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東京都武蔵野市の井の頭自然文化園で3日、国内最高齢の69歳で5月に死んだ雌のアジアゾウ「はな子」のお別れ会が開かれた。
ゾウ舎の前には献花台が設けられ、訪れた都内に住む女性(80)は「悩みがあっても、はな子を見ると解決した。元気をもらった」、子ども連れの都内在住の男性(44)は「寂しい。天国で見守って」と悼んでいた。
はな子は1949年にタイから上野動物園に贈られ、54年から井の頭自然文化園で飼育された。はな子と飼育員の物語はテレビドラマなどになり、多くの人に親しまれた。
はな子をめぐっては、同園に最寄りの吉祥寺駅前に銅像を設置する計画がある。一周忌に当たる来年5月の完成を目指し、経費は募金で賄われる。
井の頭自然文化園でゾウの「はな子」のお別れ会
東京・武蔵野市にある井の頭自然文化園で、今年5月に死んだアジアゾウ「はな子」の「お別れ会」が開かれ、およそ1200人が集まりました。
「はな子は井の頭の他の仲間たちをずっと見守ってくれると思います」(井の頭自然文化園 永井清園長)
今年5月、国内最高齢の69歳でこの世を去ったアジアゾウの「はな子」。
1949年、2歳のときに「戦後初めてのゾウ」としてタイから来日して以来、井の頭自然文化園で長く親しまれてきました。
「学校の授業でも扱ったりして、ずっと関わっている気持ちでいた」(小学校教員)
3日午前、「お別れ会」が開かれ、およそ1200人の入園客が「はな子」との別れを惜しみました。(03日16:41)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2859964.html
ゾウのはな子、銅像に=8月30日から募金-東京都武蔵野市
東京都武蔵野市の邑上守正市長は29日、記者会見し、5月に国内最高齢の69歳で死んだアジアゾウ「はな子」の銅像を制作すると発表した。
経費は約1000万円を見込み、募金で賄う。
はな子の一周忌に当たる来年5月に、飼育された井の頭自然文化園に近い吉祥寺の駅前に設置する。
市は「広く市民に愛された『はな子』の功績を後世に伝えたい」と話している。
市や商工会議所などの実行委員会が主体となり、8月30日から来年3月末まで募金活動を行う。
銅像原型は美術家、笛田亜希氏が制作。大きさは高さ1メートル、長さ1.5メートル程度で、台座に置く。
(2016/08/29-17:31)
<ゾウ>はな子のお別れ会 2801人花手向け
タイからお別れ会に参列したシナバスさん(右から2人目)らサラサスファミリー=井の頭自然文化園で
タイから贈り主の三男・シナバスさん参列「天国で父と再会」
国内最高齢の69歳で5月に死んだアジアゾウ、はな子のお別れ会が3日、飼育されていた井の頭自然文化園(東京都武蔵野、三鷹両市)であった。
はな子と一緒に思い出を紡いだ2801人もの人が花を手向けた。
お別れ会には、はな子の贈り主、故ソムアン・サラサスさんの家族も出席。
タイから駆けつけた三男のシナバスさん(57)が代表し「はな子は愛してくれた人たちの心の中に生きています。
天国で父と再会し、日タイの友好を願っていると思います」とあいさつ。日本在住の長男、ウクリッドさん(73)が通訳した。
1949年、当時2歳半のはな子は戦後初めてのゾウとして来日。
54年に上野動物園から井の頭自然文化園に移り、62年の歳月を過ごした。
板橋区の女性(77)は「夫を早く亡くし、寂しくなると子や孫と会いに来た。はな子に元気と勇気をもらった」と感謝した。
はな子の晩年を支えた最後の飼育担当者4人は、食が細くなったはな子が少しでも多く餌を食べるよう工夫した様子を、声を詰まらせながら話した。
【斉藤三奈子】
<「自分を人間だと思っていた」はな子の足跡たどる>
特設展は、はな子が戦争で傷付いた子供たちの心をいやすため、1949年にタイから来日した経緯や、各地の動物園で起きた「ゾウブーム」などを写真や新聞記事も交えて紹介している。当初は、上野動物園でインディラやジャンボと暮らしたはな子は、54年に井の頭自然文化園に移り、1人暮らしを始めた。そのきっかけとなったゾウ誘致運動を示す資料として、武蔵野市側の請願書の写しも展示されている。
はな子は35歳になった82年、体調を崩して消化不良や便秘を繰り返し、翌年には歯が1本だけになった。野生動物の場合「死」を意味するが、飼育係や獣医師は、食べやすく消化の良い餌を用意し、はな子の食生活を支え続けた。
会場には、はな子専用の調理用具を展示している。サツマイモやニンジンはスライサーで千切りにし、炊飯器で炊いた米飯はおにぎりにした。月に1、2回は見に来たという幼稚園児は「鼻で上手にバナナを食べていたよ」と思い出していた。
◇
人間に愛されたはな子だが、自然文化園に来てから60年以上、他のゾウを見ていない。会場には、歴代30人以上にのぼる飼育担当者が、はな子を退屈させないよう考案したホースやタイヤなどの遊び道具も並ぶ。はな子が楽しむ姿を覚えている人も多い。
2002年から3年間、大勢の子供たちがおやつを与えるイベントのビデオも放映されている。小学生がはな子のそばに立ったり触ったりする体験プログラム。アジアゾウの寿命は60歳前後だが、はな子は当時50代半ば。顔なじみの担当者以外の園外の専門家に診察してもらう可能性もあり、初対面の人間を警戒しないようにする目的があったという。
はな子は環境の変化を嫌い、約40年もコンクリートに囲まれたゾウ舎で過ごした。その間、動物園でゾウを飼う目的や飼育環境は大きく変わり、現在は群れで飼育する形が標準だ。大橋直哉教育普及係長は「1頭のゾウを園のシンボルとする戦後型の動物園は終わったが、はな子にとって慣れ親しんだ環境で過ごすことが最良と考えた。はな子の足跡を振り返りながら、動物園のあり方を来園者と考えたい」と話した。
☆先ほどニュースで知りました
すべて転載です
ミモザ
68歳のお誕生会 撮影日 2015.2.1