JA1OTPのブログ

アマチュア無線再開しました

発電機のメンテナンス

2018-04-09 19:00:00 | 発電機
昨日は11月に中古で購入して移動運用で使っている発電機(ホンダEU9i)のメンテナンスをしました。

作業内容はオイル交換とエアフィルターの清掃です。

まずはオイル交換から。

この発電機はドレン口が奥にあるため、説明書に書かれた方法で作業をするとオイルをこぼしてしまう可能性が高いです。

そこで、JE1LFXさんの方法を参考に、ペットボトルを使ってオイルを抜きましたが、差し込みが甘かったようで、オイルをこぼしてしまいました(^^;



コンクリートにはオイルの染みがついてしまいました(^^;

次回にはこぼさないように気を付けて作業をしなくては。

その後、オイルを口切りいっぱいまで入れてオイル交換は終了。



作業自体は15分程度で済みました。

ついでに抜いたオイルを見ると



発電機の稼働時間は30時間位でしたが、結構黒くなっていました。

新油と比較すると汚れ具合が良く分かります。

後はエアフィルターの清掃をしました。

まずはフィルターを灯油で洗浄します。
本来は洗い油を使うのですが、ない場合は灯油で大丈夫という事ですので、暖房用の残りの灯油を使いました。



写真のようにフィルターを灯油に浸けて軽くもみ洗いしました。



ほとんど汚れていないですね。黄色く見えるのは、フィルターに含ませていたエンジンオイルです。

灯油で洗浄後、フィルターに残っている灯油を取り除き、乾かしますます。

私は新聞紙に吸わせた後、キッチンペーパーですいとりました。

フィルターが乾いたら、エンジンオイルを含ませます。



オイルを含ませてよく絞り、発電機に装着しました。



エアフィルターのカバーをかけて作業終了です。



その後、ドライヤーをつないで5分間の動作テスト をしました。

ドライヤーは1000w位の消費電力がありますが、エコスロットルを入れた状態でスイッチを入れてもドロップせずに問題なく動作しました。

ホンダの発電機は900wをオーバーしても動くという話を聞いた事がありますが、どうやら本当のようです。

これなら、電気ポットやIHコンロなどもワット数を確認すれば安心して使えそうです。

次のメンテナンスはだいたい半年後に行えば良いのかな、と思っています。

これからは暖かくなりますので、野外で移動運用やコンテストに出る機会が増えますが、発電機を活用して、快適に運用したいですね。

インバーター発電機(eu9i)ノイズ対策 その2

2018-03-30 19:40:00 | 発電機
前回、ACラインフィルターを使ったノイズ対策をしましたが、7MHzでは良かったものの、1.9MHzや3.5MHzではノイズが取りきれず、そのまま運用するには厳しい状態ですので、対策の第2弾として以下のように見直しをしました。

・ACラインフィルターの見直し

1回目ではTDK社から出ているZAG2220というフィルターを使いましたが、ノーマルモードのノイズはかなり抑えてくれるものの、コモンモードノイズの減衰がいまいちでしたので、新たにRSHN2016というフィルターを購入しました。

以下に特性を比較してみます。




(減衰量)
1.9MHz ノーマルモード80dB コモンモード35dB
3.5MHz ノーマルモード75dB コモンモード35dB
7MHz  ノーマルモード70dB コモンモード35dB




(減衰量)
1.9MHz ノーマルモード85dB コモンモード90dB
3.5MHz ノーマルモード80dB コモンモード85dB
7MHz  ノーマルモード90dB コモンモード80dB

ノーマルモードは両方ともほぼ、同じレベルでノイズを抑制するようです。

強いて言えば、RSHN2016のほうが7MHzの減衰量が20dB程度多く、ノーマルモードのノイズの抑制という点では多少、差が出るかもしれません。

しかし、コモンモードノイズについては両者で大きな違いがあります。

ZAC2220は減衰量35dBであるのに対し、RSHN2016は80dB以上の減衰量があります。

特に、低い周波数の減衰量が大きく、ローバンドを運用する場合は明らかにノイズの量が違うのではないか、ということが数値から読み取れます。

※減衰量のデータは以下のURLにあるPDFファイルより引用しました。

http://www.tdk-lambda.co.jp/products/sps/catalog/jp/jtl_rshn.pdf

http://www.tdk-lambda.co.jp/products/sps/catalog/tdk/old/nf_old/zag-11s_j.pdf


・コモンモードフィルターを追加

大きめのクランプコアを使って作ったコモンモードフィルタをACラインフィルターの後ろに追加しました。

減衰量はフェライトコアを使ったものよりは少ないかもしれませんが、ACラインフィルターでは取りきれなかったノイズを除去できる可能性があるため、クランプコアを5個使って作ってみました。


第2弾のフィルターは以下のようになりました。





ホームセンターで購入したタッパーに入れてみました。

完全防水ではありませんが、雨天時等は発電機に傘をさせば問題はないでしょう。

発電機はアンテナから約10m程離した場所に置き、ノイズのテストをしてみました。



アンテナは7MHzフルサイズのダイポールと7MHzのホービルホイップ(HF40CL)の水平系と垂直系の2系統を準備しました。

リグはいつも移動運用で使っているアイコムのIC-706MKⅡGMを使いました。

普段運用することの多いHFローバンドを中心に、参考としてAMラジオ放送のデータもとってみました。

それでは、試験結果です。



1.9~7MHzまで各モードでノイズの影響は全くありませんでした。

低い周波数の減衰特性が優れているフィルターですので、思っていたよりもいい結果が出ました。

AM放送についてもかなりノイズを抑えてくれています。

954KHzのTBSラジオはホイップアンテナではノイズが取りきれず、放送の聴取が難しい状態でありましたが、アマチュアバンドにはほとんど影響がないことが幸いでした。

ただ、垂直系のアンテナのほうがノイズの影響を受けやすい傾向はありますので、釣竿アンテナ等を使う時には注意が必要かもしれないですね。

また、発電機をアンテナの直下において受信をしたところ、ノイズの状態は10m離した状態と変わりませんでした。

参考までに10~50MHzの受信もしましたが、ノイズは感じられず、HFローバンドからUHF帯まで使えるめどが立ちました。

今回の試験では、点火プラグから発生するイグニッションノイズが出る場合がありましたが、インバーターからのノイズは感じませんでした。

プラグコードのシールドをすれば多分、完璧な対策になると思うのですが、実用的には問題がなさそうですので、当面はこの状態で使ってみようと思います。

このノイズフィルターは、eu9i以外の発電機でもノイズの抑制が期待できると考えています。

今回私の試したみたACラインフィルターとコモンモードフィルターを使った方法はノイズの抑制効果はかなり高く、ノイズフィルターのオプションがないヤマハの発電機や他社のインバーター発電機を使う場合にも活用できると思います。

インバーター発電機のノイズでお困りの方がおられましたら、ぜひ「ACラインフィルターとコモンモードフィルター」を使ったノイズ対策をお試しください。

インバーター発電機(eu9i)ノイズ対策

2017-12-07 19:15:00 | 発電機
先月中古で購入した発電機(ホンダeu9i)を移動運用で使ったところ、144・430MHzでは問題はありませんでしたが、HF~50MHzはインバーターノイズがあることが判明しました。

製造番号を調べたところ、ノイズフィルターは未装着のようです。

特に7MHz帯においては、Sメーター読みで5つ以上振る状態で、そのままでは運用に支障がある状態です。

そこで、インバーターノイズを抑制するように対策をする事にしました。

今回はACラインフィルターを使った対策をしてみました。



写真のようにTDK製のACラインフィルター(ZAG2220)をタッパーに入れた状態で使いました。

このフィルターはノーマルモードとコモンモード両方に効果のあるフィルターです。



青いコードはアース線です。これはフィルターに付いているアース端子から引っ張っており、発電機のアース端子につなぎました。

試験風景は



アンテナから約10m離れたところに発電機を設置します。受信アンテナはモービルホイップを用いました。40mと6mの2本です。

それでは、対策前後のノイズの様子を見ていきましょう。

7MHz 対策前です。



Sメーター読みで6個分振れており、「ザー」というノイズが聞こえてきます。

この状態ではS9位振る強い局しか受信できません。

それでは、フィルター挿入後の7MHzの様子です。



ノイズでSメーターが振れなくなりました。ノイズはわずかに聞こえますが、交信にほとんど支障が無いくらいまで抑えられています。


続いて50MHz対策前です。



Sメーターで7つまで振っています。


それでは、対策後です。



対策前と変わらず7つまで振っています。
フィルターの効果がなかったのか?

別の検証をしてみました。

写真には残さなかったのですが、発電機を止め、電源を自動車のバッテリーから直接取りました。
もちろん、自動車のエンジンも切っています。

その状態でもSメーターは7つ振っており、ノイズの音色も発電機から電源を取った状態と変わりませんでした。

このことから、ノイズの原因は発電機のインバーターからではなく、外来ノイズの可能性が高いと言えるかもしれません。

垂直系のアンテナはノイズを拾いやすいということもありますので、水平系のアンテナを使って運用した場合の変化も見てみたいと思います。

そうすれば外来ノイズなのか、インバーターノイズなのか明確に分かると思います。

ちなみに、ラインフィルターは7MHzでは大分効果がありましたが、3.5MHzや1.9MHzではノイズが取り切れませんでした。

また、AMラジオ放送を受信してみたところ、ノイズの中から放送が聞こえてくるような状態でした。

自動車のバッテリーから電源供給した場合は全くノイズがありませんので、発電機からのノイズであることは間違いありません。

また、ラインフィルターからのアースを発電機から外したところ、AM放送はノイズで全く聞こえなくなってしまいました。

ラインフィルターから引いたアース線はコモンモードノイズをノイズ源に返す役割をしているようで、低い周波数ほどアースの効果が大きいようです。

1.9MHzや3.5MHzバンドではまだノイズがありますので、現段階ではノイズ対策が完全ではないようです。

手元に大きめのパッチンコアがいくつかありますので、今度は即席のコモンモードフィルタを追加してその結果を見てみようと思います。

追記 メーカーのサービスに問い合わせたところ、発電機のパネルに付いているアース端子は筐体につながっていないとの回答を得ました。つまり、パネルについているアース端子につないでも筐体アースにはならないということになるようです。しかしながら、この端子に接続したところ、コモンモードノイズは減少しましたので、一定の効果はあるものと思われます。
今後、機会が有れば筐体アースに接続した状態と比較・検証してみようと思います。