新・JANI-OHBLOG

日々の事々
模型・プラモデルの話。あとたまには観た映画の話題も

オレの本棚(第2冊)

2008-10-19 22:30:41 | 読書
クリムゾン・リバー
ジャン=クリストフ・グランジェ著
創元推理文庫

本作品は、小説よりジャン・レノ主演の映画で知られている作品でしょう。
映画は未見なのですが、以前から話の筋が気になっていて小説を購入したの
ですが、ずっと読まずに本棚の奥に埋もれていたのを最近になって取り出して
読んでみたのですがこれが面白かった!久々に寝る間を惜しんで読破しました。
もちろん本小説は映画の脚本のノベライズのような安易なものではなくて
骨太の本格サスペンスです。
ところで、フランスのサスペンス小説はルパンもの位しか読んだことは無かった
のですが、英語読みではない特徴的な人物の名前に少し戸惑う程度でした。

山間の大学周辺で起きる連続猟奇殺人事件とそこから離れた小さな村で起きた
墓荒しがやがて重大な意味を持って、繋がっていく・・・。これらの事件に
対してベテランの警視正と若いアラブ人の警部の二人が捜査を繰り広げるの
ですが、二人の別々の行動がやがて一つになり事件の真相を明らかにしていく
という筋書き。
それ故、片方の捜査が展開していって引っ張られて読み進めていくうちに実に
いい所でもう一人に話が切り替わってしまうので、先が気になってまた読み進
めるうちにまたそちらの筋が気になって・・・、気が付くとすっかり作者の術中に
嵌ってしまっている訳です。

もう一つ、この作品が自分にあっていると感じたのは、この作品の持つ独特の
雰囲気が、日本における横溝正史的雰囲気をも醸し出しているようなのです。
成る程、都会から離れた寒村の地元民とのやり取りから20数年前の出来事が、
事件に深い意味を持ってくるなど、多分に横溝作品に近いものを感じるのです。
「我らは緋色の川を制す」という意味ありげなメッセージも、やはり味付けが
金田一もののようじゃないかな?

今度は映画の方も観てみようかな、と。
コメント
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