俳画 今日の花「キショウブ」 花言葉「幸せつかむ」
題字 「祥雲

題字 「祥雲

アヤメ科。多年草。
ヨーロッパから中近東が原産地。
北アメリカにも分布がみられるようです。
日本には、明治30年ごろに渡来したとされます。
(By 牧野富太郎博士)
とても丈夫で、現在は野生化し、
湿地や池の端など、あちこちで見られるようです。
草丈は、60~100センチ。
花期は、5月はじめごろ。
地域にもよりますが、端午の節句前後に咲き始めるようです。
葉の中央に通っている「葉脈(センターライン)」が、
はっきりしているのが特徴。
アヤメやショウブの仲間は、
「水の中で咲く」というイメージがありますが、
この花は水辺からは一歩引いて、
水際ながらも少し乾燥した場所で群生しているものが見られます。
「水を、水際で阻止」・・・てな感じでしょうか。
3枚の花弁が垂れ下がるところから「三位一体」の象徴とされ、
フランス王家の紋章のモチーフになっています。
また、ルネサンス時代の
「初期ネーデルランド(オランダ)絵画」には、
「聖母の花」として、
ユリに代わって多く描かれているようです。
ヨーロッパでは、かなりなじみ深い花なんですね。
日本では・・・、
その旺盛な繁殖力が災いして、
在来種を駆逐してしまうおそれがあるとして、
環境省の外来生物法が定めるところの
「要注意 外来生物リスト」に加えられているんです。
アヤメやショウブ類の在来種には、
数が減っていて、保護の必要が検討されている種があり、
それらの存在をおびやかす可能性がある、ということです。
「在来種」と「外来種」の問題は、
動植物あわせて、なかなか難しいものがあるようです。
「幸せをつかむ」ことは多いに望みたいですが、
一度つかんだら(栽培をはじめたら)、
離すことには(野生化させるのは)慎重に
なった方がよさそうですね。