じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

本場結城紬のラベルのお話。文化遺産になったので、ね。

2010-11-18 16:21:19 | 紬の着物
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 16日、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)が
 無形文化遺産の代表一覧リストに、
 沖縄県の伝統歌舞劇「組踊(くみおどり)」と
 茨城県などに伝わる織物「結城紬」を記載する事に決めました。
 染織では 他に越後上布がリストに入っています。


 「本場結城紬」は地域ブランドとして登録されています
 結城紬には大島紬以上に多くの○○結城が存在していて
 ラベルもわざと似せて作られているので
 慣れないと区別は難しい状況です。

 今回の無形文化遺産になったことで
 この1,2年で 生産量が半減ちかく減ってしまった
 結城紬が盛り返すのなら嬉しいのですが
 便乗で 本物でない結城紬が
 市場に出回るかもしれません。
 なんでもかんでも真綿の紬を「結城」と称してるのが
 ありますから・・・
 全国の商店街にあるナントカ銀座みたい。
 ちゃんと作ったものならば 結城を名乗らなくても
 堂々と別名で売ればいいのに・・・・

 以前、うちの店に来られた
 ナショナルチェーンの呉服店に勤めてる方は
 「うちでは本物の結城紬は触ったことありません・・・」と
 言ってらしたのですが
 年間、高機、帯も入れて2500反程度の
 生産状況では 山積みの結城が存在する訳もありません。 

 
 先日お話した 本場大島紬のラベルには
 大島紬には鹿児島と奄美の産地区別がありましたが
 結城紬は旧結城藩の地域(結城市内とは異なる)
 で織られたものだけで産地の他に
 1.糸は全て真綿より手紡ぎされたもの
 2.模様(絣)をつける場合は手括りによるもの
 3.地機で織られたもの
 という条件があります。
 この条件を満たし 検査に合格すると
 「本場結城紬 地機」というラベルが付きます。

 
 まず、確認して頂きたいのは
 桑の葉に囲まれた赤い「結」の文字です。
 ここが「紬」になっているものが多く見られます。
 3つの条件をかなえてない、ということです。
 そして 横長の「真綿を手紡ぎしている婦人」の絵。
  これが 「糸車を回している婦人」の場合も本場結城紬ではありません。
 うちには 糸車マークの「自称」結城紬はないので
 ここで並べられないのが残念??ですが。

 

 
 この緑のマークにも 真綿を手紡ぎする婦人。
 糸車を回して糸を取るのではありません。
 

 マークではありませんが
 反物の織り始めが輪になっているのは
 地機で織っているからです。
 越後上布などの地機の織物は
 輪になっていることが多いです
 (輪になっていなければ地機ではない、という事ではありません。)

     

   織り端が輪になっているのが分かりますか?
   その下の白いのは真綿。
   この真綿の中に 
   糸を引いた人、絣をくくった人、織った人の名前などが
   書かれた和紙が巻き込まれています。
   本物だけが持つ 責任感の表れです。  

  

 平成17年以前にはラベルに重要無形文化財、という文字が
 ありましたが 現在の証紙には入っていません。
 それは文化庁の指定要項が変って
 先の3つの条件全ての工程を
 「財団法人重要無形文化財結城紬保存会」
 の会員が行わなければならない、とされたためです。
 実際には何十年も本場結城紬を作り続けていても
 会員になっていない人が多く
 3つの全ての工程を会員だけで行うことが困難なため
 本場結城紬検査協同組合が新しいラベルを発行しました。
 本場結城紬検査協同組合の検査の厳しさは日本一といわれ
 糸質や色の堅牢度、絣のズレなど20にも及ぶ検査を経て
 合格したものにのみラベルが与えられるのです。

 無地や縞・格子に限り高機でも「本場結城紬」の名称が
 許されますが その場合はラベル内に高機と明記され
 区別されます。
 この証紙には必ず 割り印が捺されます。
 貼り換え防止のためです。

 

 

 内容の伴わなかった重要無形文化財の証紙については
 ネット上でもいろいろ取りざたされましたが
 保存会員でなくても何十年にも渡り
 糸を紡ぎ、絣を括り、地機で織ってきた人たちが
 心を込めて織られたものには変わりなく
 本場結城紬として大切なのは「重要無形文化財」の文字ではなく
 その工程での温もりの確かさだと思うのです。
 

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