Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

体のカタさと喜びの幅

2010-05-14 00:39:56 | 日記
こんにちは。
今日もイスラエルは快晴です。
一年のうち4月から半年以上に渡って「乾季」となるこの季節、この国で雨が降ることはめったにありません。
朝夕は霞みますが、日中は抜けるような青空が一面に広がっています。

今日は午前中に、ハトが巣作りをしている場面に出くわしました。葉っぱの付いた小枝をくわえて、我が家の植木をじーっと見つめているその姿は、イラストなどでよく見かける「平和の象徴」のようです。

イスラエルは、ちょうどヨーロッパ大陸とアフリカ大陸とが陸続きになっている部分に位置するので、季節の変わり目にはたくさんの渡り鳥たちの通り道になっています。彼らが時々、我が家の庭先にも飛んできて、可愛らしい声でさえずっている時には、音楽を消して耳を傾けてみたりしています。



さて、今日は体がカタイ人に、ちょっと元気の出るお話を。

ヨガに興味を持っているけれど躊躇している人の中に「体がカタイから」という理由を挙げる人は少なくありません。
その気持ち、よ~く分かります。なぜなら、私もその一人だったからです。

昨今のヨガブームで、あちらこちらの雑誌で特集が組まれたり、ヨガ関連の書籍なども数多く出版されていて、たいていそこには体のしなやかなモデルさんが美しくポーズを決めている写真が載せてあります。
それを見て「素敵だなぁ~」と思うと同時に、私たちは「体がカタイ自分には無理」という意識を知らず知らずのうちに抱いてしまう傾向があるようです。

ヨガを始めるにあたって、「私は体がカタイけど大丈夫?」という心配は無用です。
むしろ、「だからこそヨガを始めてみてください。」と私は言いたいくらいです。

私はヨガに出会って数年。始めたばかりの当初は、張り切ってはサボり、また張り切ってはサボりというのを繰り返し、そのたびに筋肉痛に見舞われるので、この体に柔軟性が備わってきていることになかなか気付くことができませんでした。

と、ある時、ヨガのクラスで顔なじみになった女性に「週に1回しかクラスに来ないなんて、なんかもったいないね。」というようなことを言われたことがあります。
「もっといろんなクラスに出てみれば?」と続ける彼女に、私は「あ、でも体カタイし…。」と答えたような気がします。
そんな私を、その女性は「定期的に通えば、徐々に体も柔らかくなってくるものよ」と励ましてくれたのでした。
それからです。私が恐る恐るながらも、他のクラスにも参加してみるようになったのは。

体がカタくて運動も苦手なので、あまり運動量のないリラックス系のヨガ以外は自分には向いてないと頑なに思いこんでいましたが、ところがどっこい、それが大間違い。カタイのは体だけじゃなくて、どうやら頭も同じだったようです。
意外にも私は、数あるヨガの中でも最もダイナミックとされている「アシュタンガヨガ」というものに魅了されてしまったのでした。

とは言え、初めてクラスに参加した時には、あまりのハードさに体がついていかず、途中で泣き出してしまいそうでした。それはまるで、鬼ごっこをしていて、自分が鬼の番になったけれども、いつまでたっても誰一人捕まえることができないときの心理に似ています。
なのに、どういうわけか、私はもう一度足を運んでしまったのです。言うまでもなく、またしても半ベソ状態です。その次も、またその次も・・・。なのに、なぜか足が向いてしまう。今までの自分にはない『何か』が起こっていました。

プラクティスの最中には悔しさやもどかしさや劣等感をふんだんに覚えつつも、最後のシャバアーサナ(「死体のポーズ」という意味の、ヨガの最後で行なうリラクゼーション。)で、今まで味わったことのないような深い深~いリラックス状態が心にも体にも訪れて、体中の細胞が静かな歓びに満たされているようでした。
しばらくはそれを味わうために通っていたと言っても、決して大げさではありません。

そうこうするうちに、体が徐々に変わってき始めます。ただ柔らかくなってきたということだけでなく、目立たない程度のほどよい筋肉とともにスタミナがつき、感覚的には体が軽く感じられるようになりました。

「体がカタイから…」というところからスタートした私ですから、柔軟性が身に着くごとに、それはそれは大変な喜びようです。
最初は、床に立った状態で前屈をして軽く指先が床に触れる程度。ひと月が経ち、それがだんだんと指の付け根まで着けられるようになり、やがては手のひら全体がぴったりと床に着く。
私の場合は、この指先から手首にかけての約20センチが「喜びの幅」ということになります。

あなたはどうですか?
もしも、全く床に届かないのだとしたら、指先から床にかけての距離をさらに上乗せした距離が、練習を続けた場合に得られる、あなたにとっての「喜びの幅」かもしれませんよね。

こうして私は自分のコンプレックスを楽しみに置き換えていきました。
定期的に練習を重ねても、いまだにできないことがたくさんあります。でも、できないことがたくさんあるということは、つまりはできるようになって嬉しいと思えることがたくさん待っているということなのです。

その喜びをこれからも体がカタイ皆さんと共に味わっていけたらいいなと思っています。



ナマステ&シャローム
Nozomi

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8 コメント

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アッパレ!有言実行 (Nozomi)
2010-05-16 02:50:08
☆ yokoさん ☆
おや?あれからさっそくホッとヨガを再開したんだね~。

しかも!
>この「かたさ」を受け入れていて
>周りを気にせずに
…って。素晴らしいです、この心の柔軟さ。
口では簡単に言ってはみるものの、私はいまだにこれを実践できないときがあります…。

自分を高めるための目標も確かに大事にしたいけれども、同時に、今自分がやっていることを楽しめるというのは、そのまま自分の豊かさに繋がっているからね。

是非、たくさんの喜びを味わいながら続けてみてください。
一緒にアシュタンガヨガをする日もそう遠くないかもしれないよ。
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喜びの幅 (Yoko)
2010-05-15 22:41:06
硬い・固い・硬い・難い

どの「かたい」も当てはまるなぁ~私

以前も実はブリージングヨガって奴に通っていた事があるの。
とてもよい先生だったのだけれども、あまりの「かたさ」についていけなくてね・・

でも今の私は気がつけば、
この「かたさ」を受け入れていて
(己を知るって勉強がこんな所にも役立ってます)
周りを気にせずに自分の汗(ホットヨガですから)を自分の喜びの幅、いや、喜びの滴りとして楽しんでます。

もちろんやわらかくなったり痩せたりしたらいいけれども
今は終わったときのすっきり感が魅力。
まずはむくみが取れたらいいなぁ~と思っています。

これで生活の中に定着して(すぐやめちゃうからなんでも)、もっともっと体を動かす楽しさを知って(運動系はからきし苦手意識もっているから)
いつかNozomiのお勧めのヨガもやれたらいいな。なんて
そうそうに早い夢 描き始めつつある今日この頃です。
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柔軟さとは (Nozomi)
2010-05-14 19:43:04
☆ nanaさん ☆
いつもありがとう。

柔軟な体を得ることがヨガの最終目的ではないので「体の柔らかさ=頭の柔らかさ」とはならないけれども、体を通して今の自分の内面を観察することは可能だよね。

器械体操をやっていたのであれば、もしかしたら、その時の感覚が今でもnanaちゃんの体のどこかに記憶されていて、呼び覚まされるのを待っているかもしれないよ。

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 (Nozomi)
2010-05-14 19:32:45
☆ あきのさくらさん ☆
あれ? 頭、固かったっけ??
さくら姉さんには、なんだかずいぶん柔軟なイメージを持っておりますよ。

私たちの思考にはそれぞれにフジツボ並みにしつこい『癖』がくっついてしまっているので、どんなに思考をフル回転させても、小宇宙である肉体の叡智には敵わないなと感じることがあります。

体の感覚はいたってシンプルだけれども、頭脳の理解を超え、そして自分に正直。
魂の宿る場所だから、もっと耳を傾けてもいいのかもしれませんね。


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うむうむ (nana)
2010-05-14 15:49:43
身体の硬さねぇ。。。。
小学生の時は、器械体操してたから
意外と身体はぐにゃんぐにゃんだったけど
今は。。。。orz

同様に、頭も固くなってるなぁ~
この日記見て、自分の今までを考えさせられた

何事にも柔軟にならないとね^^b
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頭・・・・ (あきのさくら)
2010-05-14 09:07:25
身体の固さは、頭の固さ・・・・。
ぎゃー、わたしのことだ!!と、いさぎよく認めます。うふ。

「結果ではなくプロセスが大切」ということを
頭で知ってるだけなのと、
実際に経験してみるのとではぜんぜん違う。
このことがわかっているのは、実際に経験してみた人のみ。

一昨日から身体を鍛えなおしはじめていたところへ
なんとタイムリーなメッセージ。
ありがとう!
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ようこそ (Nozomi)
2010-05-14 04:27:22
☆ 佳代さん ☆
わぁ~い、佳代さんだ~~!
そうでしたね。最初は二人ともグダグダでした。(笑)
それを笑い飛ばせたのは一人じゃなかったからかもしれませんね。
それ以来、アシュタンガの同志である佳代さんの存在にはいつも支えてもらってました。
ほぼ同じ時期に始めて、たくさんのコトをシェアできた事は、私にとって大切な宝です。

マリーチDで普通にバインド出来るようになったんですね!
しかも手首!!スゴイじゃないですか!

明日のランニングも楽しんで来てくださいね☆

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遊びに来ました☆ (佳代)
2010-05-14 01:56:10
希さん、こんにちは!
遅ればせながら読みに来ました。
私も初めてアシュタンガのクラスを受けた日のこと、まだ覚えてますよ(汗)
太陽礼拝A、Bでもうグダグダでした。。。
体も硬かったしフルプライマリーをこなす体力もなかったけど、いまではフルは普通、マリチDで普通に手首をバインドできるようになりました。
ちょっとは進歩してるようです(笑)
相変わらず宅練やってますよ!
明日はムーンデー。ヨガの代わりにがっつり走ろうと思っています(笑)
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