感じるままに・・大人の独り言

日頃感じる事や、国内外の行く先々の美味しいグルメや観光スポットを独自の目線と本音で発信して行きたいです。

白いおばさんと黒いおばさん

2017-05-09 22:37:00 | ちょっと真面目なお話
ウチの職場にはお掃除スタッフのおばさんが2人いる。
1人は70代にも関わらずいつも髪も綺麗にセットし、お化粧もネイルもきちんとして、スリムな体型にシャネルの5番まで身にまとった美意識が高い色白のおばさんだ。


そしてもう1人は私と同年代なのに、化粧っ気もなく髪はボサボサで、でっぷりと太っているので実際年齢より10才くらい老けて見える色の黒いおばさんだ。

白いおばさんは、口も固く余計な事は言わずに黙々とお仕事をしている。

黒いおばさんと言うと、いつも方々で人の悪口や文句ばかり言って、お仕事のお掃除も四角いスペースをまぁるく掃いているのをよく見かける。

黒いおばさんは若くして結婚し、子供を3人生んだらしいが、ご主人とは死別してシングルマザーで子供を育てて来たらしい。
その3人の子供も、一番上の子は筋肉が萎縮して動けなくなる難病を発症。真ん中の子はトラブルを起こし人の道を外れてしまい、一番下の子は発達障害で病院通いだそうだ。

そんな黒いおばさんを可哀想に思い、白いおばさんは色々黒いおばさんに親切にしてあげている。
黒いおばさんの子供にお年玉やお誕生日プレゼントを買ってあげたり、色んな物をプレゼントしてあげているのに、白いおばさんは黒いおばさんから一度もお返しをして貰った事がないと言う。

以前にも、白いおばさんは朔日餅を黒いおばさんの分も購入して分け与え、家で待ってるお子さんに持って帰る様に言ったのに、黒いおばさんは一箱全部自分で食べてしまったそうだ。

そればかりか、黒いおばさんは白いおばさんに嫌な事を言ったり、意地悪をしたりするみたいで、この前も白いおばさんは黒いおばさんに嫌な事をされ、悲しんでいた。

私が「何故親切を仇で返す様な人に優しくするの?」と尋ねたら、白いおばさんは答えた。「私は例え自分に返って来なくても、人に親切な事を続けたら、自分の娘に違う形で良い事が返って来ると信じている。だから、娘には不幸になって欲しくないから、人には嫌な事は絶対にしない代わりに親切にするの」だと。

この世は因果応報、自業自得の世界だと、私も思う。

黒いおばさんの境遇は、想像を絶するくらい過酷な人生で、それでもちゃんと働いて子供の面倒をみているのはすごい事だと思ってる。私が黒いおばさんの立場なら耐えられないだろう。

それでも、やっぱりこの世は因果応報、自業自得の世界なのだ。
自分が人に与えた事は、嫌な事良い事に関係なく、しかも自分だけでなく、自分の周りに必ず返って来ると思う。だから、良心に反した事はしてはいけないのだ。

私は白いおばさんが好きだし、尊敬している。
だから私も見返りを期待せず、良心に従って残りの人生を生きていかなければと思う。

そして、肝に命じたい。自分の子供には幸せに生きて行って欲しいから、白いおばさんの言う様に、人には嫌な事をしないで親切にすべきであると。
後世に残すべくは、子孫だけじゃなく延々と続く " 良い事のスパイラル "なのだから。