「熊谷草」と書きます。
個性的な花型を、「平家物語」の登場人物、
源氏の武将「くまがいなおざね(熊谷直実)」が背負っていた
「ほろ(母衣=矢よけの布製の袋)」に
見立ててつけられた名前。
今日の花「クマガイソウ」。 花言葉 「見掛け倒し」
題字 『観世音」
ラン科。多年草。
日本・中国・台湾など東アジアに自生します。
高さは、20~40センチ。
杉林や竹林の下草として、半日陰の斜面を好んで群生します。
花期は、4~5月。
20~30センチもある大きな一対の扇形の葉の上に、
花茎をのばし、1株に1個の花をつけるのですが、
8~10センチもある大きなもの。
日本の自生ランの中では、最大の花ということです。
当然「マニア垂涎の山野草」、なのですが・・・・
森林伐採による生育地の減少、
園芸用の採取(!)により数が減っていて、
環境省の「レッドデータブック」
絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に
分類されています。
もともと繁殖力が弱い上に、
生育する環境をかなり選ぶようなのですね。
特殊な細菌「蘭菌(らんきん)」のある土壌でないとダメみたい。
(だーかーらー、山野草は移動させてもムダなんですよね~)
さて、「俗名」は、
「おおぶくろばな(大袋花)」「ほていそう(布袋草)」など。
ふくらんだ唇弁を、布袋さんのお腹にたとえたもの。
また、地方によっては、
「キンタ○バナ」とか「キツネノキン○マ」とも(*^^*)
あははははっ・・・・!
「オオイヌノフグリ」と同じコンセプトですね。
「熊谷直実」という武将は、
平家物語の重要キャラクターの一人として、
歌舞伎にも採り上げられています。
息子と同い年の青年武士「平敦盛」を討ち誉れをあげましたが、
そのことを悔いて、後に出家します。
なお「平敦盛」の母衣から名づけられた
「アツモリソウ」という花もありますので、
「花言葉事典」をご覧になってみてくださいね。
花言葉「みかけだおし」とは、
剛腕ながらも優しさを持った人物とされている熊谷直実を、
親しみを込めてたとえたものとも、言えましょうか。