高校生のころ(1967年ころ)JAZZが好きになってしばらくはラジオで聞いていました。
JAZZをレコードを聞くにはステレオが必要ですが、当時は高価で、とても買えませんでした。
大学に入ってアルバイトなどでお金を貯めてステレオを作りました。レコードプレーヤーは、パイオニアの初級品、スピーカーはサンスイのSP-50(SP-100が欲しかったのですが・・)を買い、アンプは自作しました。
当時の私のオーディオの教科書は、雑誌「無線と実験」です。毎月雑誌を買って、製作記事やオーディオ製品の視聴記事を見て参考にしました。「無線と実験(MJ)」は現在も発行されていますね。
最初に作ったオーディオアンプは、いずれも真空管式でプリアンプは12AX7を使ったシンプルなもの、メインアンプは、比較的安価な6BM8(3極管と5極管の複合管)シングルアンプでした。1970年当時は、トランジスタアンプは、音質が固く、オーディオアンプといえば真空管式が常識でした。
自作のステレオが完成し、初めてレコードをかけて音が出たときは感激したものです。それからは少しずつ部品を交換したり、回路を変更したりして、自分の気に入る音に調整していきました。
当時JAZZのレコードは2000円から3000円の値段でした。大卒の初任給が3万、4万の時代ですので、たくさんは買うことがきませんでしたので、まずJAZZレコードの視聴盤として有名だったオスカー・ピーターソン・トリオのWE GET REQUESTS(Verveの輸入盤)を購入し、擦り切れるほどテストで聞きました。
このアルバムのパーソネルは、オスカー・ピーターソン(ピアノ)、レイ・ブラウン(ベース)、エド・シグペン(ドラムス)で、ピアノの中音域、ドラム、ベースの低音域、シンバルとブラシの高音域のバランスが良く、オーディオの視聴用として定番でした。
6BM8ステレオアンプは、素直な音質でしたが、やはりJAZZを聞くにはパワー不足を感じました。そこで、もう少しグレードアップしたシステムを作ることにしました。
プリアンプは、12AX7直結アンプを採用しました。メインアンプは、3極管6GA4プッシュプルとして、ドライブ12AX7のリークムラード型、出力トランスはTangoを使いました。
カードリッジは、定評があったSURE のV15TypeⅢと取り換えました。果たして出てきた音は3極管の透明感があり、また音にキレがあり、なかなか良い音でした。出力はせいぜい10W程度でしたが、6畳間でJAZZを聞くには十分でした。
その後は、JAZZのレコードを少しずつ増やしながらJAZZを楽しむ日が続くことになりました。
残念ながら、これらのアンプは手元にありません。今や真空管アンプがリバイバルしている時代です。今これらのアンプが残っていたら貴重なものになったと思います。
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