FHD-ATV の IF(1.2GHz帯の場合)にも使われている ISDB-T波 を、
IC-9700の FFTスコープとウォーターフォールで見てみました。
しかし、一気に全体を見る事ができない為、下端・上端・センター を見て、
最後に CW と SSG の様子を映しました。
上記の2画面は「-80dBm の ISDB-T波」の両端を見た様子で、スペクトラム
から「受信している広帯域波が何か」を推測する事も出来そうです。
表示する帯域が10MHz程度まで広ければ良いのですが、IC-9700では 1MHz、
IC-R8600でも5MHzまでしか広げる事が出来ない為、5.7MHz帯域のISDB-T波
は全体が見えなくて困りますが、新たに発売される IC-905 では50MHzまで
広げられる様な話も聞きましたので、今後に期待したい所です。
またISDB-T波の場合、実入力-80dBm(約27dBμV Term)程度以上のレベル
でSTBに入力出来れば良いのですが、それはIF波なので IFアンプ利得の関係
もあり、実際にはあまり価値のない数値であり、レベルの増減・比較 程度
にしか使えません。
実際に映るレベルは「5.7GHz等のアンテナ出力レベル」を ダイレクトに
測定する事が重要となります。
(但し「信号品質の劣化」がほぼ無い場合だけですが!)
しかし皆簡単に運用現場で 5.7GHz等の受信アンテナ出力レベルまで測れる
とは限らないので(10.2GHzや24GHzの場合は特に)、その代用として
FHD-ATV交信を始める前に、F2AやFMで交信してビーム合わせをしながら、
その時の受信レベルを見ます。
-80dBmの信号は、IC-9700では こんな感じになります。(プリアンプOFF時)
しかしこの デジタル式Sメーターは、信号の微妙な増減が非常に判り辛く
やはりアナログ式リグの方がしっかり掴めます。
アナログメーターの IC-1275のSメーターで見ると FS となるだけで、
IFゲインを絞っても FS状態の連続 で、判断付かない場合が殆どですので、
更に IFレベルを どの程度減衰させた場合まで受信できるかを覚えておき、
そのレベルから映るかを推測します。
私の場合は「 IF 信号を約 80dB 減衰させて」IC-1275の受信で「M5 / S1~
S2 程度で受信できるレベル」を基準として、ISDB-Tが映るか、映らないか
の判断をしてから FHD-ATVに切り替えて来ていますが、今までだいたい
予想は合っていました。
なお、当方の IF 信号 の絞り方は
① リグの IFゲイン を最低まで絞り、約40dB落とします。
② 更に「同軸切り替え器(第一電波:CX-201N)」を使い、IFを一旦
切り離す事で、更に約 40dB程度落とし、合計約80dB落とします。
別の局は IF回路に100dBまでのステップATTを挿入している方もおられます。
この他原因の判らない問題も幾つかありましたが、概ね「映るか映らないか」
の予測が付く様にもなっています。
最近では6G程度までのポータブルスペアナも安くなっていますので、それを
運用現場で活用できます。