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地方政治、および日本政治

2011-02-24 | news column

住民投票で阿久根市議会のリコール成立 あなたはこの結果にどのような感想を持ちますか?




この記事についての意見:




前市長退陣ののち、前市長派による運動が市役所入口のロビーで毎日のように展開され、
僅差での当選であったこともあり、新市長としては非常にやりづらい市政運営のはじまりだったという報道も耳にしましたが、
やはりあいかわらず混乱のなかにあるのだな、という点が一番の印象です。
母体数が決して多くはない阿久根市の場合、少々のさじ加減でどちらに優勢かが決まる、
それは小さな意見をすくいやすい一方、混乱を招きやすい。
より市民の良識が問われるところです。

たしかに議会の機能不全は数々の地方議会において指摘されることであり、中央においてもそれは当てはまることでしょう。
そのなかで議員報酬が不透明に高額、
なにをやっているのかも分からないのに、高額だけもらっている、その一方で自分たちの生活は苦しいのに…
そうした不満にうまく火をつけ、支持を集めたのが前市長でした。
機能しない議会、働かない議員への批判はなされて当然です。
しかし、議員報酬というわかりやすい指標のみを売りに、自身の政策に反対する人物はみな既得権益者であり市民の敵、
それを追い払えば生活は変わる、すべて良くなる、といった主張はあまりに短絡的かつ一面的、
それで本当に住民生活が向上するとは言い切れないと思います。

自身の意見をなにがなんでも通すために、議会を活性化させない、機能させない方向に動くのは、やはり健全とはいえず、
議会民主主義とはまったく言えません。
議会は=敵ではない、排除すべきものではない、と思います。

リコールが議会が議論しようとしていないから支持されたのであれば評価すべきですが、
分かりやすい二項対立、劇場型政治における悪役レッテルによって支持されたものであれば、問題です。

議会においてなにが議論されているかは見えにくく、今後それを適宜発信していく力は議員にも必要とされると思いますが、
真に活性化された議会とは、民主主義とは、存在意義のある議会とは何なのか、
報酬という分かりやすい指標のみで判断せず、その内容を小そ問い直すべきだと思います。

その内容に力を注ぐために、そしてそれによって住民の生活を支え、向上させていくためにも、
こうした混乱に終始させているのは不毛であり、いち早く事態を収拾させ、
地域課題に多様なる“議論を通じて”取り組むべきだと思います。
そのことこそ住民が必要としていることなのだという声を届ける方法として、市民は何をすべきか、
ぜひ自身に問うてほしいと思います。

日本における政治が、あらゆる点でこうした劇場化、キャラ対立化、議論内容の希薄化といった問題点を抱え、
腰を据えて問題に取り組むことのできない事態に陥っているようにも思えます。
阿久根市だけでなく、いま日本全体で問い直すべきですね。



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