短い二月がおわり、高梨さんの最長不倒距離の大ジャンプの逆転優勝をニュースで見て、いよいよ年度末に入る。
一般の仕事でも勿論、年度末は忙しいが、それ以上にある業界はタイトだ。役所仕事は民間のように上期、下期といった概念がほとんど無い。年度予算で全てが動くので、年度末には全てが集中する。新年度予算はまだ国会を通過していないはずで、下手をするとずれ込むことになるから、あらたな年度の仕事はまたゆっくり発注されることになる。この遅れが、また全ての仕事に影響を与え、年度末の期限の制約のために、工程が余計にタイトとなってしまう。もうこれは、明治政府から変わりはしないから、ぼやいても仕方ない。米国のように年度予算の成立が遅れれば、職員の給与の支出が遅れるとしたらどうだろうか。職員も生活がかかっているから百歩譲って、国会議員の給与を停止すればいい。
そして、国会も休みなしで働けばいい。予算審議を見ていても、パフォーマンスばかりで、寝ている議員もいる。TV局もアップで、字幕を入れて撮影すればいい。民間企業なら皆クビになる。
発注手続きも、(一部の悪人の仕業なのに)不正があるといって、この十年来変化してきた。プロポーザルや総合評価といった発注システムになった。これは、お役所の職員が責任を絶対に取らない、取る必要がないような制度になっている。このシステムのために時間はかかり、これも工程がタイトになる要因だということがわからないのか。そして、職員の数が減り(民間企業ならもっと合理化されている)、事務手続きが多くなったといったり、一人が処理できる能力をはるかに超えるという理由で、物件数を少なくし、何でもかんでも一つに物件に仕様を追加する。
こうなると、どうゆう現象が起きるかは容易に想像できる(これも頭を使えばいいことだ)。総合力を持った大企業に優位となり、専門的優秀な技術力を持った小さな企業は、参加することさえできないことになり、かつ実績を条件に付けられるから悪循環となる。門前払の中小企業は、結局下請けに移行することになるが、再委託制限があって適正な報酬と仕事量はリンクしない。
昔先輩がよく言ったものだ「型枠も組まず、コンクリートが打てるか」ということ。頭を使う人間だけでは社会は回らない。方針を決める、段取りをする、準備する、手を動かす、そして維持する人たちがいて初めて成り立つ。
しかし、こんな思いを毎年感じながらも人生の大半を過ごしてきた者にとっては、諦めしかない。いつかは、このシステムは崩壊するだろうが、今の野党では無理極まりない。まだ少しはマシな今の政権に戻って仕事は回り始めた。もっと、「準備する、手を動かす人」のことを考えて欲しいと思う次第。
発注を前倒しするといった、オイルショックの頃を思い出す。走りながら考えようとは言わないが、まずは中小の企業が仕事を平均的に受注でき、銀行の凝り固まった横並び融資を打破して、コンクリートを打設しよう。「コンクリートから人ではない」、「汗をかく人間を大切にしよう」がスローガンになることを願う。「生活が一番」なんて訳のわからないグループではなく、「汗をかく人たちを大切にする」口先だけでない人たちが議員になって欲しい。