半弦の月がネオンの光に負けずくっきりと現れる。
ムスメを迎えに来て待つこと45分…
随分と気が長くなったのか、歳を取って時間の流れに乗れていないのか?
私の前を通り過ぎる雛たちは友人の前で見せるおませで少し生意気な態度から、親を見つけて素直で少し反抗的な子供へと変化する。
そんな事とは知らぬ仲間の親バカ達は笑顔で迎えたり、ある者は遅すぎると小言を云いながら次々とその目的を果たして去って行く…
「お疲れさん!頑張ったね」と迎えてやるのか「遅いやないか!!何しよったんか?」と迎えるのか
たっぷりと時間をかけてそのシチュエーションを描く。
しかしやがて「其れにしても遅い…遅すぎる」という思いが自分の中に芽生えてくる。 既に日が落ちたグランドには人の姿は無い。
人は歳を取ると処理スピードが遅くなり、若かったころに比べて行動に時間がかかる。やがて自分の中で年々時が経つのが早く感じるようになるという。
瞬間湯沸かし器と呼ばれた激情派も外見上は温厚なシルバーになれるんだ…でも本当は鈍ってるだけなんだけど
よもやと思いながら家に帰ってみれば、既にシャワーを浴びて気持ちよさそうに扇風機を独占していた。
親が来ないと言っていつまでも待ち続けるのか、さっさと友達と下校するのとどっちがいいのか、正しいのか?怒る気も失せてしまった。
まぁ何にしても子離れできない親と親離れしつつある娘のパラレルライフの時間は違う。
拝