<福島民報ニュースより>
生活再建の緊急性重視 原賠審3項目
論点は【表】の通り。住宅の賠償は、既に東電が請求受け付けを開始している。価値喪失や減少分を対象にしているが、築年数のたった住居に住んでいた被災者は、事故前と同等の住宅購入が難しいケースもある。このため、現行基準を見直すか、新たな損害項目を認めて賠償額に上乗せする方向で検討する見通し。
避難指示の長期化に伴う今後の避難費用・精神的損害は、事故から6年後以降の賠償内容を検討する。ただ、避難者は帰還を待つ人、移住を考える人、まだ決めていない人に分かれており、それぞれの状況に応じて精神的損害を区別できるかなどが課題となる。
避難指示の解除に関する賠償の考え方については、中間指針で賠償が終わる時期が明示されていなかったため、被災市町村などから「加害者である東電のみで判断され、被害者に不利益が生じる恐れがある」などの指摘が出ていた。
【住宅の賠償】
◆移住(長期避難)を余儀なくされる場合
(1)事故直前の財物価値をどう算定すべきか。移住または長期避難のために同等の住宅を取得することが可能か
(2)事故直前の財物価値を超える賠償が必要となる場合、財物損害とは別の損害と考えるべきか否か
(3)解体費用は、追加費用として賠償の対象とすべきか
(4)消費税や登記などの諸費用は賠償対象か
◆帰還する場合
(1)事故直前の財物価値の算定方法は移住の場合と同じ
(2)大規模修繕や建て直しで事故直前の財物価値を超える賠償が必要となる場合、財物賠償とは別の損害と考えるべきか否か
(3)建て直しのために必要な解体費用は追加費用として賠償対象とすべきか
(4)消費税や登記などの諸費用は賠償対象か
【避難指示の長期化に伴う今後の避難費用・精神的損害】
(1)広義の移住先として購入した住宅、災害公営住宅などが考えられるが、避難費用と購入費用・家賃との関係をどう考えるか。事故前まで借家に住んでいた被害者と持ち家の被害者では扱いが異なるか
(2)広義の移住者は帰還を待つ者、恒久的移住者、意志決定を保留する者に分けられるが、それぞれの精神的損害の内容と損害額をどう考えるか
(3)被害者が今後の生活に見通しをつけられるようにするためには、避難指示解除までの期間によらない賠償とする必要があるのではないか
【避難指示の解除に関する賠償の考え方】
(1)避難指示の解除後、賠償対象となる「相当期間」をどう考えるか
(2)早期帰還に関する損害として、避難指示解除直後に生活環境が従前の状態に戻っていないことによる生活費などの増加や、避難区域見直しにより随時立ち入り可能となった後の住宅管理などに関わる追加的費用があるか
( 2013/08/02 09:18カテゴリー:主要 )
*私は、6月12日に行われた浪江町などの被災(被害)現場視察が如何に反映されるか、原子力損害賠償紛争審査会が1日に開かれるのを大変興味深く待っていました。しかし、論点整理をしただけ(示された論点は、既に議論しておくべき内容)であって、指針の具体的見直しを議論する場と思っていましたから、大変不満足な内容の審査会だったと感じました。
7月1日、仮役場(福島県二本松市)に「弘前大学浪江町復興支援室」を設置されました。今回の復興支援室設置により、被ばくによる健康被害の調査や健康管理などについて弘前大学と浪江町との連絡や調整が更にスムーズに行えることが期待されます。
今回、所管委員会である文教・厚生委員会が、8月1.2日に「弘前大学放射線被ばく医療研究所」を視察研修してきました。研究所では現在、被災当時18歳以下の採血した血液の染色体検査をお願いしています。研究所では、分析するには1年間で200人が限度だったそうですが、対象者数約3700人のうち、検査希望者が861人と大幅に人数が増えたため、検査機器を24時間フル稼働して解析にあたっているとのことでした。結果はまだ出ていませんが、被ばくによる染色体異常はほとんど考えにくいのではないかと先生は話されたいました。
また、イネ科の牧草である「ネピアグラス」による放射性セシウム除去の研究について講義いや失礼しました説明をうけました。春に植え付け後、秋には背丈4メートルまで成長し、セシウム汚染土壌から汚染物質の除去効率が比較的良く、刈取り後は、バイオエタノールの精製やバイオマス発電が期待されるとのことでした。
さらに、野生動物への放射線生物影響調査など、今後深く長い付き合いになる研究所です。
明日は、つくば市で「町民との意見交換会」があります。出席される皆さん、お手柔らかにお願いします。