※本映画のネタバレを含みますので、閲覧にはご注意下さい。
どうもです。
去年末に午前十時の映画祭12より、空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版を観てきました。
この映画は日本初のカラー怪獣映画として知られていますが、これまでのソフト化においてはオリジナルネガの劣化によってあまり鮮明ではない絵でしか視聴できませんでした。
今回デジタルリマスターの作業について3原色の特別な素材を加えた事によって今迄に果たせなかった鮮やかな色彩を再現しています。
デジタルリマスターで再現されたカラーの鮮明さ、特に鮮やかな空の青がちょっと驚くほどで、これは凄いと感動でした。
さて、初代ゴジラから数えて3作目になるラドンは、まだまだ初期の怪獣映画と言う事でシナリオはいたってシリアス寄りです。
物語前半は炭鉱を舞台に巨大ヤゴ怪獣メガヌロンの襲撃による事件が描かれるのですが、完全にホラー映画のノリで炭鉱夫や警官が容赦なく犠牲となり、その描写も結構生々しいものになっています。また、初代ラドンは目つきも鋭く高速で飛ぶだけでソニックブーム(劇中でもそう言います)が発生し、建造物が破壊され次々と被害が拡大していきます。そこでも人的被害がはっきり分かる演出で、1950年代の怪獣映画は一種の災害映画としての側面があったのだろうと想像されます。
ラストでは阿蘇の火口に墜落して炎上したラドンがいつまでも動いていて実に痛々しい最期であります。尤も後のハリウッド映画キングオブザモンスターズでは、ラドンは火口から出現して炎を纏って飛び立つ演出となっており、この初代映画のラストを意識して引き継いだのだなあ、と改めて感じたりして。