当ブログのブックマークに長い間リンクを貼っていた松下俊彦先生のブログ「麗しの磐梯」を久しぶりに見てみました。(現在はブックマークにはありません)
一昨年の11月からブログが更新されていないので、何かあったのかなと胸騒ぎがしました。コメント欄を読んで昨年12月に76歳で亡くなられたことを知りました。やはり・・・・。
実は、松下先生とは40年以上前に同じ職場で机を並べて仕事をした間柄でした。当時カリキョラムに「必修クラブ」という時間があり、松下先生と一緒に「自然観察クラブ」を数年間担当しました。
自然観察クラブの内容は毎週、鶴ヶ城に行き、お城の中に自生する植物を観察しスケッチするというものです。生徒たちとお城の中をぶらぶらしながら様々な植物を観察して楽しみました。松下先生は、工業化学が専門でしたが、植物や昆虫に造詣が深く、様々なことを教えていただきました。
「ほら、これが在来種のオドリコソウですよ。でも、最近は外来種のヒメオドリコソウがはびこってきましたね。」と説明を受け、お城の中は、あんなにも観光客が多いのに昔からの自然が保全されている場所があることを知ったりしました。
それから月日が流れ平成14年(2004年)に偶然に松下先生の息子さんと職場が同じになりました。その時に息子がお世話になりますというあいさつ文を添えて先生が出版されたエッセイ集「麗しの磐梯」をいただきました。
表紙のカバーを広げるとスケッチの全景を見ることができます。
エッセイも美文なのですが、こういったスケッチもたいへん上手に描かれました。
このエッセイ集は、地元の新聞社などに投稿して採用されたものをまとめたもので、エッセイとスケッチで200ページを越えます。
内容は、生活・文化・自然・教育・文芸・環境など多方面に渡り、感性豊かに上質な文章で書かれています。
ブログにもエッセイ集にも多くの植物・昆虫(蝶が多いかな)が登場します。植物・昆虫の観察は先生の趣味でもあり、ライフワークでもあったと思います。ぜひ、ブログを見ていただきたいと思います。
大きな病気をされながらも、畏敬の念をもって真摯に自然を観察されてきた先生もついに力尽きてしまったのかと思うと残念な気持ちでいっぱいです。先生のご冥福をお祈りします。ありがとうございました。