ご近所のお家のお庭に咲いていたコデマリです。これは先月の写真で、今はもう花は終わっているのですが、美しいですね。愛が流れてきて、抱きしめてくれそうだ。
この花が咲いていたお家は、少々暗い雰囲気で、見上げると紫色の蛸の幽霊でも住んでいそうな感じがするのですが、花だけは清らかに美しい。
そのお家の中で、どんな人間の暮らしがあるのかはなんとなく想像がつきますが、庭の花は、人間の苦悩を薄めるために、ひそやかな活動をしています。小さな苦しみを、泡のようにぱちんとはじいて、消したりすることがあるのです。
たとえば、ちょっとしたことがきっかけで家族でケンカをしそうになったとき、ふとしたことに気をとられて、ふたりともなんで怒っていたのか忘れてしまって、ケンカが消えてしまったり、そんなことがあるのです。
それは、花が助けてくれているのですよ。誰も知らないことですが。
小さなことが、大きな悲しみにならないように、花はいつも、気をつけてくれているのです。
