ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

何兆円レベルの犯罪と何億円レベルの犯罪

2010-08-23 22:00:55 | ときのまにまに
政権交代がなされ、国民は新しい政権・民主党に大きな期待を寄せました。私もその1人です。期待の内容は官僚支配からの脱却であり、天下りに象徴される何兆円レベルの無駄遣いの「仕分け」であり、無駄な公共工事の廃止で、その結果生み出される財政による福祉の充実でした。それに加え、新政権によって今までの従属的な日米関係のが改善され、自主外交が具体化し、沖縄の基地問題も解決するだろうと、期待されました。
ところが、官僚とマスコミとのタッグチームの結束は固く、民主党がもっている弱点が美事に突かれ、「政治と金」に関する大キャンペーンが展開し、国民の関心はそちらの方向に誘導され、その結果鳩山・小沢民主党は危機的な状況に追い込まれ、「小沢対反小沢」というマスコミが作り出した構造により、民主党は今や崩壊寸前です。その前に自民党は事実上崩壊してしおり、政治勢力そのものが国民から分断され、ほとんど完全に官僚支配を徹底させる結果となってしまった感じがします。
そこで、一寸立ち止まって考え込んでしまいました。何がどこから間違ってしまったのか。こういう場合には物事を単純化して考え直す必要があります。民主党の弱点であった「政治と金」の問題はせいぜい何億円程度の犯罪です。確かに億単位の金ともなれば一般国民には大きな金です。ところが、官僚支配による無駄遣いとか天下りのための補助金は何兆円レベルの話しです。表面的には合法化され犯罪の臭いは消されていますが、国民の金が誰かによって無駄に使われ、誰かの懐に入っていることは間違いなく、しかもその金は兆単位になるのです。どちらが国民全体にマイナスなのかははっきりしています。何も小沢元幹事長が清く正しい政治家だとは思いませんし、鳩山元首相をめぐる資金の不透明さも庶民感覚からはかけ離れています。しかし、それは所詮何億円程度の問題です。何億円程度のことで、何兆円という問題に目をつぶるのは愚かなことです。何兆円という損失を避けるために、何億円を捨てる必要があるのかも知れません。それが政治というものでしょう。
菅首相以下、現在の閣僚が「政治主導」を貫き、本当の意味での「脱官僚」を実行できるならば、私たちは彼らに期待するでしょうが、残念ながら、ほとんど完全に官僚の「指導」に屈服してしまっています。現状を見ている限り、外務省にしても、防衛省にしても、財務省にしても、以前の自民党よりもひどい状態になっています。人事はほとんど官僚たちのお膳立ての通り実現し、日米関係は完全にアメリカべったりの外務省の言いなりであるし、予算は財務省の案そのままであるし、防衛省は小泉首相時代より「より好戦的」になっています。もはや、菅内閣には何も期待できません。ただ、首相があまりにもころころ変わることが国際関係において「格好が悪い」というだけで「継続」を支持しているだけです。要するに、単純に、今国民が求めていることは民主党が政権を取ったときの原点に戻るだけです。それを実現できる政治家はいるのか、いないのか。

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