自己満足的電脳空間

完全自己満足主義。テーマはない。自分の趣味・関心事を偏った嗜好と思考でダラダラと書き綴る自分のための忘備録。

フェンウェイ・パークの「グリーンモンスター」

2017-10-25 00:05:00 | ユニフォーム・球場考察
19世紀末から20世紀上旬、MLBで使用された球場は立地条件により左右非対称の球場がに多く建設された。その代表格とも言えるのがボストン・レッドソックスの本拠地であり、MLBで使用されている球場の中では最も古い球場の「フェンウェイ・パーク」であろう。


市内の限られた沼地に建てられたため、変則的な形状となっており、本塁から左翼までが310フィート(約94.5メートル)しかない。さらに左中間が膨らまず、直線的に延びているため、プロの使用する球場としては極めて浅い。


そこで容易に本塁打が出るのを防ぐため、高さ37フィート(約11.3メートル)もある(後に「グリーンモンスター」と呼ばれる)巨大なフェンスが設置された。そのグリーンモンスターの歴史を駆け足で辿っていく。

フェンスの高さは下記の通り
左翼 - 37ft(約11.3m)
中堅 - 17ft(約5.2m)
右翼 - 3ft(約0.9m)- 5ft(約1.5m)
一番低い右翼のフェンスと比べると左翼フェンスは10倍以上の高さである


1914年、広告で覆われたオリジナル「グリーンモンスター」(当時はこの呼称は使用されていなかった)。当時はこの巨大フェンスの前に観客席があった。また、巨大フェンス奥には「ダッフィーズ・クリフ」※と呼ばれた土手が見える。

※「ダッフィーズ・クリフ」
開場から1933年まで、左翼フェンス前にあった土手。左翼ポールから中堅にかけて広がるその土手は高さ10フィート(約3.0メートル)はあったといい、フェンウェイ・パークで守備に就く左翼手はその土手を登り降りしながら打球を処理していた。土手の愛称になったダッフィーとは、1910年から1917年までレッドソックスに在籍した外野手ダッフィー・ルイスのことである。ルイスが打球処理のためこの土手を素早く登り降りしたことから“ダッフィーズ・クリフ”(Duffy’s Cliff)という愛称になった。

1934年、1月5日に発生した火事で破損した部分の補修が行われその際にこの土手を平らにしたため、ダッフィーズ・クリフは現存していない。野球場のフェアグラウンド内に土手があった例としては他にクロスリー・フィールド(オハイオ州シンシナティ)の“テラス”、ミニッツ・メイド・パーク(テキサス州ヒューストン)の“タルの丘”が挙げられる。


1942年のグリーンモンスター

その名称にもかかわらず、グリーンモンスターは1947年までグリーンに塗装されておらず、それ以前は、広告で覆われていた。フェンウェイ・パークの開場が1912年だったことを考慮すれば、モンスター指定は比較的新しいことであり、大半は、単に「WALL(すなわち壁)」と呼ばれていた。1947年に壁が緑色に塗られた後、フェンウェイ・パークのオールスターゲーム告知広告が掲示された1999年まで、グリーンモンスターから広告は排除されていた。

1996年8月17日のグリーンモンスター(ボストン・レッドソックス対カリフォルニア・エンゼルス)

投手:#21 ロジャー・クレメンス(BOS)
打者:#44 チリ・デービス(CAL)
私が一番見慣れている「グリーンモンスター」の姿。あまりの壁の高さに圧迫感すら感じる。


現在のグリーンモンスター

2005年、グリーンモンスター上部に座席を設置。広告も解禁。上記1996年の写真とは随分とイメージが変わった。


NPBの使用球場で「おぉ~フェンスが高いなぁ~」と驚いたのは、幼き日に目にした後楽園球場と1993年に開場した福岡ドーム。
【後楽園球場】

両翼が公称90m(実測87.8m[86m説もあり]、1958年改装前までは78m)と狭小だったため、フェンウェイ・パーク同様、容易に本塁打が出るのを防ぐため左右両翼ポール際はのフェンスは最長4.7mと極端に高い特徴的な構造となる。(中堅から右中間、左中間の外野フェンスの高さ1.9m)

【福岡ドーム】



1993年の開場から2014年はフェンスの高さは5.84 m (約19.2 ft)。この高さが左翼から右翼まで続き、日本版グリーンモンスターと言うよりは「万里の長城」と呼称できるほどの迫力だった。【2015年からフェンスの高さは4.2 m (約13.8 ft)に変更】


※他にもユニフォームのこと、球場のこと、ゴチャゴチャ言ってます(笑)