平日の夕方、午後八時半過ぎ、辺りはすっかり暗くなっている。
某学校の正門から続々と1000人余りの人達が出てくる。
或る男性は、携帯を耳に当てお迎えの連絡をしている人もいる。
学校の正門前の狭い一方通行道路では、右に左にお迎えの車列が長い列を作って、駐車している。
11月最後の、第九ひろしまの全員練習が、広島市中区のエリザベト音楽大学 セシリアホールで終わった所だ。
1000人余りの人達の中には、全盲の方や弱聴の方達もいらっしゃるらしい。
視聴覚に異常のある人たちも、長い間第九の歌手として頑張っておられるらしい。
RCC放送のインタビューを受けていたと聞く、翌日のテレビニュースで放送される予定だ。
エリザベト音楽大学は、原爆で壊滅し焼け野原状態になった広島で、いち早く復興の息吹を上げた学校だ。
1947年ベルギー出身のエルネスト・ゴーセンス神父やドイツ人のフーベルト・チ―スリク神父らによって
「広島音楽学校」として、設立されたのが始まりとされ、今年で75周年となる。
世界では、昨年始まったロシアのウクライナへの侵攻、また今年始まったばかりのイスラエルとハマスの戦い等
一般国民にとって、悲しいニュースが続いている。
広島の原爆からの復興と同じように、全世界の国民が明るい笑顔で歌や音楽に親しめるようになるまで
わずかな力だが、我が家の女性達は、第九を頑張って欲しい。