Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

2012-05-07 15:57:44 | 日記
新居の窓辺によく現れる猫。
野良猫だけど野良には見えない品格が漂うその猫は、おそらくかつては飼い猫だったと思われる。

今日はまたずいぶんお腹を空かせたらしく、私を見かけると窓際までやってきて何かもらえないかという顔で待っている。
何もあげられるものはないが、とりあえず私も窓辺まで行き、伝わるはずもなかろうにと思いつつ「なんにもないよ」と言ってみた。
小学生の時に指を咬まれて以来、猫はちょっと苦手なので窓は閉めたままの対面。
「ニャー」とずいぶん可愛らしくないているけど、蜂蜜色の目は何でも見透かしているんじゃないかと思わせる妖しさを湛えている。

初めて至近距離で見たその猫は見るからに柔らかそうなグレーの豊かな毛に覆われていて、シャンプーをしたらそれこそビロードのような毛並みになるんじゃないかと思うほど。
さらに見ると、左の耳が少し欠けている。
「あ、女の子だったのね」

ここでは野良猫は処分されるのではなく、メス猫だけが一時的に保護され、避妊手術を施された後に再びストリートに戻されることになっている。
避妊手術を済ませた目印として耳の先を少し切ってあるのだそうだ。
これだって街に猫を増やしたくないという人間の都合に変わりないのだけれども、もうすでに存在している命に対する向き合い方いう点では、ただ淘汰するやり方よりもはるかに心の温度を感じられる。

そんなわけで野良猫が街から消えることはなく、また必要以上に増えすぎるということもなく、テルアビブあたりに行くと路地裏や塀の上に気侭な野良猫たちをよく見かける。
彼らが日本の野良猫よりも寛いで見えるのは気のせいかな。



ナマステ&シャローム
Nozomi

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