題字 『忘却」
キク科。多年草。
日本が原産。
本州から四国、九州にかけて幅広く自生します。
江戸時代から改良が加えられてきました。
草丈は、25~50センチほど。
20センチ足らずの、鉢物用もあります。
花期は、4~5月にかけて。
2~4センチほどの花を咲かせます。
花色は、「アスター」にも似たラインナップで、
紫の濃淡、青紫、白、ピンクなど。
赤紫や紅色もあります。
半日陰を好み、挿し芽でも比較的簡単に
増やすことができます。
この花の伝説とは、
今をさかのぼること800年近く昔、鎌倉時代・・・
「承久の乱(じょうきゅうのらん・1221年)」に失敗し、
佐渡に島流しの身となった、順徳天皇(84代天皇)。
遙かな都を思って失意の日々を送っていたのですが、
ある日、御所の庭の片隅に、1輪の白菊をみつけました。
天皇は
「この花を見ていると心が落ち着いて、しばし都のことを
忘れられる」
・・・と告げたのでした。
それ以来、いつしかその花は
「ミヤコワスレ」と呼ばれるようになったということです。
この故事には、「白い花」として登場しており、
その後、品種改良が加えられて、
いろいろな色がつくりだされたことがうかがえます。
花言葉も、故事にちなんだもの。
歌人としても才能を発揮された順徳天皇は、
なんと22年間も「左遷」されていたのです。
どんなにか、お辛い日々であったことでしょう。
結局、その地で亡くなることに。
しかし、現代に生きる私たちには「明日があります」。
この花を見て「しばし憩ったら」、
又いっちょ(一丁)、がんばりましょう。