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追悼式での天皇陛下のお言葉と野田首相の式辞

2012-03-13 11:47:32 | ときのまにまに
追悼式での天皇陛下のお言葉と野田首相の式辞
先日行われた政府主催の東日本大震災1周年追悼式で天皇陛下のスピーチに感動したのは私だけではなかった。反骨の元外交官天木直人さんも次のような注目すべき発言をしている。ほぼ同感なのでその主旨を紹介させて頂く。
東日本大震災1周年追悼式が終わった。というわけで、これからのマスコミの論調は「何時までも悲しんではおれない。さぁ復興だ」というキャンペーンを張り、瓦礫処理や原発再開を強行し、復興のために消費税増税が必要だと叫び出すだろう。そのためには先日の追悼式における天皇陛下のお言葉は妨げになるおそれがある。出来るだけ、その部分については国民が気付かないようにしなければならない。
この式典において天皇陛下は次のような発言をされている。
「・・・さらにこの震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています・・・」
この発言を聞いた時、私は正直に言って驚いた。この発言は現政権に対する非常に厳しい批判であり要求であると感じた。それはただ一言「再びそこに安全に住むためには」と述べられ、さらにそのためには「放射能の問題を克服しなければならい」と明白に述べられたのである。
天木さんはこの式典について次のように述べている。
<この追悼式はもちろん東日本大震災による犠牲者を悼む式典だ。そしてその被災地、犠牲者の大きさは津波によるものが圧倒的だ。しかし、被害の深刻さと復興の困難さ、そして日本国民全体に及ぼす影響は原発事故被害である。しかも津波は一年前に終わったが、原発事故はいまも続いている。>
天皇陛下の発言は短い。不注意に聞いていると聞き逃してしまうであろう。<しかし、お言葉の全体の長さを考えると原発事故についてここまで言及された事は、いかに天皇陛下が原発事故を深刻にとらえ、そしてその解決の遅れに懸念を持たれているかが伺える。>
それに比較して野田首相の式辞は何とお粗末なことか。原発事故については「・・・原発事故との戦いは続いています。福島を必ず再生させ、美しいふるさとを取り戻すために全力を尽くします・・・」だけである。安全の「あ」の字もない。「美しいふるさと」などという言い古された美辞が踊るだけで、ことの深刻さへの理解は全く感じられない。
重要なことは天皇陛下の原発事故に対する心痛をマスコミはほとんど無視している。

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