昨秋に『再開局』した知人が『e-ラーニングで2アマを取るのってどう?』と聞いてきました。私は『せっかく、春に3アマを取ったと聞いたのだけど、その後の運用の内容は?。アドバイスしたとおり、アワードはいくつ受賞したの?』と切り返しました。結果は『やみくもな運用でDXCCも30ほど。JARLのアワードも1枚もなし』でした。これではせっかく再開局したものの『評価に値せんわ』と、一蹴しました。
【写真:趣味だからと『資格で「高下駄を履く」』のは好きではありません】
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◆まず、3アマの運用を3年間しっかりやれ。
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第二級の過去問を見せて『こんな数式、実務(運用)では使わんやろ?』。
資格試験というものは、おしなべて『知っているか知っていないか』を問い、
おおかたが『マークシート』で判定しています。
アマチュア無線のe-ラーニングの修了試験の仕方は、知りません。
大事なことは『資格試験で、運用の実務は出てこない』ということです。
e-ラーニングはJARDが扱っていますが、
これとて『ユーキャン』みたいなもので、
資格取得の教材を売って、合格者を増やすのが仕事の会社(一社)です。
要するに『アマチュア無線の資格に特化した通信教育組織』です。
45,550円×200人=9,110,000円/回が、1回あたりのJARDの売上です。
別にJARDに恨みもないですし、営業妨害する気もありません。
しかし、資格資格と『資格偏重』というのは、好きじゃないのです。
多くの場合『10・14MHzと最大200W』というメリットばかり見ていますね。
しかし、10・14MHzに出ようと思えば、アンテナを新調したり、
200Wの出力を得ようとしたら、200W機かリニアを購入する羽目に。
運用の中身が伴わないのに、場合によれば『無駄な出費』にもなります。
これが『再就職のための資格』だったとしたら、
60歳くらいで資格は持っているが『実務経験ほとんどなし』な人を、
会社が『ぜひわが社に来てください』とはなりませんね。
雇ったとしても『資格の勉強しかしていない人』ですから、
実務を教えないといけません。
数年でいなくなる高齢者に『教育コスト』をかけられますか?。
資格を持っているだけで実務経験のない人より、
資格不要でも補助者でも『実務経験のある人』の方が人気があります。
資格試験があるというのは『それなりの内容』です。
そこそこ難易度が高いFP(フィナンシャル・プランナー)の求人って見ないです。
要は『FP資格だけでは仕事にならない』のです。
▲FPの6分野
不動産や保険、資産運用などのアドバイスができる『本業』ありきで、
そこに『付加価値』をつけるのが『FP資格』というもので、
FP単体で仕事が受任できたり、求人が出ているわけではないのですね。
それゆえに『資格の勉強だけでは使い物にならないからこそ実務経験』なのです。
アマチュア無線業界は、残念ながら資格取得しか教育システムがありません。
e-ラーニングの2アマの場合、勉強期間中に20%が脱落します。
つまり40人が『金ドブで去っていく』のですね。
残った160人の合格率は97%程度ですから、
修了試験を受けられる域に到達した人は155人が受かる、という計算です。
e-ラーニングで年間600人程度が『2アマに昇格』勘定です。
しかし、実際にDXを狙った運用を継続的にする人は『20%程度』です。
これは、何級に限らず『アクティブ局は20%』です。
現在、アマチュア局の総数は365,000局です。
実際のアクティブ局は20%の73,000局です。
そのうちの90%がJARL会員で、65,000局くらいです。
残りのJARL非会員は、JARL以外のCfmで楽しめている、ということでしょう。
知人には『できれば3年、辛抱しなさい』と伝えました。
もっとも『パイオニア精神』や『向上心』を『削ぐ』ことになります。
しかし、人には『それぞれの適性』があります。
本当に適性があるのかどうかを『実務経験で測る』のも大事な要素です。
適性がなければ長続きしませんし、焦って資格取得した分が金ドブかも。
e-ラーニングで2アマを取って、60万円のRIGと40万円のANTを揃えながら、
大して運用もせず、200Wの免許状を額に入れて飾っているだけの局を、
私は、何人も見てきましたし、
そういう人は『ほぼ7年で終わる』のが現実です。
知人が、3年辛抱して実務経験を積むのかは、わかりません。
彼の仕事を考慮すれば『10月期生』で勉強を始めたとしても、
年末年始の繁忙期が待っています。
『繁忙期を避けて、どうしてもというなら春以後にしなさい』と。
3か月から6か月くらい辛抱して、
繁忙期の隙間に『運用実績を積む』方が、
私は、冬場のコンディション把握や、
アワードのスコアが伸ばせますし、
冬場の運用実績が積めると判断しました。
アマチュア無線は夏場のハイバンドだけではありません。
FT8で1.9MHz、3.5MHz、7MHzもきちんと運用できる環境が整いました。
冬場のDXは伸びないかもしれませんが、
冬場のローバンド運用では、私が受賞できた『AJA』のスコアが伸ばせます。
出した課題は『AJA-1000』『WASA-HF』『ADXA-Half』『WAC』『DXCC-100』です。
この5種のアワードは『3アマ運用』でも十分に受賞できるものです。
仕事であれば、履歴書のほかに『職務経歴書』が必要な場合があります。
アマチュア無線は趣味ですから『~ねばならない』は、ありません。
しかし、せっかく再開局したのですから『長く続けてほしい』のです。
仕事の職務経歴書に代わる作品?が『アワード』と位置付ければどうでしょう。
作品と書きましたが『生きた証』とでもいえばわかりやすいでしょうか。
周囲の2アマが煽ってくるのは、どうかな・・・と疑問に感じました。
趣味ですから『趣を味わう余裕』も必要です。
矢継ぎ早に進めても『飽きるリーチ』が早くなるだけです。
できるだけ『リーチを先延ばし』にした方が、長続きします。
要は『苦労しなさい』なのです。
カネの力が強い昨今ですが、小手先やラクな運用を覚えると、
ロクなことがありません。
高下駄を履いた資格、見せびらかしの200W機は『見せ金』みたいなもんです。
丁稚がいきなり『番頭』や『旦那さん』になれるか・・・、ということなのです。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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