ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

シンクタンク「国際公共政策研究センター」の活動に注意

2009-02-16 15:10:53 | ときのまにまに
小泉元首相が自民党を内部から揺さぶるような発言をして、さっさとロシアに外遊してしまった。そして、国会では小泉さんが帰国するまで、補正予算案の最終決議を延期するという。何かおかしくないのだろうか。こんな時に、なぜ「外遊」なのか。それは国会議員として許されることなのか。まぁ、そんなケチなことを取り上げる気はないが、今頃何をするためにロシアに行っているのだろうかということが気になる。そのことについて、マスコミが何も伝えないので、いろいろ調べてみると、いろいろ面白いことが判ってきた。(グーグルで「小泉元首相 ロシア訪問」で検索すれば、続々資料が出てくる。)
先ず、今回のロシア訪問は「国際公共政策研究センター」(田中直毅理事長)と呼ばれるいわゆるシンクタンクから派遣されている。この団体は、小泉さんが首相を辞めた直後の2006年10月に、当時のトヨタの奥田日本経団連会長が音頭をとりって、キャノンや新日鉄など、日本を代表する主要大企業80社くらいから合計18億円を集めてつくられ、小泉さんを顧問に迎えている。いわば、小泉さんのために作られた組織である、といわれている。この情報だけでも、「成る程、権力集団というものはそういう風にして営まれているのか」、これは一種の「天下り」があるいは「天上り」かと考えさせられるが、それはそれで別な機会に取り上げる。
2007年3月13日付けの毎日新聞はその当時のことを次のように報道している。
<トヨタ自動車やキヤノンなど経済界が中心になって創設を目指してきた民間シンクタンク「国際公共政策研究センター」は12日、東京都内のホテルで設立総会を開き、小泉純一郎前首相の顧問就任と奥田碩・前日本経団連会長(トヨタ自動車相談役)の会長就任を決めた。今後は小泉前首相や奥田前会長を中心に経済や外交、安全保障問題について政府から独立した立場で政策提言を目指す。(中略)(このセンターは)米国のブルッキングス研究所や戦略国際問題研究所(CSIS)などを手本に米国型のシンクタンクを目指す。>
この記事を保存しているブログ「杉篁庵日乗杉篁庵日乗」では、この記事ついて次のようなコメントを付加している。
<マスコミをシャットアウトして極秘裏での総会であったようだが、何だか悪人総動員の会が立ち上がった感じである。労働環境の悪化をすすめた‘財界の総理’と呼ばれる奥田碩前経団連会長(トヨタ前会長)とそれを受けた小泉政権下で、ワーキングプア・過労死(過労による自殺)・過剰ノルマによる鬱・労働者の奴隷化等さまざまな惨状が生み出されたのではなかったか。現経団連会長の御手洗会長が率いる請負社員の不当な扱いが露呈し不買運動の起こっているキャノン、原子炉にかかわる事故と事実の隠蔽の不祥事を起こしている東京電力、プラントからの汚染排水の垂れ流しと自治体への虚偽報告のJFE、これがみな資金提供に名前を連ねている。>「悪人総動員」という言葉はわたしが使ったのでないので悪しからず。
ヤフーニュースによると、小泉さんは18日には、プーチン元大統領と会談する段取りになっており、丁度それと同じ頃、麻生太郎首相がサハリンでメドベージェフ大統領との首脳会談を行うことになっている。つまり、小泉さんは同時期に、ロシアの現大統領よりも格上の元大統領と面談するということになるわけで、「元――元」と「現――現」との図式はジョーク以上のものを含んでいるように思う。
今晩はアメリカのヒラリー・クリントン国務長官が来日する。
わたしは風邪がなかなか抜けず、毎食後薬を飲んでいるために、眠たくて、勉強も出来ない。仕方がないので、ベッドで半籐一利の『幕末史』を読んでいる。当時の政治状況と現在の政治状況とが重なって、とても面白い。

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