 374 ft (約114.0 m)
右翼 - 345 ft (約105.2 m)
バックネット - 56 ft (約17.1 m)
PNCパーク
ピッツバーグ・パイレーツ本拠地。左中間が大きくふくらんでいるため、左翼手には守備のいい選手が必須。また右中間フェンスも高く、6.4メートルもある。以上のような理由から、ラインドライブヒッターはなかなか本塁打が出にくいが、大きさ自体は平均的なのでそれほど本塁打が出ない訳ではない。
左翼 - 325 ft (約99.1 m)
左中間 - 389 ft (約118.6 m)
左中間最深部 - 410 ft (約125.0 m)
中堅 - 399 ft (約121.6 m)
右中間 - 375 ft (約114.3 m)
右翼 - 320 ft (約97.5 m)
バックネット - 52 ft (約15.8 m)
カウフマン・スタジアム
カンザスシティ・ロイヤルズ本拠地。1970年代はアメリカンフットボールとの兼用が可能な多目的スタジアムが全盛の時代だったが、この球場は当時としては珍しく野球専用球場として建設された。NPBの球場に近い左右対称の形状。
左翼 - 330ft(約100.6m)
左中間 - 385ft(約117.3m)
中堅 - 410ft(約125.0m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 330ft(約100.6m)
ナショナルズ・パーク
ワシントン・ナショナルズ本拠地。球場の形状とは関係ないが左翼スタンドの上段に桜の木が植えられている(同じくワシントンD.C.を流れるポトマック川の桜並木から着想を得たものである)。
左翼 - 336 ft (約102.4 m)
左中間 - 377 ft (約114.9 m)
中堅 - 402 ft (約122.5 m)
右中間 - 370 ft (約112.8 m)
右翼 - 335 ft (約102.1 m
フェンウェイ・パーク
ボストン・レッドソックス本拠地。上段は1929年の形状。現在MLBで使用されている球場では最古の球場。市内の限られた沼地に建てられたため、変則的な形状となっている。建設当時(1910年代)は、都市部の狭い空き地に建てられるこのような変則的形状の球場はごく当たり前であった。本塁から左翼までが310フィート(約94.5メートル)しかない。さらに左中間が膨らまず、直線的に延びているため、プロの使用する球場としては極めて浅い。そこで容易に本塁打が出るのを防ぐため高さ37フィート(約11.3メートル)の巨大なフェンスが設置され、当初は広告で覆われていたが1947年にグリーンに塗られた。このフェンスは通称グリーン・モンスター(Green Monster)と呼ばれている。しかし、高く上がったフライは結局はフェンスを越えてしまう。また本来ならフライアウトになるような打球もグリーンモンスターに当たってヒットになってしまうため、フライ系の打球が多い右打者には非常に有利となっている。グリーン・モンスターのすぐ後方には道路と建物があるため、フィールドはこれ以上拡張できない。グリーン・モンスター下部のスコアボード表示部を打球が突き抜けた場合は、打球がバウンドしたか否かを問わずグラウンドルールにより二塁打(2個の安全進塁権)となる。左中間とは対照的に右中間は深くなっている。ただ、右翼はフェンスが低い(1メートル未満の部分もある)上、スタンドが張り出しているため右翼線は302フィート(約92.0メートル)と左翼より狭いので、ライナー性の当たりが本塁打になりやすい。この点は左翼とは対照的である。中堅は最深部が420フィート(約128.0メートル)と深く、そのフィールドの形からザ・トライアングル(The Triangle)とも呼ばれる。
左翼 - 310ft(約94.5m)
左中間 - 379ft(約115.5m)
中堅 - 390ft(約118.9m)
中堅最深部 - 420ft(約128.0m)
右中間 - 380ft(約115.8m)
右翼 - 302ft(約92.0m)
バックネット - 60ft(約18.3m)
フェンス
左翼 - 37ft(約11.3m)
中堅 - 17ft(約5.2m)
右翼 - 3ft(約0.9m)- 5ft(約1.5m)
ヤンキー・スタジアム
ニューヨーク・ヤンキース本拠地。外野フェンスが左右非対称な形状をもち、極端に深い左中間に比べて右翼側が狭くなっているため、旧スタジアムの時代から、右打者に比べ左打者に有利。2009年に新スタジアムが開場すると、一試合平均4本以上の本塁打が飛び交っており、大リーグの全本拠地球場の中でも一試合当たりの本塁打数が著しく多い球場となった。また、その本塁打の大半がライトスタンドに入っており、左打者に対して極端に有利な球場とみなされている。2009年以降、ヤンキースのホームでの本塁打量産率はロードの約1.5倍になっている。その原因として、旧スタジアム時代には存在していた右中間の平均的な膨らみが削られたことや、立地の関係でかつては右翼から本塁に向かって吹いていた緩やかな向かい風が、現在では本塁から右翼上空へと客席から吹き抜ける追い風となっているため、打球が伸びるようになったことなどが指摘されている。他球場では平凡な右飛となるであろう打球がそのままスタンドインするといった光景が頻繁に見られる。それに対応して右投手にとっては極めて不利な球場になった。
左翼 - 318ft(約96.9m)
左中間 - 382ft(約116.4m)
左中間最深部 - 399ft(約122m)
中堅 - 408ft(約124.4m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 314ft(約95.7m)
リグレー・フィールド
シカゴ・カブス本拠地。上は1928年の形状。フェンウェイ・パーク(マサチューセッツ州ボストン)に次いでMLBで2番目に古い球場である。特徴的なのは、左翼と右翼のポール際(ライン付近)で、このあたりには観客席がないのでそこだけ奥へ窪んだような形で、外野が特別深くなっている。左中間と右中間は、フェンスが直線的な形状をしているのであまり深くない。他の球場にはないリグレー・フィールドの特徴として、外野フェンスにツタが生い茂っていることが挙げられる。1937年にビル・ベック考案のもと植えられたもので、時期によって茂り方や葉の色が異なり見る者を楽しませる。打球がこのツタの中に入り込み野手からの申請があると、球場特別ルールで二塁打になる。
左翼 - 355 ft (約108.2 m)
左中間 - 368 ft (約112.2 m)
中堅 - 400 ft (約121.9 m)
右中間 - 368 ft (約112.2 m)
右翼 - 353 ft (約107.6 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
ドジャースタジアム
ロサンゼルス・ドジャース本拠地。1990年代以降はMLBの球場では珍しくなった、フィールドがセンターラインを軸に左右対称の球場である。2017年現在、ナショナルリーグ所属球団の本拠地球場では唯一である。左中間、右中間の膨らみがなく東京ドームのような形状でもある。
左翼 - 330 ft(約100.6 m)
左中間 - 385 ft(約117.3 m)
中堅 - 395 ft(約120.4 m)
右中間 - 385 ft(約117.3 m)
右翼 - 330 ft(約100.6 m)
バックネット - 75 ft (約22.9 m)
ミニッツ・メイド・パーク
ヒューストン・アストロズ本拠地。ユニオン駅(Union Station)という歴史的建造物が隣接しているため、外野は左翼が右翼に比べて浅く、左中間にもふくらみがない。そのため右打者にホームランが出やすい。また2016年まではセンターまで435フィート(約132.6m)もあり、これはMLBの球場の中では最長であった。また、2016年まで、センターフェンス手前に傾斜30度の坂:タルの丘(Tal's Hill)があった(これはレッズの旧本拠地クロスリー・フィールドを模したものといわれる)。名前の由来は、球団社長を務めたタル・スミスからきている。この丘にはフラッグ・ポールが立っていた(同じくタイガースの旧本拠地タイガー・スタジアムを模したものといわれる)。ただ、センターを守る選手にとっては邪魔でしかないらしく、特にカルロス・ベルトランはFAになった際に、「これを取り除かないとアストロズとは契約しない」と発言した。ちなみにグラウンド内にあるポールは、タルが生存した時代に多くのアメリカの球場ではグラウンド内にポールが立っていた事にも由来しているといわれる。タルの丘は2016年のシーズン後に撤去され、本塁から中堅フェンスまで435フィート(約132.6m)から409フィート(約124.7m)に縮まった。新設されたフェンスより後ろの部分は、売店などを設置して観客用エリアとなった。
左翼 - 315 ft (約96.0 m)
左中間 - 362 ft (約110.3 m)
中堅 - 409 ft (約124.7 m)
右中間 - 373 ft (約113.7 m)
右翼 - 326 ft (約99.4 m)
バックネット - 49 ft (約14.9 m)
※2017年からのデータ
ここから下は過去に存在した球場。日本人の常識では摩訶不思議で異型なレイアウトに思える。
ベイカー・ボウル
フィラデルフィア・フィリーズ旧本拠地(1887年~1938年)。
左翼 - 341.5 ft (約104.1 m)
左中間 - 不明
中堅 - 408 ft (約124.4 m)
右中間 - 300 ft (約91.4 m)
右翼 - 272 ft (約82.9 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
クロスリー・フィールド
シンシナティ・レッズ旧本拠地(1912年~1970年)。左翼手の定位置やや後ろ付近からフェンスにかけて「テラス」と呼ばれた急な上り坂があった。1937年の大洪水で球場が21フィート(約6.4メートル)の高さまで水没した際に流れ込んだ土砂がそのまま残ったもの。フィールドを整備する際に平らにせず、球場の名物としてそのまま残した。
左翼 - 328 ft(約100.0 m)
左中間 - 380 ft(約115.8 m)
中堅 - 387 ft(約118.0 m)
右中間 - 383 ft(約116.7 m)
右翼 - 366 ft(約111.6 m)
バックネット - 78 ft(約23.8 m)
エベッツ・フィールド
ブルックリン・ドジャース本拠地(1912年~1957年)。球場正面などはイタリア産の大理石を使用。
左翼 - 348 ft (約106.1 m)
左中間 - 351 ft (約107.0 m)
中堅 - 393 ft (約119.8 m)
右中間 - 352 ft (約107.3 m)
右翼 - 297 ft (約90.5 m)
バックネット - 72 ft (約21.9 m)
フォーブス・フィールド
ピッツバーグ・パイレーツ旧本拠地(1909年~1970年)。木製が主流だった当時において、鉄骨やコンクリートを用いて建設された球場は、フィラデルフィアのシャイブ・パークに次いで2例目だった。フレンチ・インディアン戦争で活躍したジョン・フォーブスという軍人の名前から「フォーブス・フィールド」と名付けられた。
左翼 - 365 ft (約111.3 m)
左中間 - 406 ft (約123.7 m)
中堅 - 435 ft (約132.6 m)
中堅最深部 - 457 ft (約139.3 m)
右中間 - 375 ft (約114.3 m)
右翼 - 300 ft (約91.4 m)
バックネット - 75 ft (約22.9 m)
グリフィス・スタジアム
ワシントン・セネタース【現ミネソタ・ツインズ】(1901年 ~ 1960年)、ワシントン・セネタース【現テキサス・レンジャーズ(1961年)本拠地。スタジアムという呼称を初めて用いた球場である。外野が広く、ホームランが出にくい。この球場がMLB球団の本拠地だった41年間のうち、34シーズンで「大リーグの全本拠地の中で一番ホームランが少ない球場」だった。また外野フェンスがジグザグになっているが、これは土地を売却するのを拒否した5軒の家屋を避けた形で球場が設計されたからである。
左翼 - 388 ft (約118.3 m)
左中間 - 380 ft (約115.8 m)
中堅 - 421 ft (約128.3 m)
右中間 - 373 ft (約113.7 m)
右翼 - 320 ft (約97.5 m)
バックネット - 61 ft (約18.6 m)
旧ヤンキー・スタジアム
ニューヨーク・ヤンキース旧本拠地(1923年~1973年、1976年~2008年)。上段は開場時は1928年、下段は1988年のレイアウト。左中間が異常に深く(「デスヴァレー」(Death Valley)=「死の谷」と呼ばれた)、逆にライトポールまでの距離が短かったため「(左の強打者である)ルースのために建てられた家」との異名を持つ。しかしフィールドの広さは年々変更されていき、閉鎖時には左右両翼共に開場当時よりずいぶん狭くなっていた。特に1976年の改築でフィールド面積は大幅に縮小された。左中間は現在でも399フィート(約121.6メートル)と大リーグ屈指の広さを誇るが、1988年のモニュメント・パーク設置により、センターよりも左中間が深いという特徴的な形状は解消され、常識的な範囲内での変形球場となっていた。
左翼 - 318ft(約96.9m)
左中間 - 399ft(約121.6m)
中堅 - 408ft(約124.4m)
右中間 - 385ft(約117.3m)
右翼 - 314ft(約95.7m)
バックネット - 84ft(約25.6m)
※閉鎖時のデータ
リーグ・パーク
クリーブランド・スパイダーズ本拠地(1891年~1899年)、クリーブランド・インディアンス旧本拠地(1901年~1946年)。フィールドが、本塁から左翼へのラインと右翼から中堅へのラインを長い辺、本塁から右翼へのラインと左翼から中堅へのラインを短い辺にした長方形のような形をしている。左翼まで375フィート(約114.3メートル)は平均より深く、逆に右翼まで290フィート(約88.4メートル)は平均より浅い。右翼が浅くなったのは、すぐ後方にある2軒の家が土地の売却を拒否したためである。右翼にはホームランの乱発を防ぐため高さ45フィート(約13.7メートル)のフェンスが設置されている。ただし、入場券が売り切れるほどの満員になった場合はさらに客を入れるために、本塁から240フィート(約73.2メートル)の所にロープを張り、そこに観客を入場させていたこともあった。
左翼 - 375 ft (約114.3 m)
左中間 - 415 ft (約126.5 m)
中堅 - 420 ft (約128.0 m)
中堅最深部 - 460 ft (約140.2 m)
右中間 - 317 ft (約96.6 m)※推定
右翼 - 290 ft (約88.4 m)
バックネット - 60 ft (約18.3 m)
フェンス
左翼 - 5 ft (約1.5 m)
左中間 - 10 ft (約3.0 m)
中堅 - 35 ft (約10.7 m)
右中間 ~ 右翼 - 45 ft (約13.7 m)
MLB使用球場ではないが、メキシコシティ東部にある屋外コンサート会場兼野球場の「フォロ・ソル」は、なんとエルマノス・ロドリゲス・サーキットのコースの内側に建設されている。
メキシカンリーグ(メキシコ夏季リーグ)のメキシコシティ・レッドイーグルスが本拠地にしている。フィールドの広さは左翼326フィート(約99.4メートル)、左中間402フィート(約122.5メートル)、中堅417フィート(約127.1メートル)、右中間377フィート(約114.9メートル)、右翼333フィート(約101.5メートル)。2009年3月開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシックでは、1次リーグ・プールBの会場として、地元メキシコ、前回大会準優勝のキューバ、オーストラリア、南アフリカの4チームがこの球場で試合を行った。
サーキットの中に建ってるのでフィールド内に走路が通る。上記写真では三塁側内野席が途中から避けて走路が見える。
上記写真のレイアウトは、2015年に復活したメキシコグランプリからレイアウトが少々変更
球場内を横断するサーキットの走路
上記写真に於いて奥右側が「ターン12」、球場内に設置されたシケインが「ターン13」を経て、「ターン14」「ターン15」を通過し、球場外に出て「ターン16」へ通じる。
アメリカではアメフトや陸上競技場と兼用、日本では展示会場やコンサート会場等の多目的利用ホールとして兼用する野球場はあるが、サーキットと兼用というのはここだけではなかろうか…。いやはや、調べてみると面白いもんだ。
※他にユニフォームのこともゴチャゴチャ言ってます(笑)